38 個室のある店
マッサージが終わってから、暫くは麗華は起き上がれなかった
「うぅ···何あれ···普通のエステでもあんなにはならないわよ···」
まだ力が入らない麗華は、影司のマッサージの危険性に危機感を感じていた。
「(もし、あのマッサージが世に知られたら···影司君がいなく···いや、そうなる前に···私専属で雇う?そうすれば私だけで、周りには知られないわ。喫茶店がお休みの日は一緒に出掛けて、疲れたらマッサージしてもらう···まるで執事···)それだわ!!」
勢い良く立ち上がる麗華に驚く影司だが「元気そうなので良かった。」と落ちた革ジャンを拾う
「ねぇ影司君···執事に興味無い?」
「喫茶店でやるんですか?流行りだと思いますが···うけますかね?」
···互いに沈黙する
「そうね···ただ流行りのものを取り入れてもダメだから···。何か他とは違うものを···付加価値を高めて···」
ぶつぶつ独り言を言いながら思考の海に沈む麗華
そんな時、何処からか音が鳴った
ぐぅぅぅ···
音源は影司だった
「すいません。腹鳴っちゃいました。」
時刻は17:00
昼にあれだけ食べたが、散歩にバッティングセンター、大型家具店への徒歩···(黒影の使用)
お腹が空いてもおかしくはないだろう
「まぁ、続きはご飯でも食べながらにしますか」
麗華は笑って上着を着ると、外へと出る
影司も申し訳なさそうに革ジャンを着て、外へ出る
店の施錠をして2人は駅前へ歩いて行く···
前に絡まれた所を避ける様に店を探し歩く···
「話をしながらの食事だと、個室が良い」と、個室ありの店を探す
「ここはどうかな?一応個室だけど···」
麗華の指の先はカラオケ居酒屋だった
麗華のスマホで店を調べてみる
『カラオケ居酒屋 呑歌美』
·元カラオケ店を居酒屋に改装した店で、個室でカラオケと酒と料理が楽しめる店として開店
·普通のカラオケと違い、店内は静かで、話をしたりするにはいい場所
·普通の居酒屋としても利用できて、料理がおいしい
·カラオケは一曲毎にお金を払う『食事優先コース』はゆっくり出来る
·時間を決めて利用する『カラオケコース』は飲み会に丁度良かった。食べたい人は食べて、歌う人は歌うで皆が楽しめた。
·『部屋数が少なくなった』ので『防音性能』が上がり、『隣の歌がうるさい』等と言った事も少なくなった
·カラオケコースと食事コースで階が別れているので、落ち着いて話や食事が出来る
等と評価されている
「俺はここでいいと思います。評価にも『話をしたりするにはいい場所』と書いてありますし、料理も美味しいとも書いてあります」
「それならここにしましょう」
そう言って、麗華と影司はカラオケ居酒屋に入って行った
次回『カラオケ居酒屋 呑歌美』




