習慣
小学生の頃、プチイベントが年に数回あった。その時間は勉強もしなくて済むしワクワクするし好きだった。そして席替えもその一つだった。先生が作ったクジを引き、その番号の席に着くという単純なものだったが楽しかった。そして、席替えの日の給食は特に楽しかった。私のクラスは給食は机を動かして班になって食べていた。横3列の向かい合わせで計6人の班が6〜7班出来る。席替えの日は新しい班での給食だったからより楽しかった。
しかし、給食の時間が始まってから少しした時のこと、急にサイレンの音が響いた。そういえば今日は避難訓練の日だった。時間は抜き打ちでやると言っていたがまさか給食の時間にかぶせてくるとは。
先生の指示で机の下に潜り込み、その後背の順で校庭に避難した。そして全校生徒が整列したのだがさすがに食事を邪魔されて面白い生徒はいなく、皆んなブーブー言っていた。その後校長のはなし、生徒指導の話、安全係の話を聞いてやっと終わった。最後に教頭が「今回は給食中だという事もあったので、昼休みが終わるまで給食の時間とします。食べ終わった人から昼休みに入って良いです」と言った。
私は、昼休みに中庭で遊ぶのが好きだった。その為に学校に来ていたと言っても過言ではない。
(いち早く昼休みに入らなくては!)
その後避難訓練も解散となり、走って教室へ戻り残りの給食を全速力で食べた。が、しかし、後からノコノコ戻ってきたクラスメイトの反応を見て我に帰った。
(そうだ、今日は席替えをしたんだった)
私は席替えをする前の自分の席に座り、他の人の食べかけた給食にガッツいていたのだ。