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お嬢様は座学が得意

主人公の勉強回です。前回も勉強回だったような気がしますが、説明回はあった方が良いだろうなぁ、と考えたらこうなりました。

誕生日を迎えて5歳になってからもう5ヶ月くらいが経とうとしてした頃に、長男で兄であるフェリクスがいよいよ学校を卒業し、成人の儀と言うものをウィシュトヴァラ王国で受けることになった。男女それぞれ18歳となり、成人を迎えると王都に赴いて成人の儀を受けることになっているそうだ。男性は武の神であり、軍神であるウィスアデス様が奉られている教会で行われる。女性は貞淑と豊穣を司る女神マクイルテミス様が奉られている教会で行う事になるので、先にパトリシア姉様がきっと成人の儀を受けるんだろうなあ…。



「お母さま、成人の儀ってどんな感じなのかな?」


「あら、ミレーナ、フェリクスが心配なのかしら?うふふ、大丈夫よ、ウィスアデス様から祝福を頂くだけだから怖くはないのよ。」



どうやら成人の儀とやらは神様から祝福をもらえるものらしい。確かに祝福を頂く、って感じなら厳かな感じだろうし、危険はないのだろう。そして今日は新しくアムルーシュ公国とその周りの国についてを勉強する日になっていたのでもらった教本を読みながら世界について学ぶことにした。




まずは今暮らしているアムルーシュ公国についてだが、元々はウィシュトヴァラ王国の一部となっていた街が大きくなり、領主が治める土地も一都市と変わらないものになってしまったので、お父さまの二代前くらいからアムルーシュ公国として独立したらしい。まだそれから80年なので歴史はそこまで長くはないのかもしれない。そしてアムルーシュ公国は周りを他の国に東西南北囲まれている形になっているものだから海はない。湖ならあるらしいけれど、川魚が割と結構な量が捕れるのでそれを国の名産品として売買しているから問題ないらしい。川魚と言っていたけど、サーミンも聞いた話では川か湖で捕れるので値段も比較的お手頃なのだとか。他にも美味しい果物もあって、リップルやルビーベリー(いちごの事)が名産品として農家で収穫されている。確かにタルトで食べたリップルは美味しかったからそれも頷ける。気候もゆるやかで夏は涼しく、冬は暖冬気味なので過ごしやすい国ではある。結構恵まれた国で、更にはこんな貴族のお嬢様として暮らしているのはかなり凄い事なのではないだろうか?いや、今更気にしても仕方がないんだけれども。



「じゃあアムルーシュはとっても暮らしやすい所なんだね。」


「はい、アムルーシュは王都より過ごしやすい気候なのでこちらに引っ越す方も多いですよ。」



家庭教師の先生も断言しているし、ウィシュトヴァラではなくアムルーシュの方で暮らしていて正解なのかもしれない。そしてアムルーシュから次は王都のあるウィシュトヴァラについて勉強する事になった。まあ、歴史と地理の教本だからそれもそうなんだろうけど。ウィシュトヴァラ王国はティシュヴァンフォーレの世界で2番目の広さを持つ王国で、神様から一番祝福を受けている国なのだと言われている。国王の住まうお城に隣接するようにフォルトニア様の教会が建てられていて、信仰も厚い。成人の儀を受ける事になるウィスアデス様の教会とマクイルテミス様の教会が国の東西に建立されているのだそう。守護精霊についても信仰が厚くて、精霊魔法や精霊についての知識を学びたくて国立の学校に通う人も多い。更にウィシュトヴァラ王国では騎士団が強くて、憧れる人々がたくさんいるのでやはり学校の門は広く開かれているみたい。ちなみに、成人の儀で受ける神様からの祝福は一年間らしくその間に自分で成果を挙げろと言うことらしい。兄様、頑張って成果を挙げてね、と心の中で応援する事くらいしか出来ないが兄は多分かなり優秀だから大丈夫そうな気がする。実際に兄はその半年後に物凄い出世をする事になるのだがそれはまた別の話。ウィシュトヴァラ王国は信仰心が厚くて、精霊信仰も厚い場所なんだな、としみじみ感心しながら『お嬢様も王国の学校に通うことになりますからね』と言われて、ああ、やっぱり姉様が通っているんだから通うことになるよね、と何となく納得している自分がいた。後二年と数ヶ月、学校に入学するまでに出来る限りの勉強をしておこう、と心に決めたのだった。それが『神童』呼びに繋がる事も知らずに勉学の日々をそれは楽しく過ごすミレーナを勉強熱心な娘だ、と半ば親ばかな両親は微笑ましく見守っていた辺り、手遅れかもしれないが。


ほぼほぼ説明回でした。次回には主人公が6歳に…なっていると良いなあ…。(願望)

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