161話 黒のミサンガ
回想 114話 黒河内の回想➐ メンバーがいません
直美は自分のスカートをまくると右足首に黒のミサンガが巻かれている。
「真由美の左足にも黒のミサンガを付けたい」
「なんで?」
「黒のミサンガの意味は『魔除け』『意思』、紐が切れる時、私も真由美も、過去の呪縛から解き放たれる意味と、私と真由美の二人で頂点に立つ意味を込めて…… だから絶対に負けないで」
ワタシは黙って左足首にミサンガを付けた。
「直美はいつからミサンガを右足に付けてるんだ?」
「子供の頃から、でも不思議と…… 一度も切れた事がない…」
―――――――――――――――――――――――――――――
「うおおおおおおおおお!!≪●≫≪●≫」
『杀死《シャース―》!!≪■≫ ≪■≫』
ガッ!ア―――――――――――――――ン!!!
重なる京極の鉄警棒と転生リンファの7G警棒!!
7G警棒で吹き飛ばされなかった京極のコメカミには血管が浮き出ている!
『7G警棒を受け止めた? さすがブラックチェリー……≪■≫ ≪■≫』
次の両者の一撃!
ブ―――――――――――ン!!!
ブ―――――――――――ン!!!
強烈な一撃を避けあった両者は背中がすれ違う!!
振り向いた転生リンファ、
『ちょっと!? ブラックチェリー!?≪■≫ ≪■≫』
「なんだ?≪●≫≪●≫」
『今の一撃、ワタシに当たっていれば死んでいたかもしれないですよ? それとワタシを殺したら横山直美も死ぬんですよ?』
「アタシはオメエ(転生リンファ)とタイマンしてるだけだ。 横山直美も殺されるのがイヤなら、心と体を乗っ取っているリンファを追い出してみろ?」
『自暴自棄のこの子はみすみすワタシに全てを委ねたのです』
「聞こえてるかアネキ(横山直美)!? オメエは自由の女神ブラックチェリーの前に1人の人間だろ!? 早く目覚めて自由になれよ!!」
『直美のタマシイを復活させるんなんて無理です。 しかしブラックチェリーさんがワタシを殺そうとするなんて…… 許せません…… ワタシの力で殺してあげます…… ≪■≫≪■≫』
セクシーな歩き方で近づく転生リンファ……
「アタシがオメエを殺せねえと思ってんのか?」
京極が鉄警棒を振り上げた時、
「え?」
シュ パン
7G警棒、音速の一撃が京極の頭部を襲う……
飛ばされる京極……
「ぐっっ…… まさか……」
アスファルトにバウンドして止まる。
倒れたままの京極は……
「首が……? マジかよ?」
首が動かないまま立ち上がり、転生リンファを見つめ、
「シャーロットのケンカを完全に体得してる?」
『目喉睾丸……≪■≫ ≪■≫」
転生リンファ、瞬足で京極に突進!!
ガン!!! ガン!!!
怪力の転生リンファの7G警棒の攻撃をガードする京極の鉄警棒がへし曲がっていく!
「早く帰って来い! アネキ!! ≪●≫≪●≫」
ガチン!!!
京極のへし曲がった鉄警棒が転生リンファの右スネを打つ。
『痛ったぁ…… しぶといゴキブリめ…… ≪■≫ ≪■≫』
ガチン!!
「うっ…… もう…やばい……≪◌≫≪◌≫」
京極は鉄警棒のガードごと頭部に7G警棒を喰らった。
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何もない暗闇の無重力を浮遊する三つ編み眼鏡の横山直美がいる。
≪早く帰って来い!! アネキ!!≫
「京極……妹の声……」
どこからか大きなパンダのぬいぐるみが近づいて来る。
直美は抱いた。
「これで独りぼっちじゃない……」
(ΘェΘ)≪あむう~
大きなパンダのぬいぐるみが直美を優しく抱き返してくれた。
(ΘェΘ)≪あむん、まだ来ちゃダメだよ
「どこに?」
(ΘェΘ)≪ワタシのいる場所だよ。 直美にはワタシの分も生きて欲しいの
「生きたくない……」
(ΘェΘ)≪どうして? そんな事を言うの?
「生きていく価値がない…… 私は何人も殺している……」
(ΘェΘ)≪あむう? でも、連れて行くんだもん……
見え始めた光に、パンダは直美を抱き進む。
(ΘェΘ)≪光の向こうで待ってる人が、直美に用事があるんだって
「だれが? なんの用事?」
(ΘェΘ)≪行けば分かる
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転生リンファのトドメの一撃を振り上げられた京極!
「目覚めろ!! アネキ!!!!≪◌≫≪◌≫」
突然、7G警棒を落とし、両手で頭を押さえ苦しみだす転生リンファ……
『ごごごご…ごみパンダァァがぁぁ……!⦅❒⦆⦅❒⦆』
転生リンファの右足首の黒のミサンガがブチブチとちぎれ始める。
倒れた転生リンファはのたうち回り、
『パンダはあのガキか? ツクシに殺されたガキのクセにぃぃ⦅□⦆⦅□⦆』
黒のミサンガが……
プチン
『え? マジ?⦅◌⦆⦅◌⦆ 永遠転生者のワタシ……圧倒的最狂のワタシが…… あんなガキに…… ⦅ ⦆⦅ ⦆』
フッと横山直美の体から幽体離脱した半透明のチャイナドレスにお団子ヘアーのリンファのタマシイ!
気絶してるクリスチーヌへ!
(マリアの子クリスチーヌに乗り移ってやる!!≪ ≫ ≪□≫)
「うおおおおおおおおおおお!!!≪≪≪○≫≪○≫≫≫」
ー タマシイの鉄警棒 ー
破壊力
★★★★★
★★★★★
★★★★★
★★★★★(MAX値)
京極のボロボロの鉄警棒がリンファのタマシイを一刀両断。
アスファルトにぶつかった鉄警棒は折れた……
消えゆくリンファのタマシイは、
(クリスチーヌに子宮が無いから転生できなかった? マリアか……? マリアが我が子の子宮を摘出していた? ブッ、ブラックチェリーは……ワタシともう会いたくないの? ワタシの事を愛してたよね? 誤ってワタシの足を撃ったんだよね…… 殺すつもりは無かったんだよね? また会いたい…… <◌>||<◌>)
リンファのタマシイは消滅。
「オメエとアタシに、次はもう必要ねえ……」