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99話 京極茜vs伊崎カナエ


 聖クリ4階トイレ内



 伊崎は意識を失った赤銅に笑みを向け、


【コイツを家に連れ帰ってヤク漬けにしてから、ヨコタマに動画を送る】


 伊崎は赤銅の特攻服のポケットを探り、スタンガンを取り出し、


【スタンガン持ってたのかよ?】


 更に赤銅のポケットを調べる、


【ケイタイ、家とバイクの鍵、タバコ、パチンコ玉……ん?】


 胸の間に何かがあるのに気付き、隠しドーグのスリングショットを取り出した、


【おい? こんなヤバいの隠し持ってんのかよ?】


 パチンコ玉をセットしてスリングショットをグ―――と引き、窓目掛けて手を離すと、窓にはパチンコ玉の穴が開く、


【すげえな? これも対京極に使えるかもしれねえから貰っとくわ、もちろんボウガンとスタンガンも】


 ボウガンを右手に持ち、


【ボウガンの矢は一発だけ…… この一発を、コイツを探しに来る《《京極が死なねえ》》程度の場所に喰らわせねえとな…… しかし相手は京極…そう甘くはねえ…】


 伊崎は爪を噛みながら考える……



~~~~~~~~~~~~~


 京極は駐車場に来たが赤銅の姿は無い、


「あれ? まだ駐輪場か?」


 急いで駐輪場へ行く、赤銅の単車がある。


「まだトイレか? 長すぎるな…」


 京極は、人気の無い周りを見渡し、


「もう全生徒は帰ってる? だけど赤銅が誰かに襲われたかもしれねえ……」


 鉄警棒をズボンのポケットから取り出し伸ばし、警戒しながら校舎に入った。


 階段を2階、3階、4階、警戒しながら上がり、トイレの前に辿り着き、ソーっとドアを開けると、赤銅が倒れている。

 京極は、驚きと同時に違和感も覚えた。

 赤銅のドーグのボウガンが見えない。

 誰かに襲われたと確信する。

 トイレの外と中を警戒しつつ、トイレの出入り口のカギをかけて、トイレ内の全ての洋式トイレをゆっくりと調べていく…


「トイレの中には誰も居ねえ…」


 窓の外もソーっと警戒しながら観察し、窓にもカギをかける。

 安全を確認し終え、京極は赤銅をさするが、赤銅は目覚めない。


「ボウガンどころか、スタンガンもねえ… 誰かに襲われたのは確実…… それに奪った赤銅のボウガンでアタシを狙ってくる可能性もある……」


 その時、


≪忠告する≫


「赤銅のスマホから声?」


 伊崎は、赤銅のケイタイの着信音をボイスメモに変更していた。


≪薬物のショック症状を起こしている赤銅を早く病院に連れて行かないと死ぬ。 早くしないと赤銅が死ぬ。 忠告する…≫


 同じボイスメモが繰り返される。


 京極は赤銅をお姫様抱っこして、


「100パー罠なんだろうけどよ…… 赤銅の命は、先の短いアタシの命なよりずっと大切なんだ…」


 抱っこしながらドアを開ける……


 前にはボウガンを向けた伊崎カナエ、


【罠だよ】


 シュ   トン


 ボウガンの矢が京極の腹に刺さった。

 京極は両ひざをつき、赤銅も廊下に落ちる。


「オメエ…? いつかコンビニで会った無敗街道?」


 腹に刺さった矢を両手でつかむ京極、それを見た伊崎カナエは、


【その矢は素人が抜いたら危ねえぞ? 言っとくけど自分はオメエを殺す気はねえ】


【マトは…アタシじゃねえのか?】


 伊崎は赤銅の赤い髪を掴み、


【自分が必要なのはコイツだけ。 心配すんな? 《《赤銅も殺さねえ》》、まっ…もう赤銅も自分も二度と学校に来る事もねえけどな?】


「オメエ… 赤銅をどうする気だ?」


【赤銅は、もうオメエとはコレきっりでバイバイ。 京極、もう眠っとけよ?】


 スタンガンを京極の頭に付けて、電流を!


 ジジジジジジジジジ


 京極は後ろへ倒れた!


【さあ赤銅、家に行くぞ】


 赤銅を引きづる伊崎カナエ…

 近くの階段へ歩く時…

 後ろから、生まれて初めての恐怖を感じ…

 ゆっくりと振り返る。


 腹に矢の刺さった京極茜が立っている。


【なんだオメエ… スタンガンじゃ眠れなかったのか?】

 

「完全な正当防衛だ…… ぶっ殺してやる≪●≫≪●≫」


 伊崎カナエ、京極を前に恐怖を感じながらも、躊躇したら殺されるのを確信した。 瞬時に赤銅の髪から手を離し京極に迫り、腹に刺さった矢を右手で握る。

 伊崎は矢を抜いた…… 血が溢れ出る。

 すでに左手で持っていたアイスピックを!

 京極の腹に連続で!


 プスプスプスプスプス

 

 恐怖に抗う様に、無我夢中で刺しまくる!!


 ガシッ


 伊崎のツインテールの両方は、京極の両手に掴まれた。


 伊崎はアイスピックを腹に何度も刺しながら!


【《《なんでだよ!? なんでこうなっちまったんだよ!?》》】


 京極の右ヒザが!


 グシャ!!!


 伊崎の顔面を砕いた!!


【は…ぁぁっ】


 グシャ!!!グシャ!!!グシャ!!!


 京極は両手で握っていたツインテールを離すと…


 伊崎は前のめりに倒れ…… もう微動だにしない。


 京極はズボンから鉄警棒を取り出し、


「まだ終わりじゃねえぞ? ぶっ殺してやる…」





 校長室では……


「やっと事務仕事終わった~~(´▽`) あ?('Д') そうだそうだ、最後に監視モニターしっぱなしのパソコンを消さなきゃね(´▽`)」


 校長クリスチーヌはパソコンの画面を見ると、


「どわあ!?('Д') ワタクシが更生保護しとる二人が!? 京極が伊崎を殺そうとしてる!? 四階!? 急がないと!!( ゜Д゜)」


 小柄なクリスチーヌは走る!!

 


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