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148話 囚われた聖女クリスチーヌ


 7月2日の17時。


 聖クリの駐車場では、校長室のモニターで全生徒が校門から下校したかを確認し終えたクリスチーヌ校長が新帝国ホテルに帰宅するため1人でベンツへ歩く。


「カナエは黒河内と一緒に病院送りだし、広田キラと戦った京極も赤銅と早退しとるし、今日はワタクシ1人で新帝国ホテルに帰るのか……(◞‸◟) でもワタクシを拉致していた東京連合もダンテに潰されて終わってるし大丈夫かな(;'∀')」


 聖クリ三年生の黒の制服を着た女がクリスチーヌのベンツの前で立っている。

 三つ編み眼鏡の横山直美。


「え?('Д')」


 クリスチーヌは足を止めて、今日の慰問プロレスファイナルマッチ直前を思い出す……


――――――――――――――――――――――――――――


京極「横山直美って女…… まだ聖クリに在籍してんだろ?」


「我が校で大学行けそうな唯一の子? 最近は出席してないけど、まだ在籍よ」


京極「横山直美がブラックチェリーなんだよ」


「そんなアホな」


 京極の真剣なガンを見たクリスチーヌは、


「本当みたいね……」


――――――――――――――――――――――――――――

 

 クリスチーヌはガチガチガチと歯を鳴らすほど震え、


「開校式でワタクシを拉致した首謀者ぁぁブラックチェリーの横山直美がぁぁ(((๑ºдº๑))) ワタクシのベンツで待ち伏せしとるぅぅ:((;っ´°Д°`c);:」


 クリスチーヌに気づいた横山直美がゆっくりと歩いて来る。


「なんでえぇボデイガードに京極(最強)もカナエ(無敗街道)も居ない、ワタクシ1人ぼっちの時にぃぃ((((;゜Д゜))))」


 横山直美は小柄なクリスチーヌの前で止まり、ペコリと頭を下げた後に見下ろし、

≪おつかれさまです校長先生≫

 ニコっと笑った。


 クリスチーヌは作り笑顔で、

「あら横山さん(´▽`) お久しぶり(^_-) 最近、学校に来てなかったから心配してた(^_^) 元気そうで良かった(*‘∀‘)」


 向こうから黒塗りのアルファードがゆっくりと近づいて来る。


≪校長先生、私の母を知っていますか?≫


「いえ、知らないですよ(;'∀') ワタクシそろそろ帰らないと(;'∀')」


≪義理の母はココの教頭のシャーロットです。 私は3歳から18歳の今までシャーロットの家で暮らしていました。 校長先生はご存じなかったでしょう≫


 クリスチーヌは作り笑いを止め、下を向いて考え、


「一度も行ったこと無いけどシャーロットの家に横山直美という子供がいた?(; ・`д・´) 横山直美? まさか……まさか」


 見上げ、


「あなた? 3歳で亡くなった直美ちゃんの妹なの?(●)(●)」


 黒の車は横山直美の隣に停まると、

 横山直美は眼鏡を外し、三つ編みを解きながら、


≪校長先生には恨みは無いけど連れて行きます≫


「なっなっ何を言ってるのよ?(;´∀`)」


≪悪いのは全て逃亡中のシャーロット…… 私は、ツクシから生まれシャーロットが育て上げた………≫


 パサっと黒の制服を投げ捨てる。

 横山直美の黒のワンピースの胸の隙間から夜叉に刺青が溢れている。

 その顔と黒の長い髪はツクシに酷似。

 右足首には黒のミサンガ。


≪ブラックチェリー≫


「やっぱり開校式でワタクシを拉致したブラックチェリーだった!!(>_<)」


 ブラックチェリーはにやけてアイコスを吸いながら、


≪校長はブラックチェリーの意味を先代聖女マリアから教えて貰ってねえから知らねえよな? オメエの信仰している自由の女神がブラックチェリーと呼ばれてたんだよ。 それが私らしいよ? うけるだろ?≫


 真っすぐに見上げたクリスチーヌ、


「アンタは自由の女神じゃない(°ㅂ°ꐦ) アンタは直美にもなれない中途半端な人間。 暴力でしか自分という存在を保てない弱い人間 (#°Д°)」


≪当たりだよ≫


「自由の女神はきょうごっっっ!」


 クリスチーヌはブラックチェリーの腹パンで意識が飛ばされていた。


≪そう、京極こそが本物のブラックチェリー……≫







 夜11時20分。


 築70年アパート『ロイヤルプリンセスマンション』の京極の部屋では、テレビをあぐらで座って見る京極と赤銅が、


赤銅「さっきの二郎ラーメン美味そうだったな?」


京極「明日、喰いに行くぞ」


赤銅「早速かよ~」


 赤銅は立ち上がり、

「タバコ切れたから、ちょっとコンビニ行ってくるわ」


「アタシのセッタ残り数本だし、アタシの分も頼む」


「了解」


 赤銅はアパートを出た。


 残った京極はバタっと横に倒れ、


「もうヤバい…… アタシの命が終わりそうだ……」


 テレビを目を垂らしてジッと見つめる。




 外に出た赤銅が単車に跨った時、ラインが鳴る。


≪ピロン ピロン≫


「このタイミングでラインかよ? ちっ誰だよ?」


 ケイタイのラインを開く、


「横山先輩から……」


――――――――――――――――――

赤銅さんお久しぶりです

この件は赤銅さんには

一切の関わりはありませんし

関わって欲しくありません。


ケイタイを持ってない

京極にお伝えください

今夜0時に私の待つ新宿中央ビルの屋上に来いと。

来ないとクリスチーヌの命はありません

――――――――――――――――


「マジ? 校長が?」


 下の動画を押すと、


――――――――――――――――――――――――

「ぎゃあああああ (;゜Д゜)」


鬼頭妹「おいおい? まだ始まったばかりだぜ」


「もうううやめててええええ('Д')」


 屋上に100人を超える兵隊が全裸のクリスチーヌを取り囲みガスバーナーで体を焼いている。


「きょうごく―――!! 助けてえええええ!!('Д')」

――――――――――――――――――――――――


 赤銅は動画を見つめながら、


「こんなの見たら京極は100パー行っちまう…… だけど行ったら必ず殺されちまう…… ダンテは全軍を用意してるに違いねえ……」


 ケイタイを特攻服のポケットに仕舞い。


「校長…… ワタシには校長より京極の方が大切なんだ……ごめん」


 単車を走らせた。



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