僕の最後。
初めて書きました。読んでくださると嬉しいです。
「おはよう。今日も頑張って働いてね。以上。」
そう言って、女王・・・同僚の間でそう呼ばれている、ここで一番偉い奴は、自分の部屋に帰っていった。
女王は、朝方僕たちに挨拶して、一日中部屋に閉じこもっている。
かなりのことがないと、朝以外は出てこない。
部屋の中で何をしているのかは、ごく一部しかいない。
ここには、約30万ほど働いているが、知っているのは10くらいだろう。
僕は、そんなに知りたいと思わないけど。
「おい、何ぼっとしてるんだ。早く行くぞ。」
そんなことを思っていたら、同僚の人が話しかけてきた。
「あ、う、うん。今いくよ。」
僕の言葉を聞き終えると、同僚はそそくさと部屋からでていった。
ここは、毎日各地を回って食材を集める、という仕事をしている。
ここにいる全員がだ。
そのうち、200~300は帰ってこない。
だが、数万をいう単位で、定期的に入ってくるから、全体的には減らない。
休みはなく、休める時間といえば、ご飯の時と、寝る時から朝起きるまでだ。
そのかわり、住む場所、食べるもの、日常に必要なものは、全て負担してくれる。
日常で使う物っていたって、使う暇がないんだよなぁ。
…、よし、今日も死なない程度に頑張ろう!
――――お昼休み。
「大変だーーーー!」
午前の仕事を終え、少しウトウトしているところに、同僚が走ってきた。
「…ぅえ?」
僕は間抜けな声を出しながら、ねむけまなこで、声のする方を見る。
「ガルが出たぞーーーー!!!」
「!?」
ガル。
その単語を聞いた僕は、一瞬で眠気が吹っ飛んだ。
ガル、それは、世界最強の動物。
僕らを、呼吸をするように殺し、苦しもだえるのを楽しそうに見えては去っていく。
僕らが、何億、何兆とあつまり、知恵をこらしても勝てない相手。
「に、逃げr…ぐぁっ」
同僚のひとりが殺された。
それを引き金に、周りにいた奴が逃げ回る。
「あぁぁぁああああああ!!!」
「い”あ”ーーー!」
「うわぁぁぁ!!!」
誰が最初に悲鳴を上げただろうか。
誰が最初に走っただろうか。
逃げても無駄なのに。
この距離じゃ、逃げられない。
ふと、横を見ると、動かずわなわなと震えている奴がいた。
怖いんだろうか。
「ぅ、うぁ、ぁ、あ、あぁ、あぁ、ぁぁ、ぁあ、あああああああ”あ”あ”!!!!」
「!?」
かけ出さなかった奴が、ガルに向かって走り出した。
かたき…か、なにかだろう。
震えていたのは、そうゆうことが。
…やけくそかもしれないけど。
奴は、ガルの足にしがみついた。
―――――きぇあぁぁぁああああああ!!
たん高い、ガルの叫び声が響く。
ガルは足を振り回し、奴を落とそうとする。
その数秒後、奴が振り落とされた。
「ぐはぁっ!!」
奴はものすごい速さで吹っ飛び、俺のすぐ横で、壁に激突した。
「だ、大丈夫、ですか?」
奴に声をかける。
「…。」
応答はない。
死んじゃったのか…。
僕は、少しながらショックを受けた。
知らない奴とはいえ、同じところで働いている同僚だ。
大切な友達も、いただろうに。
…その、一瞬で十分だった。
「!!」
ガルの足が……頭上にあった。
「し、死にたくなぁぐっ。」
ぼくは、無残にも、踏み潰された。
死に際に思ったのは、「そういえば僕、今日、2歳の誕生日か。」だった。
――――人間目線。
「ふんっ!アリのくせに!私の足に触るなんて!いい気味よ!」
こうして、一匹のアリの人生は、一人の小学生の手に…いや、足によって、終わりを告げたのであった。
読んでくださり、ありがとうございました。
また来てください。