午後5時(2) 沙枝Side対岸での見学者
一方向こう岸では
「お疲れ!」
「なんか顔近かったんだけど~」
「見てた見てた!キャーーってなったよね!」
私、与野川らこの企画に関わってた全てのメンバーが揃っていた。
実はこれ『告白大作戦』なんです。ある意味ドッキリ。嘘もついてるからエイプリルフールでもある!
「お、腕つかんだ!」
間宮ずーーっと実況してて
「これは自殺願望者と勘違いしてますねー。リスカの跡でも探しているのでしょうか?」
解説は牧田。
「ねえー沙枝。双眼鏡返して!それお祖父ちゃんのなの!」
「はいはい。くっそ、百均のだとよく見えない!」
由亜に苦情を言われ高性能の双眼鏡を返す。仕方なく百均で買ってきた3倍率の双眼鏡で二人を見守る
「と、思ったけど案外見えるわー」
「ちょいちょい沙枝うるさくない?」
「だからこの人加減がわかってない」
「由亜も間宮もいちいちつっこまないで」
「あららー黙りこんでるー」
実況二人目誕生(笑)
比留間が言った
「これ完全にお互いおかしいって気づいたね」
解説二人目も誕生ー!千歳ちゃんが解説する
そのあとの二人はしばらく何にも起こらなかった。
電車が通りすぎ、車も通りすぎ、人も自転車も通りすぎた。ワンカップ持ったおっさんには気味が悪がられた
「あ、話始めたぞ!」
さあ、どうなるんだー
「ねえ、何してんの?」
後ろから聞き覚えのある声が。
振り向くと北斗くんがいた。愛車の自転車も。
道端にいられたらバレそうなので、なかば強引だけど自転車と北斗くん本人を私たちが隠れてる防風壁の影に担ぎ込む
「もう何なの!!!」
「ごめんね、北斗くん。とりあえず今私たち身バレしたらヤバいんだよ」
「身バレ?」
「とにかく反対側にいる人に俺の事バレたらアカンの!」
と北斗くんに顔を寄せながら言う牧田
「こら、顔やたら近いわ」
北斗くんの身の危険を感じたから引き離す
「ちょっ、与野川お前!」
「だまらっしゃいロリコンの男の子バージョン」
「ロリコン?!」
「バッカ!北斗、これは違うよ!こいつが勝手に言ってるだけだからね!」
必死に弁解する牧田。
「あ、頭下げた!告白だ!」
「え、マジで?!」
皆双眼鏡をかまえて、二人の様子を見る
どうなるんだ、本当に!
「なんか変質者みたい」
後ろから聞こえる正論はこの時だけ無視することにした
「あ、頭上げた!」
「なんかポカーンとしてませんかねー?」
さあ、どうなったの?!




