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139話 狭い心


 さんごは目をかっ開いたガンで見上げる。


【聖クリ知りたきゃ上がってこいやとぉぉ…】


 観客から、


ΩΩ≪伊崎!! さんごをぶっ殺せ!!

ΩΩ≪背中にアイスピック刺さったさんご!! 聖クリを舐めてんじゃねえぞ!!


 さんごはケイタイを操作しながら、


【ケジラミ共だまれ!!! 余計な事を喋ったらダンテがぶっ殺す!!! 二階からダンテの聖クリ生徒構成員が観客の動画も撮っとる!!!】


ΩΩΩ≪……


 ケイタイの操作を終えて、携帯を特攻服のポケットに閉まったさんごは再びリング上の伊崎を見上げ、


【伊崎~~ リングに上がってやっから、聖クリを教えてくれや~~】


 伊崎はアイスピックを構え、

「さっさと上がってこい」


 さんごは二階席のゴリラの様な女を見上げ!


【親衛隊員ゴリラクイーン! 消火器を投げろ!!】


(ÒωÓ)「はいはい」


 ポ~~~~~ン


 二階から放たれた消火器をガシっと両手で受け止めたさんごは!

 

 ブウ――――――――――――――!!!


 消火器の白い薬剤をリングに放つ、テントウムシヘルメットは笑いで揺れる!


【ぎゃっはっはっはっはっは!! 伊崎〜!オレがリングに上がるタイミングの隙だらけの所を狙う気だったやろうが!? そうはいかねえぞおお!!】


 消火器を出し尽くして捨て、赤いテントウムシヘルメットを、

【煙幕状のリングで赤色は目立つ、逆にリング上の二人は黒のレザースーツと黒のキャミソール……決まりや】

 外してリングに上がる!


 視界がままならないリング上、コーナーポストに黒い人影が見えた!


【……(頭部も全身黒? 黒河内発見!!】


 黒河内のレザースーツの人影へ、膝下まである黒の長い髪をなびかせ全力疾走!!


【……(いくら硬そうなレザーでも! 全力の鉄トンファー先端鋭利や!!】


 トンファーの先端鋭利で!

 黒河内のレザースーツの喉仏を刺した!


 が……


【え? 突き抜けた? なんでや?】


 直後、さんごの両足首がガシっと掴まれた。

 視界の悪い中、さんごは足首に目を凝らす、


【オレの両足首が…… 両手ずつに掴まれとる…… まさか……】


 リング下では伊崎と、黒のレザースーツを脱いだ黒のシェイプアップブラとTバック姿の黒河内が、


「身代わりのレザースーツ。 ナイスアイデアだな黒河内? 一気に邪魔者さんごを終わらせる、いくぞ黒河内!」


≪ああ、先ずはさんごを終わらせねえとな!≫


「≪せ~~~~の!!≫」


【まっ、まて…… やめっ…<⦿><⦿>】


 ブ――――――――ン!!!


 伊崎と黒河内のそれぞれがさんごの足首を全力で引っ張ると!


 ゴ★―――――――ン


 さんごは鉄柱のコーナーポストに股間を強打……


【ああぁ……ぁ…ぁ……<◌><◌>】


 手を離した伊崎と黒河内はリングに上がり、二人で白目のさんごの顔を踏みつけ、


「恥骨をクラッシュされちゃ、もうタイマンの邪魔はできなえだろ?」


≪さんごバカだな? 消火器が裏目に出てんじゃねえか? おい? さんご? ワタシの死んだ振りもそうだけど、オメエとワタシでは場数が違うんだよ?≫


 黒河内はさんごの顔に乗せていた鉄のハイヒールを振り上げた……

 それを見た伊崎、


「バカ! やめろ!」


 ブン!  グシャ!


 

  さんごの頭頂部すれすれに鉄のヒールはリングを貫いていた。

 黒河内は伊崎にガンを飛ばし、


≪おい伊崎? なんでワタシの鉄のハイヒールを足で払いやがった?≫


 伊崎はガンを飛ばし返し、


「もうコイツは邪魔できねえだろうが?」


≪こういうバカは最後までやっとかねえと後々面倒だろ?≫


「さんごにヒールを振り落とすのに躊躇なかったなオメエ…… 今まで何人殺してる?」


≪はあ? なんだそのくだらねえ質問は? でも答えてやるよ。 イジメで何人かはハッキリしらねえけど…… オメエなら知ってんだろ? 直なら東京連合5代目浦岡と……もう一人は殺しても殺したりない男(ヤクザの遠藤)と……………≫


「と?」


 黒河内はTバックの上の下腹部を触り……


≪なんでもねえ……≫


「レザースーツを着ろ黒河内」


≪マジで言ってんのか?≫


「邪魔の入ったタイマンの仕切り直しだ」


≪フフ…… ありがとな…… でも後悔すんなよ……≫






 ワタシは、コーナーポストのレザースーツに歩き、スーツを装着しながら……



 伊崎……

 このタイマン……

 間違いなくワタシが勝つ……


 開校式でタイマンした時もだけど……

 ハッキリ言って、人を殺せないオマエは怖くない。


 中一の時、オメエの6人殺しを知った時は軽くブルったが……


 人は変わるもんだねえ……


 いや…… 

 6人も殺してるヤツが更生なんて絶対に無理だ……




 消火器の煙幕が晴れ始めた、ワタシは聖クリの校長を見下ろし、




 校長は桁違いの金持ち……

 そうか…… カネの魅力に負けて伊崎は更生した演技をしてんのか? 


 校長から金をむさぼるために己を偽るとはな? 

 見損なったぜ伊崎……


 でもよ…… 

 カネのチカラが人を変える位に、すげえのも分かるぜ……


 校長みたいに超金持ちの親の子に生まれていたなら…… ワタシの人生は違っただろう……ワタシの親ガチャ最悪……


 へへへ、伊崎に騙されてる校長さんよ~ 

 伊崎を殺したら、ワタシが伊崎の代わりに更生した良い子演じてやるから10億くれよ……

 


 ワタシは、レザーのフルマスクを被りファスナーを締め、



「伊崎殺したら10億円……」




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