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ご主人様は真っ黒  作者: pinfu
第二章 成体
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第三十八話 六月2

 今日は二話分更新予定です。

 次は二十時になると思います。


「キルシュ! 魔石の代金まだ貰ってねーぞ!」

「あ、いろいろあって忘れていたよ!」

「早く出さないとキルシュの氷像が出来る事になるよ」


 シャルさんはマジで怒っていた。

 キルシュは盗もうとした訳は無いのだがな。

 ショコラの件と合わせてキルシュの立場はどこにも無かった。

 別に悪い事した訳じゃ無いのだからもう少し優しくしてあげてもとは思うけどね。


「代金は二百八十万ギルだったよ。

 初めは二百万もしないとか言われたけどね。

 フォーゲル商会の名前を出したらすぐに訂正してきたよ」


 あの業者は正しい金額、いや少し高めで買い取ってくれたのかもしれないな。

 一応シャルにも信用できると言っておくか。


「これがその代金だよ」


 そう言って白金貨と大金貨を何枚も渡してくる。

 こんなの見た事ねぇよ。


 銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨、大白金貨と言う風に価値が上がっていく。

 一ギル、十ギル、百ギル、千ギル、一万ギル、十万ギル、百万ギル、一千万ギルとなっている。

 俺は今まで銀貨しか見た事無かったよ。

 お金はシャルが管理しているしな。

 今度マジックボックスに幾らか入れようと説得してみるか。

 まぁ今現在入れてるんだけどね。


 キルシュは慣れているのか何事もなかったようにしている。

 やっぱり金持ちのボンボンなんだな。




◇◇◇




「何よ? あんまり近づかないでくれる?」

「そう言わずにさ! 今度俺と迷宮行かない?」


 なんか新手のナンパに見える。

 トイフェルが軽い感じでシャルに話しかけていた。

 こんな怪しい奴と絶対迷宮なんていかないがな。


「貴方もなの? 私は誰とも組まないわよ!」

「俺は他の奴らとは違うって! ずっと前から君を見てたよ!」


 うわー……なんてうざい奴なんだ。

 シャルはもう我慢の限界という顔をしている。

 逃げ出したいが今は授業中なんだよね。

 こいつはレーレン先生の隙をついて何度も誘ってくるんだよなぁ。


「なんなら荷物持ち(ポーター)で良いからさ!」

「貴方、本気でいってるの?」


 何だろう?

 面白がって聞き耳を立てていたクラスメイト達の空気までが変わったような気がする。


「俺は何時でも本気だよ? あんなの信じてるのは馬鹿だけだよ」

「あんなのって何?」


 俺は思わず聞き返してしまった。


「このドラゴンは知らないのか? 良いよ教えてやる。

 昔からポーターは学園じゃ誰もやらないんだよ。

 迷宮でポーターは消えるって言われてるからな」

「消える?」

「ああ、消えるんだ。荷物はそのままなのに人間だけが消える。

 モンスターに襲われたとかじゃないし、ポーターが逃げ出したわけでも無い。

 本当にただ消えるんだ」


 そんな事が本当にあるのだろうか?

 でも周りの空気はそれがまことしやかな事だと言っていた。


「ま、俺はそんなの信じちゃいないけどな」

「例えポーターでも組む気は無いの。

 それにポーターなら間に合っているからね」

「ね?

 それ俺だよね?

 俺、消えちゃうの?

 その話なんで今まで教えてくれなかったの!?」

「……今、教えたでしょ?」


 答えになってねぇ!

 まぁシャルも忘れていたか信じていないかのどちらかだろう。

 俺も信じてないから別にいいか。

 ほ、本当だぞ! 信じてないんだからな!




◇◇◇




「ねぇ? 俺、戦うよ!」

「今、ファーストはポーターなのよ!」

「今までポーターとかいう言葉使わなかったよね!?」

「ポーターは黙って荷物を持っていれば良いのよ!」


 こ、怖い訳じゃないんだからな!


「本当に消えるなんて事がある訳無いじゃない。

 でもあんまり怯えていると本当に消えちゃうかもよ?」

「本当にやめて! マジでそう言うの信じちゃうタイプだから!」


 もう隠しきれない所まで俺は追い詰められていた。


「もう……ちょっと考えれば分かるでしょう?

 何方かと言うと私の方がポーターでしょうが……」

「あ……ごめん……」


 まったくもってその通りだった。

 索敵に地図作成(脳内)なんかも俺がしているのだった。

 地図なんかは覚えると言うよりも解ると言った方が近いが。


「ドラゴンってもっと賢いと思ってたけど馬鹿な所もあるのね」

「それで次は何方に進むの?」

「ん? ファースト?」


 シャルが振り返るとそこには財宝だけが床に落ちていた。


「何!? ファースト返事をして!」


 シャルは慌てる。

 まさかと言う思いが頭をよぎっているのだろう。


『ファースト!』


 俺とシャルはテレパシー、そして感覚共有(シンパシー)でお互いがつながった。

 それは位置だけでなく指先の感覚すらも共有してしまうほどだった。


「……次にやったら酷いわよ」

「はい、すいません。つい……」


 俺は消えたふりをしてシャルを驚かしただけだった。


「迷宮でふざけるのは無しよ!

 油断が死を呼ぶ事もあるんだから!」


「本当にすいませんでした。もう二度としません!」


 二十五階の探索は何事も無く? 終わった。




◇◇◇




「これはこれはまた大量ですな!」


 キューケンが喜んでいた。

 まぁいつもと同じ量なんだけどな。


「それで魔石はもう有りませんかな?

 何やら町で同じような魔石をお売りになられたとか」

「貴方のお陰で高く売れました」

「まさかもう一つ同じような物をお持ちでしたとは。

 ですがこれでフォーゲル商会を信用して頂けたと思います」

「今後ともフォーゲル商会を利用させて頂きますね。

 ですがたまには別の業者を使う事があるかもしれません」

「そこは自信を持って私共よりも良い商会は無いと答えておきますよ」


 キューケンはどうかわからない。

 だがフォーゲル商会はそれなりに信用出来そうだった。

 だってもう一個魔石あるからね。

 ボスは似たようなモノが出現しやすいと聞くしそこから予想できそうなものだからな。

 魔石は何時でも買い取りして貰えるみたいだ。

 シャルは最後の一個はまた別の機会に売る事にした。


「今回は武器が二十本で二百万ギル。

 防具がこれは胸当てですね、一つだけですが五万ギルで。

 合わせて二百五万になります」


 今回は防具を持ち帰る事が出来た。

 なぜか防具は手に入りにくい。

 学園の迷宮はほとんど生徒達しか入らない。

 生徒達で重装備の者はほとんどいないしな。

 だが迷宮でしか手に入らない物も多い。

 その辺の事も迷宮の謎として残っていた。


 胸当てはシャルが装備しても良かった。

 だがサイズが合わなかったので売りに出された。

 何方のベクトルでサイズが合わなかったのか?

 ……それは謎という事にしておこう。




  +10,837,391  前回残高

..    -15,304  十日分の食糧(ファースト、シャルの分)

.   +2,800,000  魔石代(前回の獲得分)

.   +2,050,000  財宝の売上(剣や槍など二十本)

――――――――――――――――――――

  +15,672,087  一千五百六十七万二千八十七ギル


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