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機動兵器が溢れる世界に異世界転移したけど、俺だけ魔力量が0の役立ずでした。  作者: SUNY
黎明編

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2/11

俺だけ魔力量が?!

男子生徒は現れた巨大ロボを前に目を輝かせている。やはりみんなこういうのが好きなのか…かくいう自分もだが…


ユスダルからは機動兵器を動かすためには大量の魔力を必要とするため、この世界の人間では魔力量が特別に高い限られた人間しか動かせないこと。地球人は魔力量が多いため、ほぼ間違いなく動かすことができることなどの説明を受ける。


なぜ自分たちがこの世界に呼ばれたかわかった気がする。要するにこのロボットのパイロットにするためだろう。


「なぁ!このロボットは戦ったりするのか?!」

目をキラキラ輝かせながら城ヶ崎が質問している。普段は大人しいやつなのに珍しい。


「もちろん兵器としての機動兵器も存在するし、それに乗ることが出来るやもしれんな。ただそれがいい事なのかは知らんがの。」

そういってユスダルは笑っている。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ユスダルからの説明が住んだ後早速魔力量の測定が開始された。方法は簡単でキューブに手をかざすだけ。魔力量に応じてキューブが反応し数値を自動で計測してくれるというわけだ。


「まずは俺から計測してくれ!」

篠ノ宮がそう言って先陣を切る。


「なあなあ、俺たちどのくらいの数値なんだろうな。」

蓮が声をかけてくる。

「わかんね。どのくらいが相場なのかも分からないし」

そう話していた時、前から歓声が上がる。


「おお!!2900!!これは素晴らしいぞ」

真っ先に計測をした篠ノ宮の数値が出たようだ。どうやら2900というのはかなり高い数値らしい。篠ノ宮も満更ではない顔をしている。そういう奴だ。


「1800、1200、900…」

みんな次々と計測している。今のところ篠ノ宮の数値が最高みたいだ。


「俺、めちゃくちゃ高かったらどうしよっかな〜救世主になっちゃうな〜」

蓮は完全に調子に乗っている。絶対数値低いやつだろこれ。


「次、黒瀬蓮」

そう話しているうちに蓮の番になり呼ばれて行った。元の世界に帰れないならどうせなら多くの魔力量を持っている方がいい。そうでないと暮らしにくそうだ。


「2600!」

再び歓声が上がる。計測器を見ると蓮が立っていた。いや、あいつ高いのかよ…


そうしてクラスのメンバーが順に呼ばれて計測をしていく。ほとんどが500〜2000の間に収まっているだろうか。2000を超える事は稀のようだ。


「おお!!2200!今回は優秀だ!」


「2200だってよ。お前みたいなクズがどんなもんなのかなぁ楽しみだぜ。」

羽鳥が計測器から降りてきて藤村に話しかけている。羽鳥は藤村を虐めているのだ。高2にもなって情けないやつだが争いには巻き込まれたくない。


そうして藤村が呼ばれて行った。

「よ、4200?!」

計測員達がざわめく。もうほとんどのクラスメイトが計測を終えており、ゆるふわ系女子の白雪さんが意外にも(?)3500で最高で、3000を超える人も数人いたが、4000オーバーは初だ。


「おい、お前調子に乗ってんじゃねえぞ!」

羽鳥が顔を真っ赤にしながら藤村に殴りかかろうとする。が、その拳を兵士に止められ、逆に殴り返される。


「お前、4000オーバーの貴重さが分からんのか?お前とは価値が違うのだ。それ以上するならばこちらにも考えがある。」

ユスダルが威厳を持った声で言い放つ。

やはり魔力量=この世界での価値らしい。藤村は早速別室へと連れて行かれた。


ゴタゴタの後、再び計測が再開された。自分はまだ呼ばれない。計測器では梨桜の番になり計測している。


「な、な?!」

計測員達から本日1番の言葉にならない驚きの声が上がる。


「10000…」

梨桜はどうやら規格外だったらしい。藤村の4200でも驚かれていたのに10000とは。インフレしすぎだ。やはり才能がある人間は全てに秀でてるのか。


そうして最後になりようやく俺の番になる。名前を呼ばれて前に行き計測器に手をかざす。


しばらくすると測定員達が騒がしくなる。俺もそれなりの数値だったのかな。そう思ったその時。

「0…こんな事は始めてみる。魔力が無い人間なんて未だかつていた事がないぞ…」


0?0ってどういうことだ何かの間違いじゃないのか?

周りの視線が痛いほど突き刺さる。


「もう1回やり直せ。」

そう言われ再度手をかざすが結果は同じ。計測員が手をかざしても15と表示されるため正常のようだ。


「はぁ…魔力0…この世界では使い物にならん。さっさとつまみ出せ。」

そうユスダルが指示を出し兵士達が俺の両脇を抱える。もう終わりだ。


「待って!その人をつまみ出すなら私も出ていくわ。それでもいいの。」

聞き馴染みのある声が聞こえる。梨桜だ。


「私の魔力量はとても珍しいんでしょ?協力しないけど。」

「…仕方あるまい。だが、それもお主らがここに居るまでの間、その後は暮らすのに困らない支度金を与えるので旅立ってもらう。城内には置くことはできない。それも無理というのであれば、惜しいことだが死ぬまで魔力電池として生きてもらわねばならないな。」

ユスダルは一定の妥協案を示した。梨桜の機嫌は損ねられないらしいが、譲れないラインはあるようだ。


「もういいよ、ありがとう。」

俺は梨桜に伝える。


そして、「それで構わない。」

ユスダルにそう答えた。幼なじみが魔力電池なんて最悪だ。


「でも…」

梨桜は何かを言いかけたが、俺の目を見て口をつぐむ。


計測器から降りた俺に蓮が声をかける。

「そう気持ちを落とすなよ。」

「ありがとう。まぁ暮らすのに困らないお金は貰えるようだし、何とかなるよ。」


そうして激動の魔力量測定日は終了したのであった。



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