35 大型家具販売店
荷物送って身軽になる
大荷物もなくなり、すっきりした麗華はある事を思い出した。
「そういえば応接間のソファーが古くて、買い換えようかと思ってたの忘れてたわ」
応接間のソファーは3つあり、1人用が2つでテーブルを挟んで、詰めれば3人座れる大きさのが1つある
大きい方にはたまに麗華が寝ているらしい
しかも、古くなってきた為にスプリングが弱くなって、座り心地が悪くなったと言う
「では見に行きますか?ここからだと少し離れている場所に家具販売店があったはず···」
影司がそう聞くと、麗華はスマホを取り出して検索する
「確かにあるけど···どうせならもう少し行った先に、大型家具販売店があるわ!そこにしましょう。タクシーが通る道へ出ましょ」
麗華はスマホをしまい、歩き出す
影司はタクシーが近くを通らないか見ながらついて行った。
大通りに出た2人はタクシーが通るのを探しながら道を歩いていた。
「なかなか通らない道なのかしら?バス停でも有れば、そこからバスで行きましょうか?」
周りを見ながら目的地の方向へ歩く
暫くするとタクシーが遠くから走って来た。
「来ましたね。空車ですから止めましょう!!タクシー!!」
影司が手を上げてタクシーを呼ぶ
運転手も気がついた様で、2人の前で止まり、後部ドアを開ける
麗華を先に乗せて、影司が隣に乗る
「お客さん達、どちらまで?」
「この先の大型家具販売店までお願いします。」
行き先を伝えて一息つく
「よかった。全然通らないから困ってたのよ。」
「あぁ、この通りは人が少ないから、普段はあまり走らないんですよ。今は戻りなんで、すいてる道を選んで走ってたんですよ」
運転手がこの通りの事を教えてくれる。
「そうだったの···運がよかったわ」
「そうですね。バスも見ないので最悪徒歩で店まで行きそうでしたからね。」
2人でそんな話をしていると、運転手が「もう1本隣の通りなら、タクシーもバスも走ってますよ。」と教えてくれた時は、なにも言えない2人であった。
タクシーが目的地に着き、支払いを済ませて降車。
大型家具販売店のソファーエリアに向かう
「流石に大きいですね。元は倉庫でしたっけ?」
「そうね。だから現物を多く展示出来るし、種類も数を揃えられるのよ。」
歩きながら周りを見る影司に、麗華は説明をしてくれる
「なるほど。それで、どんなソファーを買う気ですか?今使っているのと同じタイプは···無さそうですが···」
周りを見ても見当たらない
「まぁ同じじゃなくて良いわ。とりあえず見てみましょう。今日は下見がメインだから。」
「了解です。」
2人は店内を見回り、幾つかの候補を上げて店を出るのであった。
次回『麗華の勘違いとマッサージ』




