表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

秘密の二人

「テレビ見た? 話題の高校生社長の!」

「見た見た。めっちゃ格好いいよね~」


 最近またテレビの取材が増えた。勿論社長業として。新たにアイドルを起用した自社CMと会社の売り上げが好評で『敏腕社長』としてテレビに出る。この時は昼間の撮影なので土曜日に撮ってもらった。


「どうですか? 高校生活と社長の両立は」

「大変ですけど充実しております」

「松尾社長のインタビューでしたーっ。ありがとうございましたーっ」


 そして取材を終えスタッフ達が片付けをしていると、テレビの関係者が来て、


「次は密着取材したいんですけどどうでしょうか?」

「いやいや、それは勘弁してください!」


 そんなことされたらクラスの生徒に僕の正体がばれてしまう!!


「そうですか~、分かりました。気が向いたら連絡下さい」

「あ、はぁ~、まぁ」


 僕から離れながら彼は小声で全く、これを撮れたら他社と差が離せるのに……とぼやいた。まぁ、どこの会社も一緒だなーっ。


「社長。次の予定が宮間会長との会食です」

「分かった。準備するよ」


 そして僕は高級料理店に向かう。


 週明け学校が始まり、次は貿易の会社のCMをどうやったら出来るか学校で色々と模索していると、


「日曜日見た? イケメン若社長のドキュメンタリー」

「見た見た。何か色々打ち合わせしてたよね。それに社長自ら外回りもしたり」

「若いのに凄いよねーっ。尊敬しちゃうっ」

「分かるーっ」

「ああいう人ってどこの高校言ってるんだろう」

「やっぱり超お金のかかる私立じゃない?」


 本当はここなんだけどね。


「ああいう頭の良くて出来る人と結婚したいーっ」

「分っかるーーっ。私もしたーい」


 え、まじ? 


「けど競争率高そーっ」

「結婚は無理なら愛人でも良いから付き合いたい」


 え? 本当に? 愛人でも構わないの?


「でももし出来たら社長夫人よね!?」

「きゃー、やばーっ!!」


 ほ、ほう。社長だとこんなにモテるのか……。

 周りの女子の話を聞き耳しながら、つい妄想に拍車をかけていると、


「は? 陰キャが何かニヤついているんだけど」

「やば。キモッ」


 え? 僕との結婚話してたんじゃないの!? としょぼくれていると、スマホがバイブで揺れる。見るとラインが来ていて加納からだった。

『12:30過ぎに屋上に上がる階段にて待つ』

(ん? 何の用だろうか?)

 そしてご飯を食べ終え僕は颯爽とクラスから出てそこに予定の10分前に着き、本を読んだ。僕は誰にも意識されずここにこれるが、あいつがまずあのグループから脱出して人の目を掻い潜りここまでこれるだろうか?そして待っていると、眼鏡をかけそれを少し髪で隠した地味そうな女が来た。

(誰だこの女?)


「松尾っ」

「え!? 何で僕を知って……」

「ぷっ、くくく……」

「え?」

「私だよ私!」

「あ、加納!?」


 誰か全然分からなかった。


「松尾が分からないんだったら大丈夫かな?」

「いつの間に……。クラスでは普通だったのに」

「トイレで準備した」


 スーパー〇ンかな?


「どう私の変装は?」

「凄いな、地味な子に感じた」

「ふっ、ふーん。これも演技経験の賜物ね♪」


 確かに、彼女は地味子を演じていたのか。芸能人オーラもなかったし、流石は女優っ。


「で、どうしたんだここに呼び出して」

「落ち着きたいの偶には」

「え?」

「皆と囲まれて話すのも楽しいけど疲れるのよね」

「そ、そうなのか……」


 学校の同級生に囲まれたことないから分からない。あっ、中学の時は確か囲まれてたな、別の意味で……。


「気が抜ける時も必要だから」

「まぁ、確かに」

「貴方だったらまんまり気を張らなくても大丈夫だから」

「そ、そうか?」

「うん。もし嫌な面見せたとしても人間関係の被害少なそうだし」


 彼女は笑いながら言う。

(あ、そういうことね)


「まぁ、偶には貴方とも話したいし」

「そうか?」

「えぇっ」


 僕が学校の同級生に人間関係で頼られた感じがして、ほんのちょっぴりだが嬉しかった。


「ところで……」

「ん?」

「最近よくテレビ出ているわねっ」

「あぁ、まあね」

「忙しいんじゃないの?」

「まぁ、秘書が上手く時間管理しているから、その合間に撮影してもらっている」

「クラスでも何人かの特に女子が貴方の話題を話していたわ」

「そ、そうか?」


 僕は笑ったつもりだったが、


「何鼻の下伸ばしてニヤけているのよっ?」


 え? そうかな?


「ふーん、何考えているのかしらね。気持ち悪い」

「きも……、うるさいなっ!」


 僕はふん、そっぽを向くと、よしと言って彼女は立ち上がる。


「やっぱり貴方と話すのは良いわねー、気分が晴れて楽しいわっ!」

「憂さ晴らしかよ!?」

「違うわよ。これはこれで普通に楽しいのっ」

「さいですか」

「偶には学校で貴方と二人でこっそり話したいわ」

「えー、僕はやだなー」

「何でよ!?」

揶揄(からか)われそうだから」

「分かった分かった。気をつけるから」

「ったく」

「じゃあ、また」

「おう」


 そして変装した彼女を僕は見送り、もう少しだけここで本を読む。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

ブックマーク、評価頂ければ励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ