表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕の最後。

作者: 野桜さなぎ

初めて書きました。読んでくださると嬉しいです。

「おはよう。今日も頑張って働いてね。以上。」


そう言って、女王・・・同僚の間でそう呼ばれている、ここで一番偉い奴は、自分の部屋に帰っていった。

女王は、朝方僕たちに挨拶して、一日中部屋に閉じこもっている。

かなりのことがないと、朝以外は出てこない。

部屋の中で何をしているのかは、ごく一部しかいない。

ここには、約30万ほど働いているが、知っているのは10くらいだろう。

僕は、そんなに知りたいと思わないけど。


「おい、何ぼっとしてるんだ。早く行くぞ。」


そんなことを思っていたら、同僚の人が話しかけてきた。

「あ、う、うん。今いくよ。」

僕の言葉を聞き終えると、同僚はそそくさと部屋からでていった。


ここは、毎日各地を回って食材を集める、という仕事をしている。

ここにいる全員がだ。

そのうち、200~300は帰ってこない。

だが、数万をいう単位で、定期的に入ってくるから、全体的には減らない。

休みはなく、休める時間といえば、ご飯の時と、寝る時から朝起きるまでだ。

そのかわり、住む場所、食べるもの、日常に必要なものは、全て負担してくれる。

日常で使う物っていたって、使う暇がないんだよなぁ。


…、よし、今日も死なない程度に頑張ろう!






――――お昼休み。

「大変だーーーー!」

午前の仕事を終え、少しウトウトしているところに、同僚が走ってきた。

「…ぅえ?」

僕は間抜けな声を出しながら、ねむけまなこで、声のする方を見る。


「ガルが出たぞーーーー!!!」


「!?」

ガル。

その単語を聞いた僕は、一瞬で眠気が吹っ飛んだ。

ガル、それは、世界最強の動物。

僕らを、呼吸をするように殺し、苦しもだえるのを楽しそうに見えては去っていく。

僕らが、何億、何兆とあつまり、知恵をこらしても勝てない相手。


「に、逃げr…ぐぁっ」


同僚のひとりが殺された。

それを引き金に、周りにいた奴が逃げ回る。

「あぁぁぁああああああ!!!」

「い”あ”ーーー!」

「うわぁぁぁ!!!」

誰が最初に悲鳴を上げただろうか。

誰が最初に走っただろうか。

逃げても無駄なのに。

この距離じゃ、逃げられない。


ふと、横を見ると、動かずわなわなと震えている奴がいた。

怖いんだろうか。


「ぅ、うぁ、ぁ、あ、あぁ、あぁ、ぁぁ、ぁあ、あああああああ”あ”あ”!!!!」



「!?」

かけ出さなかった奴が、ガルに向かって走り出した。

かたき…か、なにかだろう。

震えていたのは、そうゆうことが。

…やけくそかもしれないけど。


奴は、ガルの足にしがみついた。


―――――きぇあぁぁぁああああああ!!


たん高い、ガルの叫び声が響く。

ガルは足を振り回し、奴を落とそうとする。

その数秒後、奴が振り落とされた。


「ぐはぁっ!!」


奴はものすごい速さで吹っ飛び、俺のすぐ横で、壁に激突した。

「だ、大丈夫、ですか?」

奴に声をかける。

「…。」

応答はない。

死んじゃったのか…。

僕は、少しながらショックを受けた。

知らない奴とはいえ、同じところで働いている同僚だ。

大切な友達も、いただろうに。


…その、一瞬で十分だった。


「!!」


ガルの足が……頭上にあった。


「し、死にたくなぁぐっ。」


ぼくは、無残にも、踏み潰された。

死に際に思ったのは、「そういえば僕、今日、2歳の誕生日か。」だった。







――――人間ガル目線。


「ふんっ!アリのくせに!私の足に触るなんて!いい気味よ!」



こうして、一匹のアリの人生は、一人の小学生の手に…いや、足によって、終わりを告げたのであった。

読んでくださり、ありがとうございました。

また来てください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ