午前11時 大地Side
「え、はぁ?!嘘でしょ?!」
スマホから聞こえるやかましい叫び声。
声の持ち主は与野川沙枝。俺の家の近所に住む干物女。
ちなみにベットの下にはいわゆる薄い本と呼ばれるものがつまってるらしい。
電話をかけ終わると暇。暇だ。俺の進学先入学式3日なんだよ、休みもう今日と明日しかない!
遊びにいく相手は入学式やら入社式やら…
一人カラオケに行くかと思ったけどこの前のディズニーでお金使い果たしたんだったってことにさっき気づいた。
「誰か暇な人おらんかなー。あ、いたわ!」
外に出て近所の公園に行くと小学生が遊んでいた。
小学生達は俺の姿をとらえると
「おにいーちゃーん!!」
と集まってくる。あー幸せ、あらこの子またメ○○○○(子供服のブランド)着てるやん。似合っとるわー
「大ちゃん、またドタキャンされたの?」
「されてないよ!皆バイトでいないの。」
俺の事を大ちゃんと呼ぶのは家族以外では彼しかいない。
神庭北斗
俺の従兄弟。とにかくかわいい。とにかく成長してる姿が素敵。たまにボケるのかわいい
結論、かわいい
(だからロリコンって言ってるんだよby与野川沙枝)
「皆お兄ちゃんとなんかして遊ぼっか!」
「じゃあ、妖怪退治ごっこ!」
「お兄ちゃん妖怪ね!」
「おう!わかったよ!」
ー30分後
俺は小学生達にこてんぱんにされた。やんちゃ過ぎるよ、皆。かわいいから許すけど
北斗は塾だからと帰ってしまった。頑張ってくれたまえ。
砂まみれになった顔や手を洗ってると
「また子供と遊んでいたのか?」
声をかけられた。声の主は間宮隆則
ギターの天才といわれている、大学進学彼の入学式は明日だとさ、肩書きの割りには顔がパッとしないと言われるがそんなことはない。俺はパッとする方だと思ってる
ちなみに恋愛下手で付き合って1ヶ月も恋人が持たない。ざまあみろ(←妬むのは良くないな。俺も彼女出来たけどすぐフラれたわ)
「バンド練習行ってたん?」
「そうそう。大学行ってから学内の人とも組みたいけど今のバンドもあるからなーどうしようって。」「でも今のバンドは助っ人なんだろ?別に良いんじゃね?」
「いやー、俺の名前売れたのはこのバンドのおかげだからね。そう簡単に抜けられない」
「難しいな~。そうだ。あとでLINE見てな!ちょっと面白いこと考えたんや」
「面白いこと?」
「まあ、見てからのお楽しみにって事や」
「そういえばさっき沙枝ちゃんに会ったけど、牧田見かけたら連絡しろってめっちゃキレ気味で言われたんだけどなんかした?」
「あ、エイプリルフールやったわ。奈原先輩に彼女出来たって」
「それ、先輩に彼女できなくなるから言ったらダメなやつ……」
「いや、大丈夫やろ。あの人彼女作らないって泣き叫んでたし」
「何があったの、先輩に?」
「まあ、それは置いといてLINE見てや」
「わかったわ。つか今見るわ」
真宮はスマホを開きLINEの俺のタイムラインを見た。そして笑って
「お前最高!協力するわ!」
「頼んだよ~」
二人の男子は公園の水飲み場でニヤニヤと笑っていたのであった。
あ、言い忘れましたが俺3年前まで大阪に住んでいたので関西弁まじりのしゃべり方です(気にならないか。これでも矯正した方やからな!←)




