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喫茶店 あなたに癒しの一時を~強面店員の笑顔を添えて~  作者: のんびり作者
第一章 喫茶店の店員
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9 堂島玄一郎とクズの末路

どうするのかな?

「お爺様。いきなり呼び出すとは、一体どうしたのです?」


豪華な装飾がされている広い部屋に2人の男がいた


堂島財閥の会長である堂島玄一郎と、孫の堂島勇だ


2人は互いに向き合う形でソファーに座ると玄一郎が話を始めた


「···勇。お前は生きたいか?」


「はっ?いきなり何を言っているんですか?」


いきなり変な事を聞かれた勇は、玄一郎に聞き返す


「答えよ。お前は生きたいか?」


「それは生きたいですよ。誰だってそうでしょう?」


玄一郎の問いに「何を当たり前の事を聞くのだ?」と思いつつ答える


「では、今までの事を反省し、真面目に働くか?」


「反省?なんの事です?私は真面目に働いています」


玄一郎の問いにそう答える


「もう一度だけ問う。今までの事を反省し、真面目に働く気は無いのか?」


「何度聞かれても答えは同じです。」


勇は平然と答えた。


「ならば仕方ない···。今、この時より『堂島勇を堂島一族から絶縁·追放する。』何処へなりとも行き、一人で好きに生きるがいい」


勇の答えを聞いた玄一郎は勇に対し、宣言をした。


「なんでですか!!?自分がお爺様の機嫌を悪くするような事をしましたか!?」


突然の宣言に動揺する勇は玄一郎に詰め寄る


「愚かな···。ワシが何も知らぬと思ったか?全て知っておるわ。お前の愚行のせいで、どれだけ被害があったか···。どれだけの人が悲しみ、心に傷をおったか···。お前には理解できないのか···」


勇は玄一郎が悲しい眼で自分を見ている事に気がつかない


「俺は!いや、自分は何もしていません!!何かの間違いです!!」


「···本気でそう申すか?」


「はい。」


「···。残念だ。すこしでも反省が見れれば·······。」


玄一郎は手を上げると、部屋へ黒い服を来た男達が入って来て、勇を拘束する。


「お爺様何を!?話を聞いて下さい!!自分は何もしていません!!お爺様!!はなしを···」


「···連れていけ。もう何も話す事などない」


玄一郎の命に従い、男達は勇を担ぎ上げ、部屋を出て行こうとする


最後まで「自分は悪い事をしていない」と叫ぶ勇に玄一郎は背を向ける


勇が担ぎ上げ出され、一人になった玄一郎は無言で外を見ているのだった





「ちくしょう!!ボケじじぃが!!俺を追放だ!?ふざけるな!!俺は何も悪い事なんかしてねぇ!!」


大声で愚痴をいいながら近くにあるゴミ箱を蹴り倒す


勇はあの後、着の身着のまま外に放り出された。


行く宛などないが、それよりも今は玄一郎に対しての怒りが強い為、周りにあたり散らかしていた。


「ちくしょう!!イライラするぜ!!何か憂さ晴らしを···」


イライラしたまま道を歩いていると、目の前に2人の女性を見つけた


「アイツらは?···ちょうどいい!!あの時の金を返してもらうか!!ついでに憂さ晴らしの相手にしてやるぜ」


勇が見つけたのは影司によって解放された2人だった


(今の場所では人が多い。もう少し人が少ない所まで待つか)


そう考えた勇は気がつかれないように尾行を始めた。


暫く尾行を続けていると?2人はビルの角を曲がり、細い道に入って行く


(運がいいぜ態々人気のない道に入るとはなぁ)


ここだと決めた勇はかけ出し、2人が入って行った道に踏み込んだ···。


しかし2人の姿は無く、ただ暗く細い道があった


見失ったかと思い、暗い道を進むが、2人に追いつかない


さすがにおかしいと思い、振り向くと、さっきまで見えていた道が消えていた


「何だこれは!?道が無くなってる?!いや、それよりも、『ここ』は『何処』だ!?」


周りを見ると完全に道は消えており、足下さえ暗くなっていた


いや、『暗い』と言うよりも『黒い』のだ


「ちくしょう!!何だってんだあの2人を見つけたらめちゃくちゃにしてやる!!」


勇が罵詈雑言を大声で吐き続けていると何処からか声が聞こえて来た


『···ここまで愚か者だったのか。せっかくの機会を棒に振り、挙げ句の果てに2人に非道な事をしようと考えるとは···。クズを通り越して外道だな。いや、外道の方がまだ頭は良いか···』


明らかに呆れた声だ。


「うるせぇ!!あの2人は俺の奴隷だっ!!さっさと俺をここから出しやがれ!!」


勇が身勝手な事を叫ぶと、謎の声が宣言する


『もういい。お前はこのセカイには不要なモノだ。このセカイから消えるがいい』


謎の声の宣言が終わると勇の足下から黒い筋が這い上がり、全身を包み、ゆっくりと沈んでゆく


恐怖で叫ぶが、もう全身を被い尽くされている勇の声は誰にも届かない。


そして···このセカイから『堂島勇』の姿は消えた




その後、堂島財閥の会長である堂島玄一郎は、全ての事から身を退いた。


急な出来事に周囲は大混乱。


何とか玄一郎を説得しようとするが、頑なに拒否された。


玄一郎は引退後、人里離れた場所で静かに余生を過ごし、亡くなる前に一言呟いた


『多大なる温情···感謝します。』






やり直しの機会は与えられたが、無駄だった


勇は命を投げ、玄一郎は匙を投げた?


次回『堂島玄一郎とクズの末路·裏』



ー宣伝ー


同時連載中の小説


魔法の実がなる木の種を貰い、育てた僕は精霊達に気に入られた様です。~魔法の実を食べたら色々ヤバい事になりそうです~


こちらもよろしくお願いします




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