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第五十七話:残念なレディー

「はー、食った食った」

「御馳走様でした」

「ごちそうさまです!」


俺が食い終わると、ほぼ同時にフラムとリンも食事を終える。

3人とも息がぴったりだ。

と言いたいところだが、リンだけは実は俺達の倍平らげていたりする。


(まあ育ち盛りだしな。ん?あれ、そういやバンパイアって成長すんのかな?)


そんな疑問からか、リンをまじまじと見てしまう。

リンははっきり言って美少女だ。

成長して大人になれば、間違いなく絶世の美女と呼ばれる部類に入ってくるだろう。

そう考えると将来が楽しみで仕方ない。

育てばの話ではあるが。


(育たずにこのままだと、流石にちょっと残念だな…)


別に今のままが悪いわけではないが、個人的には美少女よりも美女の方が好みだったりする。


「たかしさん?私の顔どうかしましたか?」

「え!いいいや、な…何でもないんだ!何でもない!」


不埒な事を考えていたせいか、急にリンに声をかけられ思わず声が裏返ってしまう。

そんな俺をリンは不思議そうな顔で眺めてくる。

どうやら俺が何を考えていたかはバレずに済んだようだ。


「あ!たかしさん!今リンちゃん、将来美人になりそうだとか思ってませんでした!?」

「そんなわけないだろ!!」


(この女、何でこんなに無駄に鋭いんだ?)


「もぅ、鼻の下伸ばして。駄目ですよ、そういうイヤらしい目で見ちゃ。リンちゃんはまだまだ子供なんですから。でないと彩音さんに言いつけちゃいますよ!」

「いやらしい目でなんか見てねーよ!ただヴァンパイアって育つのかなって、思ってただけだ!あっ…」


言ってから気付く。失言だ…

これならスケベ心を赤裸々に話した方がましだった。

リンには極力普通の娘として生きて貰おうと、その手の話は意図的に避けてきたんだが…

まあ戦闘になればリン自身嫌でも意識する事になるんだろうが、せめて普段だけでも普通でいてもらうための配慮だったのだが、大失態もいいところだ。


「あの!きにしないでください!わたしきにしてませんから!!」


(子供に気を使わせるとか、どうしようもねぇな。俺は…)


「種族なんて関係ないよ。リンちゃんはリンちゃんだもんね」

「はい!!」


(く、フラムナイスフォローだ)


原因はてめーが余計な突っ込みを入れたせいだがな。

と思いつつも、まあ一応感謝する。


「チーズケーキお持ちしましたー」

「わーおいしそう!」


丁度いい所で、給仕のニカが俺達のテーブルへとケーキを持ってきて、3人分をテーブルに並べてくれる。

朝のアップルパイでも思った事だが、とにかく量が多い。

3人でワンホールは最早2食目レベルだ。


「悪いな、毎回毎回俺達の為だけにケーキ作って貰って」

「いえ、気にしないでください。実はケーキ作りが趣味だったりするんですよ。だから仕事って名目でケーキ作れるんで、逆に有り難いぐらいですから」


(むう、文句のつけようのない100点満点の返しだ)


ニカの返答が完璧すぎて思わず感心してしまう。この子ほんとに14歳かと疑うレベルだ。


「このチーズケーキすっごくおいしいです!」

「ふふふ、有り難う御座います」


リンが口いっぱいにチーズケーキを頬張りながら、美味しい美味しいを連呼する。

その手元には、当たり前のように俺の分が引き寄せられていた。


(うん、いやまあ良いんだよ。俺お腹いっぱいでもう入らないから)


初めからリンに譲る積もりではあったが、流石に何も言わずに強奪するのは如何な物かと。

こう何というか、女性らしさというか、奥ゆかしさという物がリンの行動からは欠片も感じられない。

特に勤勉なニカと並べると、どうしても子供っぽく見えてしまう。


(このまま成長すると、見た目だけの残念なレディーが出来上がりそうで怖いな)


天真爛漫と言えば聞こえはいいが、要はあほの子だ。

将来マーサさんの元に返す時、図体だけデカくて中身そのままなのは流石に憚られる。


(何らかの方法で、ちゃんと教育してやった方が良いんだろうな…)


今その事を相談できる相手はフラムだけなのだが、フラムに相談すると別の意味で偉い事になりそうだ。


(とりあえず今度ティーエさんにでも相談してみるか)


既に1つ目のケーキを平らげ、2つ目に必死にかぶりつくリンの姿を見て、出来るだけ可及に相談しようと心に誓う。

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他にも投稿してますんで、良かったら見に来ていただけると嬉しいです。 おっさんだけど、夢の中でぐらい夢想していいよね!?~異世界へ日帰り転移~
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