表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
157/189

150話 東京連合 第8代総長 京極茜

★京極茜目線



 家から近いから聖クリに10分ぐらいで来た。


 校門を抜けると……


 運動場でライトを点けたワンボックスの車が何台か止まってる。

 車の回りには人が何人か立っている。

 1人はすぐに分かった。

 デカすぎるシルエット、間違いなく美園礼子だ。


 美園礼子へ歩くと……


 気づいた全員がアタシを向きだす。



 近づくと、全員が頭に包帯巻いたりしてケガしてる?

 アタシは美園礼子にガンを飛ばし、


「オメエか? アタシの協力者ってのは?」


 美園礼子はアタシを見下ろしながら、


≪アサコ、キョウゴクがキタゾ≫


 美園礼子の横から、長い茶髪に、高いヒール、黒のビキニの水着の上に白い装束を羽織った後藤朝子が腕を組みながらアタシに歩いて来る。

 アタシの前で立ち止まり、すげえをガンを飛ばしてきやがる。

 アタシはガンを返し、


「後藤朝子…… 狂犬病のオメエが協力者かよ? 少し驚いたぜ……」


【シャーロットは?】


「後で新宿に来る」


【京極…… 敵のダンテは300、アタイの東京連合は生き残りの怪我人のかき集めて40…… でもアタイは勝つための《《覚悟》》だけは負けてねえんだ……】


 美園礼子もアタシに近づいて来て、


≪キョウゴク、ダンテの幹部に虎武流トラブルってクソヤロウがいる≫


「トラブル?」


 後藤朝子はアタシにケイタイの画像を見せてきた。

 ハーフスキンヘッドの頭に漢字のタトウ―が入った細い男が笑顔で映っている。


【東京連合の多くの仲間がコイツに売られて消されちまった。 コイツはアタイが千葉連合総長の時の側近だった男】


「どうやら……筋金入りのクズのようだな……」


【見た目は弱そうだけど、そこそこつええぞ…… コイツにはラクに死なさねえ程の落とし前をつけさせねえとダメなんだ……】


「分かった」


【それとダンテは兵の多さだけじゃねえ。 四国から引き抜いた特攻隊長 谷口サトルもいる……】


「あのチョボヒゲはタイマンは半端じゃなくつええ……」


【同じく四国から引き抜いた親衛隊長さんご】


「アレもバカだけどつええ…… だけど股間を伊崎と黒河内にやられてケガしてる」


【副総長に鬼頭の妹】


「釘打ち名人の妹が、一番信頼される副総長ポジションか……」


【その他にも全国から実戦的なトップヤンキーを何人も引き抜いてるって話だ】


「ダンテにはそんだけ金があるんだろうな」


【そしてダンテの総長ブラックチェリー…… アタイが抗争で見た正直な感想は…… ケンカの強さの次元が、他のダンテ幹部や、アタイや美園よりズバ抜けてる】


「刺青入れたブラックチェリーなら、アタシが入院してる時にわざわざ挨拶に来てくれた。 秋葉原のビルから突き落とした時とは全くの別人だった…… 何がドーピングになったかは知らねえけどな」


【京極、頼みがあるんだ…… アタイの覚悟を受けいれてくれ】


 アタシの前で後藤朝子は両膝を地面に付けた……

 ゆっくりと両手も頭も地面に付けて……

 アタシに土下座しやがった。


 白装束の背中の『全国制覇』が正面から見える程に……


「オメエが土下座……〈●〉〈●〉」


 後藤朝子は地面に頭を付けたまま、


【京極!! 東京連合の8代目総長になってダンテと戦ってくれ!! 一番 つええのがアタマにならねえとダンテにゃ勝てねえ!!】


「アタマ上げろ後藤朝子……」


【京極が8代目にならねえ限り、頭は上げねえ!! 頼む引き受けてくれ!!】


全国制覇せかいせいはのオメエは死ぬより土下座の方がつれえだろ…… 分かった。 アタシが東京連合の総長になってダンテと戦ってやるからアタマを上げろ」


 後藤朝子は顔を上げ、


【すまねえ……恩に着る……】


「だけど…… もしアタシに何かあったら、オメエが次の総長に戻るのが条件だ」


【……分かった】


 後藤朝子は立ち上がり、白装束のポケットから古びた鉄警棒を取り出し、差し伸べてきた。


【これが東京連合初代の鉄警棒であり東京連合総長の証、受け取れ京極】


「いらねえ……」


【なに?】


「ソレは次の総長のオメエが預かっとけ、アタシには鉄警棒は二ついらねえんだ」


【そう……か……】


「東京連合の総長に証ってのが必要ならよ…… アタシがいつも着てる、この『卍』のスカジャンでいい」


 後藤朝子は初代の鉄警棒を唇を噛みしめて見つめながら、


【分かった。 アタイが宮本晴彦の鉄警棒を預かる】


 全国制覇の白装束のポケットに仕舞った。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ