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12歳の魔法少女、JKになる  作者: みるいちぇ
第一章
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プロローグ 一時間前

 彼女にとって待ちに待ったJK生活初日。魔力制御のペンダントを、魔力封印のペンダントに付け替える。その上から制服に身を通す。『先輩』によって、そのスカートはザクザクと切られていた。そして意気揚々と『先輩』は言った。


「JKはこうじゃなくっちゃ、アリス様」


 ――この姿で街中を歩くのはちょっと恥ずかしい。でもきっと、それは私がこの世界に馴染めていないだけだもん。


 早く馴染みたいアリスは健気に信じる。視察したときに、このスカート丈の女の子を見なかったことには目を背けて。


 アリス・モード・メアリー、15歳。イギリス人の父と、日本人とイギリス人のハーフの母を持つ。父の仕事の都合と自身の希望で、この春から日本の高校に通うことになった。3年後にはイギリスに帰る予定。中学では美術部に所属している……。


 日本の高校に通うために考えられた、アリスの高校生としての設定。アリスはそもそもこの世界の生まれではない。だからこそ、どうにかして身分を偽る必要があった。


 アリス・モード・メアリー、12歳。夢を作る世界の生まれ。メアリー領の領主一族の養女。実の両親はどちらも王族だが、紆余曲折あって領主一族の養女となった。跡取りは兄のため、おそらく王族に嫁入りで戻ることとなる。スキップ制度で6年制の王立魔術院を無理矢理3年間で卒業した。魔力量が同年代の中で飛び抜けて多い。


 これが本当のアリス。しかしアリスは夢世界の自分が好きでない。だから、偽ることに対しての嫌悪感はまったくなかった。むしろ、何もかもを捨てられることに喜んでいた。


 ――この見た目でJKって言うのだけは、やっぱり無理がありそう。同級生の中でも小さい方だった私が15歳なんてできるかな。


 スニーカーを履いてリュックを背負い、鏡を見る。プラチナブロンドの腰まで伸びた髪は、念入りにブローされている。鏡に映る灰色の目は王族の象徴。でもここでは、誰もそんなことは知らない。


 玄関まで連れてきたうさぎのぬいぐるみを抱きしめ、ローファーに足を入れる。


「行ってきます」


 うさぎのぬいぐるみに微笑み、また後でね、とアリスは声をかけた。


 ――やっぱり一人での生活は寂しい。でも、夢世界の人がいなければ私は普通の一般人だもん。それくらい我慢してみせる。


 見た目によって十分に特別扱いされそうなことには気づかず、玄関の扉を開けた。そこからは、アリスの15歳としての生活が始まる。


始めてしまいました。週に一回、あわよくば週に二回更新をしたいです。頑張って続けてみようと思います。

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