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第6話「文化祭準備スタート」


※(作者の都合により時空改変していますが、これはギャ

グ多めのラブコメです。人物知る程度にしておきましょ

う)

また、時系列とか気にしたら負けだぞ☆

by桐見川真緒(原作者)

  第6話「文化祭準備スタート!」

  


 メイド服と嫉妬と職務質問と。〜天使と悪魔と小悪魔と理系女王〜


「よーし! 今年の文化祭、2年A組は『メイド喫茶』に決定しましたー!」


 放課後の教室に、委員長の元気すぎる声が響き渡る。

 教室内に「おぉー!」と賛同と微妙な空気が入り混じる声が沸き起こった。


「メイドって……女の子がやるのか?」


「男子もやるんじゃね? 鬼畜メイド枠で」


「お前それやる気満々か?」


 そんな声が飛び交う中


「……わ、私、そういうの似合わないし……ちょっと……」


 美来が小さく肩をすくめた。


「いやいや、美来は超似合うって! 天使がメイドになったら、もはや聖人だよ!」


「たしかに! 美来ちゃんが『ご主人様♡』とか言ったら俺、人生終わってもいい!」


「やめろ」


 陸の一喝が、変な方向に暴走しかけた男子たちの妄想を止めた。


「美来はメイドやらない。やらせない。却下」


「は?」


「は?」


「は?」


 三重奏のように響く教室内の「は?」の声。

 そして、


「……え? 私、やっちゃダメ……?」


 美来が、うるっと涙を浮かべて陸を見上げた。


「違う、そうじゃない。お前は……その……そういう格好すると……いろいろ……その……やばいから……」


「えへへ……それって、陸が可愛いって思ってくれるから……?」


「うるせぇ……!」


 赤面してそっぽを向く陸。


 しかし


「りーっくん♡」


 また現れた。

 屋上だけでなく、教室にまで侵略を始めた中学三年生・塩田瑠美。


「え、なんで中学生がここに……」


「りっくんが出るって聞いたから、文化祭、特別参加しまーす!」


「そんな制度ないから!!」


「それにねぇ~、りっくんのメイド姿、私、ぜっったい見たいっ♡」


「メイド姿にされるの俺!?」


「りっくん、スカート似合いそうだし~。ほら、膝の形綺麗だし♡」


「お前、どこ見てんだよぉぉぉ!!」


「というわけで、りっくんは強制参加♡ もちろん美来お姉ちゃんとペアで!」


「ペア制なんですか?」


「はい、ペア制でございます」


 ちゃっかり文化祭実行委員の席に座っていたましろがにっこりと手を挙げた。


「今、勝手に制度決めたろ!!!」


 


 数日後  文化祭前日


「……なんで俺、フリルのエプロンつけてんだ……」


 鏡の前で固まる塩田陸。

 黒のメイド服に白いエプロン。足元はローファー+ニーソックス。

 仕上げにウィッグまで被せられていた。


「うわ、思ったより似合ってる……」


 美来が目を輝かせる。


「やめろ……こっちの精神が削られる……」


「はいっ、あーん♡」


「人前でやるなぁああああ!!!」


 陸の叫びが、校舎にこだまする。

 だが、彼の苦難はそれだけで終わらなかった。


「お前……その格好は何だ……?」


 振り向くと、スーツ姿の男がいた。


「……夜空優斗」


「妹に変な趣味を見せつけた上、女装で校内徘徊している容疑……」


「やめろぉぉぉおおおお!!!」


「この場で職務質問させてもらう」


「せめて明日にしてぇぇぇ!!!」


 


 翌日・文化祭当日

 


「いらっしゃいませ、ご主人様♡」


 という台詞が出てこない。


 美来はド緊張で、声がカスカスだった。

 だが、陸が横で「ご主人様……どうぞ」なんてボソッと囁いた瞬間、

 その場の女子たちから悲鳴のような黄色い歓声が上がった。


「なにあれ、尊い……!!」


「ちょ、塩田くんやばい……!」


「未来ちゃんも可愛いすぎる……天使と悪魔が並んでメイドって、世界救えるのでは?」


 大混乱。


 そこに、裏口から理系最強女子・柊菜乃葉ひいらぎ なのは先輩がやってくる。


「……聞いたわ。塩田くんが、メイド服で……しかも美来さんとイチャついてるって……」


 その手には、理系特製・催眠ガス入りチョコレートが握られていた。


「さあ、文化祭編のクライマックス、始めましょうか……♡」


 


 

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