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お茶会のお菓子と軽食って多い

お茶会をする為の準備が

やたらと色々とかかるんだな

みたいなのを入れたつもりが

デザートや軽食の話に

なってしまいました。

いつもより少しだけ長いです。

入学式が終わった帰り道、お母様とヘラルダと一緒に明日のお茶会についてどうしようか、と色々と考えていた。どんなお菓子や飲み物が喜ばれるか、軽食に何を用意したら良いだろうか、と話し合ううちに、ルツヘルムの王室御用達であると言う洋菓子店の前に馬車が停まる。もしかして、明日のお茶会に使うものを参考にする為に寄るのかな?お店に入店すると、店長さんや店員さんが笑顔で出迎えてくれる。



「ユスティーネ様、ミレーナ様、ようこそお越し下さいました。モンブール洋菓子店ルツヘルム本店、店長のドミニクと申します。」



店長のドミニクさんと言う金茶の髪をした優しそうな中年男性が私たちに挨拶をしてくれた。お母様と王妃のセラフィーナ様がよく利用されているお店なのだが、店内には大きめのショーケースにたくさんの種類のケーキやタルトがこれでもかと並んでいる。これはいつ来ても目移りしない、なんて事がないくらいには種類が豊富だし、味も良く、材料も新鮮なものを使用しているので私の家以外の貴族が気に入ってよく買いに来る人気店である事が窺えた。お母様と私がお茶会の事を話して、どんな季節のデザートが良いかを店長に聞いてみた。店長は納得したように二種類のデザートを紹介してくれた。



「こちらは、今年の新作でございまして。チーズクリームを使用したモンブランでルビーベリーをあしらったものでございます。」



モンブランってティシュヴァンフォーレにもあったんだなあ…。まあ、好きだから良いんだけれどね。栗のクリームを使うはずの部分にはピンク色のクリームになっていて、見た目にも可愛らしい印象を受けるデザートだ。モンブランのてっぺんには栗ではなくルビーベリーが置かれている。これは良いかもしれない、お母様とヘラルダと相談して一つはこれに決める事にした。



「続きましてこちらはキルシュブリューテの花びらを使用致しましたムースでございます。味付けにはこちらも季節の果実であるルビーベリーを使用しております。」



ムースは透明の容器に入れられていて、なかなか容器もムースの形も美しいデザインをしていて、ムースの中には確かにキルシュブリューテの花びらが入っているので季節感はばっちりだ。結局はモンブランとムースになったが、春らしい季節のデザートを選べたので良しとしよう。お店で注文したものは、明日のお茶会が始まる時間よりも少し前にお屋敷に届くので問題はない。ちなみに、帰宅してから食べる為のケーキはガトーショコラだった。貴族や王室御用達とは言え、ショコラーデがそこそこ広まっているので今年中には女神様の像に供える事が出来るかもしれない。そして帰宅してからは、明日のお茶会で軽食も出すからそれをおやつの時間が終わった後にお母様、ヘラルダ、パトリシア姉様、ヘラルダ、私で考えてみる。まずは簡単にクロワッサンのベリーとクリームのサンドだ。中には生クリームとルビーベリー、アメジストベリー(ブルーベリーの事)がたっぷりと入ったものだ。次にベーコンとチーズ、スパラガスアのキッシュだ。スパラガスアはアスパラガスと同じ野菜の事なんだけどね。そしてサーミンポテトパイ。これはサーミンがサーモンなのだからサーモンポテトパイみたいなものだ。残り一つはスピニッシュとベーコンを使ったガレット。スピニッシュはほうれん草だが名前が違うのはもう慣れた。ベーコン、チーズ、卵も材料として使われていてたまに朝食にも出てくるのたが、好きなメニューの一つなのでカトリーナ様とオルテンシア様にも気に入って頂ければ良いのだけれど。軽食に何を出すかが決まってから夕食を食べた。今夜はビーフシチューだったけど、やっぱり日本で食べたものよりも美味しいので毎日が楽しい。フォルトニア様と賢者様にもう少し感謝しないといけないなあ…。近いうちに女神様の教会にショコラーデをお供えに行くことを私は誓った。でも、お供えに行く前にフォルトニア様の像がある場所がどこにあるのかちゃんと聞かないといけないな。学校が休みの日にアムルーシュの領地内で探してみよう。




そして翌日。庭にあるキルシュブリューテは満開とはやはりならなかったが、七割くらいが綺麗に咲いていたのでお花見には適していると思う。お茶会は午後からだが、料理人や使用人、メイドさんたちはその準備でなかなかに忙しい。今朝はヘラルダもファニタも駆り出されていたみたいで、私を起こしに来たのはソーニャだった。ジュリエッタもソーニャに続いて起こそうとしているのか、肉球パンチで私の顔をぺちぺちしている。可愛いし痛くはないので、ジュリエッタを抱っこしながら起床を済ますと、ソーニャや他のメイドさんに着替えや朝の支度をしてもらう。朝食の席には、今日は割と公的な休日がウィシュトヴァラ及びアムルーシュで割り振られる日であるので、昨夜お屋敷に久しぶりに帰宅したフェリクス兄様の姿もあった。



「おはようございます、フェリクス兄様。」


「おはよう、ミレーナ。久しぶりに一緒に食事が出来るから、昨日から凄く楽しみだったんだよ。」



約15日ぶりに昨夜アムルーシュのお屋敷に帰って来たフェリクス兄様は、以前に会った時よりも何だか疲れている様子だったが、私の顔を見て元気が出たと言ってくれた。手紙にも書いてあったけど、ディアモンドの月になってからと言うものの、王弟のウォルトロドメーズ侯爵の二人目のご子息がフィーリルトン学園に入学された影響で護衛はどうするのかとか、色々とばたばたしていたみたい。あれ、入学って事はその人同学年なの?同じクラスにいたんだろうか?新入生代表として挨拶したせいか、クラスメイトは遠巻きだったからカトリーナ様とオルテンシア様としかちゃんと話していない気がする。明日からは普通に授業があるのでその時に探した方が良いのかな。まあ、明日になれば判る事だからまた後で考えよう。昨夜フェリクス兄様が帰宅した時間は21時を回っていたので、私は既にお風呂を済ませてしまった後だった。もう寝間着に着替えてしまっていたから、本当はそのままではいけない訳だが、フェリクス兄様は寝間着のままでも構わないと言ってくれたので、寝間着のままお出迎えをした。お母様はあまり良い顔をしなかったけれど、寝るまで一時間もなかったので仕方ない様な気もする。ちなみに、フェリクス兄様は自分の馬を持っているので馬車ではなく馬に乗って帰って来た。ウィシュトヴァラ王国からアムルーシュ公国までは数時間かかるのだが、首都にあるタールベルク公爵家まで早馬で一時間半、普通に馬を走らせただけなら約二時間だ。アムルーシュにも首都があったのか、と言われそうだが、公国にも首都はある。アムルーシュ公国の首都はトラウィスアード、公国にある北側の山の麓に小さなお城とそこに隣接するようにお屋敷が建てられている。山が近いので魔法の練習で行った湖も領地である山の麓近くに幾つか点在するのだ。そのうちの一つが私の使った魔法の影響で暫く立ち入りが禁止されている。いつかまた解除されて、その湖を利用出来るのだろうか?判らないけど、気長に待ってみよう。首都は北側にあるが、別に田舎な訳ではない。道もちゃんと整備されているし、街灯も設置されていて、お屋敷から歩いて20分以内のちょっとした小高い丘みたいな場所まで行くと、綺麗なお花畑があって、そこからアムルーシュの市街地がよく見えるのだ。毎年暖かくなると、パトリシア姉様とそこまで足を伸ばすのだが、入学式から帰宅してから聞いた話では近くに転移門があるのだそう。明日からはパトリシア姉様も一緒に通学するのでその時に教えてもらう予定だ。そんなパトリシア姉様も今日はお茶会を楽しみにしていると朝から嬉しそうな顔で話していた。今朝は野菜をたっぷり使ったスープが用意されていたが、具材にキャロジットが入っているのを見てパトリシア姉様がちょっと嫌そうな顔になってしまっていた。もう13歳になろうと言うのに、相変わらずにんじんが苦手みたいだ。



「パトリシア姉様、キャロジットはあまりお好きではないのですか?」


「ミレーナ、私でも苦手な食べ物くらいあるものよ…。」


「まあ、パトリシアったら。ミレーナはキャロジットが好きなのに、貴方はなかなか苦手が治らないわね…。」



パトリシア姉様は大人になるまでキャロジットを食べるのは苦手なままなのかもしれない。私はにんじんって割と好きだからいつかにんじんケーキとか作ってくれないだろうか。この世界の野菜や果物の名前は地球にあったものと名前が似せてあるものが結構多く気がする。これもフォルトニア様や賢者様のおかげだったりするのかな。色んな事を考えていたら朝食を一通り食べ終わったので、家族皆でリビングでくつろぐ。この時間にお母様、パトリシア姉様、ヘラルダ、私、と四人でお茶会についてどう進行するのか話をまとめていた。まず、玄関でお二人を私とパトリシア姉様、ヘラルダ、ファニタ、ソーニャ、他のメイドさんや執事のハインリッヒとお出迎えをする。お出迎えが終わったら、先にパトリシア姉様は客室へと行った後、ヘラルダが私に付き従い、ファニタとソーニャ、カトリーナ様とオルテンシア様の側仕えの侍女もお二人に付き従い、客室に向かい、客室で一度私たちのお屋敷に来て頂いたお礼と、家族の紹介をして、ちょっとだけ紅茶を飲んで、一息ついてから、お庭に移動して、お茶会がスタートする。まあ、貴族のしきたりとか挨拶とかもあるから仕方ないかもしれない。お茶会は午後13時からだ。初めての友人を招いてのお茶会がどんなものになるのか、入学式よりは緊張する事なくわくわくと私はその時間を待っているのだった。


簡単な用語紹介


ルビーベリー

異世界でのいちご。ショートケーキに

入っていたので間違いはない。


アメジストベリー

ブルーベリーの事。朝食に出て来る

パンに使うジャムとしてよく

出て来る。アムルーシュは果物が

豊作なので値段は高くない。


スピニッシュ

ほうれん草の事だが、頻繁に

名前が出るので主人公はもう

慣れたらしい。

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