32 万福館
出てきた料理のサイズがおかしい···
春巻きは市販の物の倍程の長さがあり、しかも6本だ···
叉焼麺の器は大きな『すり鉢』で、表面は厚切り叉焼で隙間なく蓋をしている···
そして炒飯は大きな深皿に高く盛られている···何合飯だろう?
豚バラ肉煮込みはラーメン丼にスライスされて山盛られていた···
「すごいでしょ?ここの店は名前の通り『満腹感』を売りにしてるのよ!!だから『普通サイズがいい場合は小サイズ』って言わないといけないのよ」
麗華が説明してくれるが、先に言って欲しかった。
「さぁ、冷めないうちに食べましょう」
そう言って麗華は叉焼麺を食べ始める
影司もレンゲを持ち、炒飯の山に取りかかった
うまい!!これは手が進む!!
(しかし···これは食べきれないぞ)
流石に完食は無理と思い、『しゃぶしゃぶ』の時と同じように黒影に収納していく(24話·27話)
まずは炒飯を半分収納。豚バラ肉の煮込みは(気に入ったので)多めに7割程収納する。
十数分後···
「ご馳走様です···。」
最後のバラ肉を腹(黒影)に入れ、手を合わせて礼をする···
大変美味しゅうございました···。
豚バラ肉煮込みは油も少なく、量を食べても苦にならない程美味しく、炒飯との相性も良い。
炒飯もパラパラで胡椒が効いていて、紅しょうがとの相性も良かった。
これでまた『うまい非常食』が出来た事に笑顔を浮かべる影司であった。
完食した影司の隣では麗華が最後の春巻きを食べている。
長い春巻きを美味しそうに食べている麗華はとても幸せそうだ
影司はいい笑顔で麗華を見ていたが···
(しかし、細い体で叉焼麺と春巻き6本はどこに入ったのだろう?俺より食べるよな···。)
そんな事を思うのであった。
「ご馳走さま。は~、久しぶりだったけどやっぱり美味しかった。店主お会計お願い」
「まいどありがとうね。全部で26
00円だね。はい丁度ぴったりだね。」
あれだけの量で2600円!?安すぎないか?
平均1人1300円?1品650円!?
店が小さいとはいえ、破格過ぎる
「大丈夫だよ。これでも利益あるからねぇ。心配せずにまた来てね。」
影司の考えを読んだのか、笑顔で「また来てね」と言う店主
「はい。また来ます」
「また来るわね。」
2人は返事をして外に出る
人通りの無さすぎる所にある、小さな中華料理屋『万福館』は···知る人ぞ知る『隠れすぎた名店』であった。
次回『古着屋の革ジャン』




