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召喚魔法はロマンの塊

せっかく剣と魔法の世界なので

召喚魔法を主人公たちに

覚えてもらいました。

考えた当初は使い魔の生き物は

鳥の予定でした。(予定とは)

本格的な新緑の季節がやって来るのは地球にいた頃だと五月だが、それはティシュヴァンフォーレでもあまり変わらない。年が明けてから5ヶ月くらいが経つから大体そのくらいの季節だろうとは思っている。一応カレンダーもあるのでそれで確認するとエメラルドの月はそろそろ終わりを迎えそうだ。月の合算は賢者様が発案したものを参照にしてカレンダーを制作しているから、地球とあまり変わらないのはそのおかげかもしれない。

エメラルドの月が終わると、ムーンストーンの月が始まる。これはパールでも良かったのだけれど、あまりティシュヴァンフォーレでは真珠は普及していないかららしい。真珠は自然に出来るイメージがあまりないからそれでだろうか。かといってムーンストーンが普及しているかと言うと、見かけた事はないのでその辺りは判らないのがちょっと残念だ。


壁にかけられているカレンダーと、時間割りを確認してみる。来週にはもうムーンストーンの月に入るのだが、あんまりまだ昼間が凄く暑くはなったりはしていない。でも、初夏を感じる植物を見かける事もあるのでそれはあまり気にしてはいない。

初夏と言うか、エメラルドの月からムーンストーンの月にかけてよく行われているのが田植えだが、それは地球だけであって、ティシュヴァンフォーレでは見かけない。では今の季節はどんな農作物を見かけるのかと言うと、オウバジーン、トマティナ、スクワッシュの三種類だ。オウバジーンは和訳するとナスを表しているのだが、調べたら判ると思うので割愛する。え?誰に言っているのかって?そこは自分で考えて欲しい。スクワッシュはかぼちゃ。トマティナは言わなくても判ると思うのでこれも割愛する。今の季節にかぼちゃを植えるのか?と思うが、収穫は4ヶ月~5ヶ月くらい先だから今くらいで大丈夫なのだそう。スクワッシュはパトリシア姉様が野菜の中でも好きなものの一つで、パイやスープをよく食べているのを見かける。冬場の朝にかぼちゃのスープは美味しいよね、私もかぼちゃの料理は結構好きだ。


アムルーシュは農家が多いが、満遍なく色んな野菜や果物を育てている所が多いので、多種多様なものが毎年収穫されている。土壌が良いのでどの作物も美味しく育ってくれるのが自慢で、アムルーシュで食べる食事はウィシュトヴァラからも人気だ。畑も多いが、川や湖も割と多いせいか、魚にも困っていない。料理長に聞いた訳ではないので判らないが、調味料にも工夫があるのだろうか?食材だけでなく、調味料も味を左右すると思うのだが…。



気になったので、調べてみようと思ったのだけれど、屋敷にある書斎ではあまり詳しいものはなかったので、フィーリルトン学園にある図書館で調べてみる事にした。

フィーリルトン学園には初等部専用の図書館がちゃんとあるので、休みの日に学校で調べるのだが、初等部は4日登校して3日休むと言うのが一年生のスタイル。二年生からは5日登校する事になるが、これが他の学年のスタンダードだったりする。一年生が休みでも他の学年は授業をしているので図書館は開いている。まあ、休みの日も普通に開いているから利用者が多いのだと思う。

何冊か調味料に関する書籍と、その原料になるものについて記載のある書籍を選んで本棚から取り出して机に運んでから調べてみる。


結論、塩以外の調味料は国産のものがあるので、塩さえアムルーシュで作る事が出来れば可能みたい。もしかして塩はそこそこの値段がするのだろうか?そこも調べたいけど、まだ子供である私には難しいので何年か先になりそうだ。




休みが明けてから登校日が始まり、暫くしてからになるのだけど、魔法の授業で進展と言うか、マティウス先生に習っていない魔法を学校で魔法の授業を担当しているトシュテン先生が教えてくれたのだ。魔方陣を用いた召喚魔法だ。これには私も年相応にはしゃいだと思う。


教科書通りにまずは地面に魔方陣を描いて、五角形になるように魔石を配置する。配置が終わったら、杖を魔方陣の上に突き立てて、召喚の為の詠唱を行えば、魔石に流した魔力に応じて自分と相性の良い使い魔を召喚出来ると言う魔法だ。オルテンシア様は狐みたいな動物の使い魔を召喚する事に成功した。使い魔と聞いて、守護精霊のジュリエッタがいるが、それとは別に必要なのかをトシュテン先生に聞いてみたが、魔法の才能がある生徒には全員教えている、との事だった。後から聞いた話だけど、翡翠組は魔法を使える才能の資質が高い生徒が多数を占めているそうなので、このクラスだけ召喚魔法の授業をしているのかもしれない。多分だけど。



カトリーナ様は犬を召喚したみたい、犬種はどう見てもシベリアンハスキーだったが、普通の犬みたいにカトリーナ様になついて甘えている。


ジュスティーノは鷹みたいなキリッとした大きな鳥を使い魔として召喚した。うん、似合っているし、カッコいいから今度私にも触らせて欲しい。カトリーナ様とオルテンシア様の使い魔も、いつかはもふもふ出来ると良いな。


続いてルシウスは犬…ではなく狼だ。犬にも見えるけど、多分大きくなったら立派な狼になるんだろうとは思う。


そして私の出番だが、あの杖を上手く使いこなせるかどうかは判らないが、精一杯頑張ろう。祖母からもらった杖だとトシュテン先生に伝えたら良い笑顔で何度か頷いていた。先生は魔法を教えているから杖の良さが判るのだろうか。

教科書に従い、地面に魔方陣を描いてから魔石を五ヶ所に置いて、後は詠唱と一緒に魔石へ魔力を流せば私と相性の良い使い魔を呼び出せるのだ。どんな動物かな?



魔方陣に七色の光が走り、その光の柱が結構空の高い場所まで伸びている。召喚魔法による風の発生も他の生徒よりかなり強くて、これはどうなっているのか、とトシュテン先生も困惑した表情をしているので、またまずい事になってしまったかも、と私も結構驚いている。巻き上げられた土埃に囲まれて魔方陣にはどんな動物が召喚されたのかが見えないが、うっすらと影は見える。暫くして風も土埃も収まると、召喚された動物が姿を現した。

うん、影の大きさから予想はしていたけど、体長5メートルくらいのドラゴンだった。



『我を呼び出したのは、貴様か?』



何かいい感じの使い魔が呼べないかな、と思いながら発動したが、ドラゴンに来て欲しいとは思ってなかったので、出来れば帰ってもらいたいが、ドラゴン相手なのでそれも難しい気がする。トシュテン先生は腰を抜かしているし、生徒はだいぶ距離を取っている。って言うか、逃げ出してその場にいない生徒が半数以上だ。

これ、またやらかしたなあ…。

どうしよう、とりあえずトシュテン先生に外部に連絡取ってもらおう、話はそれからだ。



簡単な用語解説


トマティナ

まんまトマトの異世界版。

新鮮なものは塩をかけて

食べても美味しい。


オウバジーン

異世界でのナスの呼び名。

麻婆茄子があるかどうかは不明。

アメリカ英語ではない呼び名。


スクワッシュ

異世界におけるかぼちゃ。

パンプキンではなく

スクワッシュと呼ばないと

海外では通じないらしい。

(Google調べ)


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