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ご主人様は真っ黒  作者: pinfu
第一章 幼生
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第二十九話 授業7

本日二回目の投稿です。


 休業明けに少し変化があった。

 ベアイレ先生がしばらくの間休職する事になった。

 休職というか徴兵と言った方が良いか。

 エレクトが言っていたようにもうすぐ攻勢に出る為に戦力を集めているのかもしれない。

 大体においてベアイレ先生ほどの人物がどうして教師をしているのかも分からない。

 あまり向いているとも思えないのは内緒だが。


 授業はより複雑な状態、階段での戦闘や入口以外からの侵入などの訓練になっていた。

 狭い場所からの侵入なのでようやく俺の真価が発揮されたような気がする。

 他に使い道が無いとか言わないように!


 俺は結局体当たりでの攻撃をするしかないしな。

 威力はほとんど無いが攪乱くらいにはなる。

 俺は元々おまけみたいなものだからそれほど厳しくは無い。

 レーレン先生はそんな事言わないからな。

 レーレン先生の授業はベアイレ先生と違って万遍なく強化していく感じだ。

 何方が良いとかは判断が分かれるところだろう。


「シャル君、あとでキルシュ君を連れて私の所へ寄ってくれないかな?

 質問の答えが見つかったかもしれない」

「はい! 分かりました」


 そして授業の後、レーレン先生に声をかけられた。

 流石だ。

 きっと休業中も調べていてくれたに違いない。

 こういった所がレーレン先生が人気になる理由だろう。




◇◇◇




「あっ……いた、い……」

「初めては誰でも痛いのですよ。慣れてくれば段々……」


 レーレン先生の部屋から意味深な声が聞こえて来た。


「シャル、これはまた今度にするか……こっそり覗こう」

「そ、そうだな。僕もまた今度にした方が良いと思うよ!」

「アンタら何馬鹿な事いってるのよ?

 レーレン先生おいでますか? シャルです、入りますね」


 中にはレーレン先生とマルメラが居た。

 二人は寄り添って何かをしていたようだ。


「ああ、来ましたか。マルメラ君、続きはまた今度にしましょう」

「はい……次は痛くしないで……」


 お、お前ら何してんだよ! まったくけしからん!


「治癒魔術は慣れるまで痛い物ですよ。

 マルメラ君は独自の方法で治癒出来るようですから無理しなくても良いのですよ?」

「いえ……先生の方が凄いですから……」


 ですよねー、治癒魔術に決まってるよね!


「色々な魔術を学ぶのも良いですから止めはしませんよ!

 あっと、シャル君とキルシュ君を待たせてしまいましたね」

「いえ大丈夫です。お願いしたのは此方ですし」

「迷宮の件……私も聞きたい……」


 まぁマルメラも一緒に迷宮に行っていたしな。

 ならショコラも読んできた方が良かったのかな?


「んー! やっぱりできないんだよー」

「属性は自分ではどうしようもありませんからね。

 それでも治癒の力を活性化させる程度は出来るでしょう」


 ショコラも此方からの死角にいたようだ。

 気配を感じなかったぞ!

 いや別の事に気を取られていたからか。

 別のけしからん事にな……。


「それでは迷宮の件でしたね。

 順を追って説明しますね。

 迷宮内でモンスターに遭遇しない。

 これは自分達がモンスターを避けているのでなければ、その逆です。

 モンスターが君達を避けているのです」

「どうして私達をモンスターは避けるのでしょう?」

「モンスター達はお互いを襲わずに避けます。

 同種族や他のモンスターを使役するモンスターを除けばですがね。

 同種族は群れで行動する場合があります。

 強力なモンスターが他のモンスターを手下として使う場合もありますが、これは本当に極一部だけですがね」


 という事は原因は……。


「過去に使い魔を連れた魔術師はモンスターに襲われにくいと言った報告がありました。

 また強力なモンスターを討伐した後もモンスターに襲われにくいと言う報告があります」

「……強者にはモンスターが恐れて近づかないと?」

「大体正解です。後は何を基準にモンスターがそれを判断しているかという事です」


 使い魔と強力なモンスターの討伐者の共通点は……。


「……魔石ですか?」


 討伐者は魔石を採取する。

 そして使い魔の中には魔石を体内に持つモノもいる。


「魔石から出る魔力の波動をモンスターが感知していると思われます。

 人間から出る魔力とはまた違うもののようですね。

 今回はキルシュ君の騎竜とシャル君のドラゴン、その二体が揃っていたので尚更かもしれません」

「そういう事だったんですね」

「ただ今回は階層も浅く、使い魔自体が珍しくまた二体いた。

 特殊な条件が揃ってしまったのが原因ですね」

「という事は別々に迷宮に入れば良いのでしょうか?

 遭遇率は低くなるかもしれませんが」

「そうなるでしょうね。

 後付け加えるとしたら君達の使い魔は賢い。

 魔力の波動を制御する事が出来るかもしれません」


 これは俺に新たな課題が出来たな。


「有難う御座います。これでモンスターと戦えそうです」

「あと注意点ですが、多少知能があるモンスターで魔力の波動を正確に感知する場合があります。

 他のモンスターとの戦闘後など疲弊した所を襲ってくるのです。

 生きている時と魔石を取り出した時では波動が微妙に違うのでしょうね。

 強大な魔石を持っているからと言ってモンスターに遭遇しないという訳では無いという事です」

「「「はい!」」」

「ま、君達は生きているので関係ないかもしれませんがね!」


 最後にレーレン先生は笑いながらそう言った。




◇◇◇




「キルシュがもう迷宮に行ったらしいわ。

 それでモンスターを大量に狩って来たって!」

「レーレン先生の言った事は正しかったようだなー」

「こうしては居られないわよ、私達も行くわよ!」 

「いやもうすぐ試験あるからその後にした方が……」


 三年生への進級を決める試験がもう目の前に迫っていた。

 まぁよっぽどの事が無ければシャルの力なら楽勝だが。


「試験なんかどうとでもなるわ。すぐに準備して迷宮に行くわよ!」


 急ぐ気持ちもわからないでは無い。

 あと三年ほどで一億ギルを稼がなくてはいけないのだ。

 連休を利用して迷宮に籠るとしても毎回百万ギル以上を稼いだとする。

 それを三年間続けてもまだ足りないのだ。

 キルシュがモンスターを大量、つまり魔石を大量に獲得ってことだ。

 シャルはとにかく何らかの形で収益を得たいのだろう。

 いくら強くても結果が出なければ安心など出来ない。


 俺にシャルを止める事は出来なかった。

 ま、俺もちょっと行きたかったんだけどな!




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