「シャルロットの休日」
邪気とは、狂気に被せる「絹」である。
シャルロットには、二人の親友がいます。双子の女の子の、マロリーとキャリーです。
三人はとっても仲良しで、いつも一緒でした。
ある日、マロリーが事故に遭ってしまいました。
マロリーは、事故で両目を失くしてしまいました。
可哀想に思ったキャリーは、自分の左目をマロリーにあげました。
双子の姉妹は、より一層仲良くなりました。
左目と右目で別々のものを見ないようにと、二人はいつも一緒でした。
ご飯も
お風呂も
寝るときも
遊ぶときも
笑うときも
泣くときも
怒るときも
いつもいつも一緒でした。
ある時、双子はまた事故に遭いました。
車に跳ねられて、キャリーは死んでしまいました。
マロリーはとっても焦りました。
だって、二人は一緒にいなくてはならないのです。
だからマロリーは、キャリーが死んだのと同じ場所に飛び込みました。
キャリーと一緒にいられるように。
二人の親友におきたことを聞いて、シャルロットはとても悲しくなりました。
悲しくて悲しくて、一人でワンワン泣き続けました。
ずっと涙を流しながら、ずっと泣き続けました。
遠くから、教会の金の音が響いてきました。
シャルロットは鐘の音にハッとして、空を見上げました。
窓ガラスの向こうの空は、いつの間にか、キレイな夕焼けに染まっていました。
「あら、もうこんな時間」
そう言うとシャルロットは涙を拭い、二人の親友を床に投げ捨てて、温かい夕食の待つリビングへと降りていきました。
お部屋には、二人の少女の、無残な死体だけが残されました。