チャプター1 プロローグ-序章-
どこまでも続く暗い闇。
何も見えない闇だ。
しかし、わずかな光とともに、ある人物の声が。
「今や、このドレイクには犯罪などあり得ないのです。彼の遺志が叶った... そう、犯罪と戦ったデレク・ジョンソン氏の遺志が...」
やがて、その声はどこかへ消えていき、場所は東欧の戦場へ。
数人の兵士が、捕虜に銃を向けている。
「さあ、順番に顔をみせてもらおうか?」
大柄な男が、捕虜のマスクを外した。
マスクの下は青年だ。
「なかなか若い奴だ。こいつは違うぞ。サタンじゃない。次!」
大柄な男の部下が隣の男のマスクを外す。
「こいつも違う。」
その時だった。
「殺さないのか、殺すのかどっちだ。いつまでもグダグダして。」
マスクを外した男から13番目の男が呟いた。
大柄な男が13番目の男に近づく。
「度胸がある奴だ。お前みたいな奴は初めて見たよ。後のお楽しみだ。」
大柄な男が笑いながら言うと、13番目の男は叫んだ。
「お楽しみ?つまらない奴だな。餓鬼の遊びのつもりか?」
13番目の男の言葉に大柄な男は表情を変えて銃を向けた。
「フンッ... この不利な状況で挑発するとはな。面白い。顔を見せろ。」
大柄な男は、13番目の男のマスクを取った。
しかし、そこには彼の素顔はなく悪魔のようなデザインのマスクであった。
大柄な男はそれを見て、
「お前が... サタンか...?」
サタンは立ち上がると、195cmの身長で大柄な男を見下ろして言った。
「どうした。 怖いか? まだまだこれからだ。」
サタンは大柄な男の首を掴み、へし折った。
それと同時に、捕虜が兵士たちを襲い出した。
兵士たちが死ぬまで殴りつける捕虜たち。
さらに兵士の一部も裏切り、仲間を殴りつける。
サタンは隠し持っていた何かのスイッチを押した。
近くで爆音が。
爆発したのは、官邸であった。
サタンは初めから現地の民兵に爆発物を官邸に設置させ、自らも民兵になりすまし、チャンスを伺っていたのだ。
サタンたちは、軍用トラックに乗り、どこかへ去って行った。