どきどきわくわく…は最初だけ
登校初日ですが
授業内容は既に
家庭教師の先生から
習ったかもしれない
(習ってた)
これは仕方ない気もします。
通学するにあたって学生証を入れるパスケース的なものはやはりパトリシア姉様が使用していたらしく、学生証入れとして革細工で作られているものだ。貴族向けにちゃんと販売されているらしく、ルツヘルムかトラウィスアードにある革細工店に出向くとそれなりの数が売られている。入学式の帰りに購入してなかったような気もしたけど、私が知らない間にちゃんとハインリッヒに買いに行かせていたみたい。淡いグリーンの革細工でなかなか可愛らしいデザインなものだった。まあ、まだ新入生なので両親が事前に購入していたとかはどこの家庭でもよくある話で、パトリシア姉様も最初はお母様に買ってもらったものを使用していたらしい。今年に入ってからおこづかいと相談して、自分好みのパスケースを購入した、と誇らしげに夕食時に本人が話していたので、ある程度通学に慣れたらそういった余裕が出て来るものなのかもしれない。私は明日が初登校だからまずはお母様に買ってもらったパスケースに慣れる所から始めなくてはならない。パトリシア姉様は今年から中等部なのだが、トラウィスアードのタールベルク宅付近にある転移門へは卒業まで利用するので正門前までは一緒に登校する事が出来る。明日が楽しみで仕方ない様子のパトリシア姉様だが、私も物凄く楽しみにしているので今日の夕食は終始笑顔だった。夕食を終えて、食休みを挟んで暫く時間が経てばお風呂の時間だ。カトリーナ様とオルテンシア様が帰られてから、お風呂に入るまで何だがあっという間だった気がするが、それだけ楽しい時間だったのだろう。今夜くらいはわくわくし過ぎてなかなか寝付けないかとも思ったけれど、お布団に入って暫くしたらいつの間にかぐっすりと眠ってしまっていた。子供だからなのか、寝付きが良いのか、ふかふかの布団のおかげなのか、どれが理由かは判らないけど、ちゃんと眠れるのは良いことだと思う。まあ、ふかふかの布団は我が屋敷のメイドさんたちによる努力の賜物だから、そこは普段からここまでの仕事をしてくれるメイドさんたちに感謝しておかなくては。
洗顔や身支度を済ませてから、朝食を食べると、ちゃんと食休みを挟んで次は通学用の服に着替える。実はフィーリルトン学園にはそれなりの制服制度があり、アレンジは割と自由だったりする。私の制服は初等部だからリボンの形が蝶々みたいな感じになっている。パトリシア姉様のは、リボンにブローチをつけたり、制服の刺繍に拘ったりしている。初等部の制服だとあんまり自由度が高くないので胸元のリボンをアレンジする事が多い。そして制服に着替えると、通学用の鞄を手に転移門へと向かう。もちろんパトリシア姉様も一緒だ。
転移門をパトリシア姉様と、学校で私たちのお世話をする為の侍女も共に利用して無事にフィーリルトン学園の正門前に到着する。ちなみに、何故侍女が同行するのかと言うと、授業以外の時間で身の回りのお世話をする従者をつけるのが貴族の子息、子女としてのしきたりやマナーみたいなものだからだそうな。
正門前には私たち以外にも他の学年の生徒や使用人たちが転移門を利用して登校し始めている。私はソーニャと一緒にカトリーナ様とオルテンシア様を探していると、向こうから声をかけてくれたので無事に合流出来た。登校初日から危うく迷子になる所だった、助かった。
正門前にある時計を見上げると、始業時間まではまだ余裕があるので三人で学園内行きの馬車へと向かう。パトリシア姉様は慣れているのか、正門前に到着すると直ぐに友人の所へ向かって行った。学園内行きの馬車は、定期便みたいなもので、全部で七台~八台くらいの六人乗りの馬車が指定場所に停車しており、生徒が乗り込んだ後に初等部、中等部、高等部のクラスは何なのかを御者に言うことで校舎の近くまで連れて行ってもらえる。正門前から校舎までは馬車で15分くらいだが、一度学園の外壁はどこまであるのか目視で確認しようとしたのだが、学校の正門から左右のどちらを向いて見ても終わりが見えない。帰る前にクレメント先生辺りに聞いた方が良いかもしれない。私とカトリーナ様、オルテンシア様も他の生徒を見習って学園内行きの馬車に乗り込むと、御者に初等部の一年生と伝えて校舎へと移動する。
私たちは割と普通に馬車を使っているが、ティシュヴァンフォーレに普及している馬車はちゃんとサスペンションが導入され、揺れにくいものを使用している。地球にいた時でなら18~19世紀くらいまでの技術があるみたい。感覚的には1900年代の技術くらいまではある気がする。まあ、歴史に関してはあまり深く掘り下げなくても構わないと思うので、新たな技術が見つかればその時に話をしようと思っている。
入学式の時に案内された一年翡翠組の教室にやって来た。私とカトリーナ様とオルテンシア様、それ以外の生徒も楽しそうな顔をしながら席に座っているみたいだ。時間割り的なものは壁にもあるが、生徒も全員が教材と一緒に受け取っているので問題はない。最初の授業は国語からだ。2時間目は算数、三時間目は校庭で魔法の授業、これに美術の授業がある。多分日本の図画工作みたいなものじゃないかな。とにかく、一年生の授業はどんなものなのか、楽しみにしていよう。
国語、算数、魔法、美術の授業はあっという間に終わった。国語は簡単な書き取り問題と、文章を読む、と言う簡単なもので、算数も内容はあんまり変わらなかった。魔法の授業は既にマティウス先生から教わったものを復習した感じのものだった。一番楽しかったのは美術かな、風景を絵にするのは楽しかった。
「ミレーナ様はどの問題も簡単に解いてしまわれていましたわね、凄いですわ。」
「屋敷で教えて下さる先生が優秀な方だったのでその方のご指導の賜物ですよ。」
それからは何て事はない雑談をしながら校舎の外へと向かっていた。校舎内はかなり広いけれど、自分の教室と、お手洗い、休憩室以外にはほぼ移動しないので、迷子にならずに済んでいる。魔法の授業で外に出るときは、クレメント先生がちゃんと引率してくれるからだ。
初日に受けた授業の内容が、ほぼ今まで習ったものの復習にしかならないが、これはこれでやり甲斐はあるので前向きに学んでいこう。
多分そのうち、知らない魔法の授業とかもするだろうからそれに期待するとして、帰りにお昼ご飯は外食で…駄目?仕方ないので帰ってから我が屋敷の料理長が作った私好みの美味しいお昼ご飯を食べる事で妥協しよう。料理長の料理めっちゃ美味しいから仕方ないね。
フィーリルトン学園の敷地
多分ですが、三万坪~四万坪
くらいはあるので、遊園地くらい
あるのかもしれません。
(また考えます)




