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地獄って意外と親切でした

初めての投稿になります。

異世界転生ものを書こうとしたら

なかなか難しいので当たって砕ける精神で

うだうだ書いてしまうかと思います。

まあ、生暖かい目で見守ってやって下さい。


貴方は突然ある日死んだ後、

地獄に行ったらどうしますか?



何時ものように自宅にて書類仕事をしていた。

自分はこう見えて法学部を出ているので

今は事務所の職員として働いている。


現在27歳、今の所彼女はいない。

女友達ならいるのだが、

付き合ったり、いつかは結婚

と言う気持ちにはならなかった。

そして、自宅の書類仕事の最中に

マンションに唐突に警報が鳴り響く。

どうやらマンション内で火事があったようだ。

書類の入ったカバンとノーパソを持って

避難しようとした。しかし、

思いのほか火の回りが早く、

部屋の外に出たら煙で前が見えないくらいだった。

どうにか煙を吸わないように退避しようとしたが、

あまりの煙の濃さに息が苦しくなる。

あちこちで悲鳴と消防士の声が聞こえるが、

煙を吸いすぎたのか意識が遠のいた。

はっきりしない意識の中、隊員らしき人の声は聞こえたが、

それはどんどんと遠ざかって行った。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



次に目を覚ました時は何故か自分は白い着物を着て、

椅子に座らされていた。

目の前には確実に日本(現実)では見かけないであろう、

額に角のついた黒髪の女性が

腕組をして立っていた。一体ここはどこだと言うのだろう。

そう思っていると、目の前にいる女性は

書類のようなものを取り出し

ひとしきり読んだ後、自分の名前を呼んだ。


友井瑞穂ともいみずほ、享年27歳、

死因:火事の煙を吸い込み、一酸化炭素中毒により死亡。間違ってないかしら?』


「ええと…確かに名前と年齢はあってますけど、ここは?」


『ここは死者を次の世界に送り届ける場所、まぁ、貴方の場合、本来ここで死ぬべき定めではなかったらしいの。』


「はい?」


そんな間の抜けた自分の質問をスルーして目の前の女性は話を続けた。


『あそこまで大規模な火災だったけど貴方は、

無事生還出来る運命にあった。けれど、

私たちが介入する前に此処へ来てしまった。』


「あの、そもそもここは…」


『ああ、言い忘れていたわね。本来死者である貴方はそのまま閻魔大王の元まで行く事になるはずだったのだけれど…』


「えっ!まさか、此処…地獄…?」


思わず青ざめてしまい地獄行きになったらどうしよう、と

不安が今更ながらに襲ってくる。


『安心して頂戴、貴方はこちらの不手際で死んでしまったの。だから、転生を行う事にしたわ。』


「て、転生、ですか?」


『ええ、転生となると、閻魔大王ではなく私の仕事なの。言い忘れていたわね、私は自斎天(じせいてん)。閻魔大王の姪よ。』


「え、ええと、それで…自分はどうなるんでしょうか?」


『そうね、現世での死はもう取り戻す事は出来ないでしょう。』


そうか、自分は恋愛をする暇もなく(女友達はいたが

恋愛まで行かなかった故に女友達止まり)、

目指していた法律家の資格を持って仕事に就くこともなく、

人生を終えてしまったのか、と

がっくりと肩を落とした。こんな事なら学生時代に

もっと恋愛に積極的に…など色んな事が頭を過ったが、

女性の声でそのぐるぐると回るネガティブな考えは停止した。


『あのね、落ち込んでる所悪いんだけれど、書類手続きがあるからさっさと来てくれる?私たちも暇って訳じゃないのよ。』


ほら、早く!と黒髪の女性、自斎天(じせいてん)

促されて座っていた椅子から立ち上がった。

先程まで座っていた椅子を見ると普通のパイプ椅子だった。

地獄にもパイプ椅子ってあるんだな、と思いながら女性の

後に続く。今いた部屋から扉を隔てて廊下を渡ると

外は靄のようなものがかかっており、よく見えなかった。


「あの、一体どこへ…?」


『良いから、受付だってずっと待ってる訳じゃないのよ?貴方のいた世界のお役所を思い出してごらんなさい。』


「あー…そうですね、混んでるんですか?」


『今の時期は混んでないわ。混みあう事もあるけれどね。』


「そ、そうですか…」


死んだとは言えないような話にだんだんとなって行く事に

微妙な気持ちになって行った。こう、必要手続きがあるから

役所の閉まる時間までに済ませないと駄目ですよ、みたいな

話になっていたからだった。それなら此処(地獄らしき場所)

で次の人生働かせてくれれば良いのに、と思った。




************************




事務仕事にはそれなりに自信があるが、流石に無理か、と

思いながらとつとつと考え事をしているといつの間にか

廊下は終了し、次の扉を開いていた。扉を抜けるとそこは、

病院とか区役所とかの待合室に似ていたが、職員以外の

人物は殆ど見当たらなかった。見渡す限り役所で言う所の

○○の手続きはコチラです、みたいな感じの場所だった。


『着いたわよ、此処が中間霊界・転生課よ。』


女性の言うこの場所は聞いただけで、うわぁ、

そのまんまお役所の一角なんだなぁ、と思ってしまう。

こうなると、知的好奇心の方が自分の死よりも先に

脳内を埋めてしまっていた。


「あの、此処について詳しくおし…」


『じゃあ、窓口から声がかかるから。私はこれで、仕事があるのよ。さようなら。』


さらっと一言言うと女性は横を通り過ぎて立ち去って

行ってしまった。待って下さい、と

呼び止めようともしたがさー仕事仕事、

みたいな雰囲気で(あ、これは呼び止めても

忙しいのに何!?って怒鳴られるやつだ)と察してしまった。

変な所で察しの良さを痛感しながらも部屋を見回す。

天井から中間霊界・転生課、と言うプラカードが

下がっており、役所で見かけるカウンターと、

その後ろには職員らしき男女がそれぞれ作業に

当たっているが、全員頭から角が

生えていた。不思議に思いつつも空いている椅子に座る。

そんな中飛び交う声はと言うと。


『はい、こちら中間霊界・転生課。はい、はい、では手続きはそちらで…』


『次の議会に使う資料のコピーどこ行った!?』


『課長!この書類なんですけど確認お願いします。』


何と言うか、普通に会社の事務員みたいな内容だった。

あれ、何だろう、地獄ってこんな所だっけ?と首を傾げた。

考えても仕方ないのかな、と呟きそうになった所で

受付から名前が呼ばれた。


『友井瑞穂さん、3番窓口までお越しください。』


「あ、はい!」


呼ばれるがままに数字の3、と書かれた窓口に向かう。

3番窓口と呼ばれる場所に行くと事務員を挟んで机と椅子が

置いてある。事務員がどうぞお座りください、と言うので

椅子に腰をかけた。事務員は名刺の様な物を出し、

説明を始めたのである。


「初めまして。転生課、総務部に所属しております、長藤と申します。」


長藤、と名乗った事務員は男性だった。他の、

今まで出会った中では

比較的そこまで多忙そうではなさそうな印象だ。

(あくまで今の所)


「本日より、友井瑞穂さんを担当させて頂くことになりました。宜しくお願いします。」


と笑顔で言われればこちらも先程まであった

出来事を考えると好感が持てた。

目の前にいる長藤さんは、見る限り何故か

自分と親近感を感じる。

中間管理職っぽい感じとか、事務作業で

多忙そうな感じとかが見て取れる。


「こちらこそよろしくお願いします。それで…ボクはこれからどうなるんでしょう?」


「そうですね、まずは簡単な説明をさせて頂きますね。」


長藤さんの説明はこうだ、一つ、寿命ではなく、

生死を司る地獄での不手際による

死亡を補うべく転生させる事になった。

一つ、残っていた寿命を転生に換算し、

相応な世界へ送り出すと言う事。

そして、相応な世界とは言っても日本社会、

いわゆる現実世界と同じような場所とは

限らないと言う事、などかいつまんで

説明された。ただし、ある程度は違和感なく

生活できる世界への転生を行うと言う。


「こんな感じですね。こちらの不手際によるものですのでオプションもお付けできます。」


「オプションとはどんなものですか?」


「その世界における利便性や暮らしやすさを確定したり、残っていた寿命を、特殊なポイントに振り分ける事が出来る物もありますね。」


そんな便利なものがあるとは、転生と一言に言っても

色々なものがあるのだな、と暫く感心していると、

次はこちらへ移動して下さい、と長藤さんに

促されとある一室に案内された、

その部屋には大量のCPコンピューター

VRシステムが整備されていた。


「長藤さん、ここは一体…?」


「こちらは転生先について事前にVRなどで体感出来る一室となっております。友井さんに紹介出来る転生世界についてどのようなものかまずは体感して頂ければ、と。」


現実世界でも有名で多少割高のVRがまさか

地獄で体験できるとは思ってもみなかった。

もしかして地獄は最先端を行っているのでは?

と思うくらい何台かVRを体感出来るブースがあった。

生前(死んでいるのでこれで良いとは思うが)

ゲームセンターで見かけた、とある

ロボットアニメの対戦物でパイロット気分が

味わえるゲームのような外見に似ていた。

そして長藤さんがまずは此方から、と一台の

VRを起動させて自分が座ることになる椅子や

マシンのチェックをし始めた。


「あの…。」


こんな最新技術をさっき死んだばかりでごく普通の亡者

である自分に使っても大丈夫なのか?と言う不安やら

困惑に先程からおろおろしてしまい、最新VRの使い方やら

注意事項やらを半分くらいしか覚えてなかった。


「緊張なさらずに。まずは軽く体験してみましょうか。」


長藤さんの言葉にあっ、はい。としか言えずに、

返事を聞いた後に慣れた様子でVRに乗せるとテキパキと

機械を作動させて、これで大丈夫なので早速

体験開始ですよ、と言う声と共に地獄でVR体験、なんて

普通じゃないアトラクションを味わう事になったのだった。


如何だったでしょうか?

改行のやり方がよく判らなくて苦戦しました。

多分変なところで改行されてると思います。

一応、異世界転生する前に地獄を経由させて

みましたら長引いたので次回はVRによる

初心者異世界体験が待っています。

お読み頂きありがとうございました。

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