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ご主人様は真っ黒  作者: pinfu
第四章 擬態
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閑話 ご主人様は真っ黒5+

 人によっては好ましくない表現があるかもしれません。

 この場面は飛ばしても問題ありません。

 また偏見などは決してありません。



 俺は満たされていた。

 こんな日が来るとは夢にさえ思っていなかった。

 だが一人称が俺の時点でこう言う願望はあったのかもしれない。


「ひゃあ! ま、まって……」


 アスカは今、俺の下になっている。

 俺の体は大きく巨体で……まぁただのデブだ。

 下になっている者は身動きが取れない。

 俺の肉は柔軟性に優れ、本当にぴったりと下の者にくっついていた。

 まるで液体のスライムの様に。

 本当に微動だに出来ないはずだ。


 俺は人を傷つける事は出来ないが動きを抑える位の事は出来るようだ。


「俺はもう……一秒だって待てない」


 俺はもう何百年も待っていた。

 ……その時はこんな事は考えていなかったが。


「も、もう無理! 少しだけ、少しだけ待っ……あん!」


 俺は全く止まらない。

 いや止まれない。

 俺はヌルヌルと滑るように動いていたが、それは体がスライムだからでは無い。

 今は普通の人間だからな。


「ど、どうして一番感じる所が、分かる、の?」


 俺は人間に憧れていたのかもしれない。

 その人間の体を詳しく調べる事は当然の事だった。

 それにアスカの事で俺が知らない事はない。


「こ、壊れちゃう! もうお願いだから……」


 俺はアスカを壊す様な事はしない。

 ただ治すだけだ。


「んっ……あああっ!」

 

 耐えられるギリギリの所まで続け、最後にアスカは大きな声を上げた。

 俺の治療はここまでだった。


「プルプルのマッサージはいつも凄いね!

 全く疲れを感じないよ!」


 俺はアスカの背に跨り、背中を指圧していた。

 俺はアスカを癒す事に無上の喜びを感じる。

 今はこれ以上ないと言うほどに満たされてる。


「次は私がしてあげるね!

 前はしてあげれなかったけど……今はね?」


 だが俺は知らなかっただけでこの先もまだある。


「ん、ん、ん!

 ……指が肉に食い込んじゃって上手く出来ない!」


 俺の体は……デブすぎたようだ。


「それに汗で滑っちゃって……」


 ……デブは汗を掻きやすいんだよ。


「もぅ……そうだ!

 お風呂入ろうか?

 背中を流す事くらいなら私でも出来るから!」


 俺は転生してからこれまで人間の社会での事を学んできたつもりだ。

 ……問題のある事に思えたがアスカに押し切られてしまう事になる。




◇◇◇




 お風呂場では俺だけが裸でアスカは服を着たままだった。

 ……変な事は期待していない。


「プルプルはどこから洗うのー?

 やっぱり髪からかな。

 ……どうしてこんなにシャンプーがあるの?」


 ここは俺の家でその風呂場だ。

 ……髪には気を使っていた。


「って育毛剤!?

 ごめん、気にしていたんだね……」


 俺とアスカはまだ学校に通う様な歳だ。

 だが俺の頭の髪は残り少なかった。


「でもこのツルツルとした触り心地は好きだよ」


 それだけが救いだった。


「背中を洗うね。

 そのお肉では手が届かないでしょう?」


 その通りなのだが……なんとも恥ずかしかった。

 スライムであった時はいつも裸の様なものだったのに。


「プルプル、気持ちいい?」


 最高だった。

 手の届かないもどかしさが今は無い。

 スライムの時は自由自在に体を変化させる事が出来たが今は出来ない。

 その自由を今少しだけ取り戻した感じだった。


「次は……前かな?」


 アスカはお約束のネタを挟んできたようだ。

 ……当然、断るに決まっている。

 見せられない事になっている所もある。

 だが顔を真っ赤にしていたのは隠せなかった。


「プルプルはもしかして……人間になってからの精神年齢なの?」


 それはどういう意味だろう?


「私は異世界での記憶を持っている。

 精神年齢はもうおばあちゃんなのよ?

 ……恥ずかしい事なんてもう何も無いわ」


 そう言う意味では……俺は何百歳なんだ?

 おじいちゃんとかそんなレベルでは無かった。

 ……それでも恥ずかしいと思う気持ちは強かった。

 人間として生きてきた時間はまだ子供と言った所だからだろうか。


 アスカは俺の前に体を移していた。

 だがすぐに俺は後ろを向いた。


「後からが好きなの?

 背中で私を感じなさい……」


 そこでは柔らかな弾力を感じる事になる。

 俺のポヨンポヨンの肉とはまた違う感触だ。

 俺の体は何でも食い込むが何も感じない訳では無かった。


「ふふふ、ここだけは堅いんだな……」


 アスカは少し口調が変わっていた。

 戦いを前にした時の様に厳しい口調だ。

 だが戦いになるのだろうか?

 俺は少し触れられただけでギブアップ寸前だった。


「お前はいつも私を癒してくれた。

 今度は私が癒してあげるよ……」


 俺は満たされていた。

 ……絶頂を迎えるほどに。

 だがまだまだ俺の知らない事はあるようだ。

 人間の欲は留まる事を知らない。


 そんな事は分かっていたつもりだが、体感して初めて理解出来る事もあった。


 アスカはずっと続ける。

 先程の俺の様に。

 俺はその欲に抗う事が出来なかった。


「プルプル、大丈夫?

 ……やりすぎちゃったかな?」


 俺は限界を超えて欲を求めたのかもしれない。

 ……真っ黒な微睡の中でそんな事を考えていた。


 俺はこの闇の中へ堕ちて行く事になるのだろうか?

 だがそこに不安は無かった。

 ……アスカが一緒に居るのだから。





スライムの記憶があり、召喚者の記憶もある。

そんな記憶だけですが、異種と言えないでしょうか?


ハゲとデブは……ハッピーエンド? なので許して下さい!


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