3 空き地へ連行と拘束
今回はちょっとだけファンタジーです
ぎゃーぎゃーと騒ぐ男の腕を掴んだまま暫く歩き、小さな空き地に連れてきた
ちなみに女2人はオロオロしながら後をついて来たが、助ける様子はなかった
「よし。ここなら多少騒いでも迷惑にはならないな」
店員は男の腕を放し、男と向かい合う
「てめぇ!!よくもやってくれたな!!俺にナメた事したのを後悔させてやる!!」
男は拳を振り店員に殴りかかるが、店員は顔を傾けて拳を避ける
「避けんじゃねぇ!!」
男は頭に血がのぼっているのか、大振りで殴りかかるが、全て最小限の動きで避けられる
「畜生!!おい!!お前ら!!アイツを拘束しろ!!」
シビレをきらせた男は大声で女2人命令すると、女2人は体を震わせながら店員に近づいて来る
どうやら女2人はこの男の命令に逆らえないらしい
(女を使うとか···どうしようもないクズだな。それに2人は逆らえない様だし···仕方ない)
一つため息をつき、店員はおとなしく女2人に拘束される
「よし!!そのまま拘束しとけ!!ボコボコにしてやらぁ!!」
男が殴ろうとした時、男の体が何かに拘束された
「なっ!?動けねぇ!?」
男は体が動かない事に気づき、体を見ると黒いものに包まれていた
「なんだこれは!?体が黒い!?」
男は動こうとするが動く事が出来ない
「安心しろ。お前の影でお前を拘束しただけだ」
店員がそう言うと、女2人も影で包み、引き剥がす
「そいつは『黒影』···本当は使うのも嫌なんだが、あの人が心配して探しに来るかもしれないからな···。さて、これでお前らの生殺与奪はオレの自由だ。命が惜しければ大人しく答えろ」
(本気を出せば影に沈めてサヨナラも可能だが、わざわざ面倒事を背負う事も馬鹿らしい。ちょっと脅す程度にしよう)
「ふざけるな!!さっさと解放しやがれ!!俺はあの有名な堂島財閥の長男勇様だぞ!!俺に何かあったら···むぐっぅ!!」
首から下を拘束されてもまだ状況を理解していない様なので、影を操り口を塞ぐ
塞ぐと言っても鼻呼吸はできる。死なれると面倒だからだ
「(自分の状況を理解出来ないバカなのか?)···少し黙れ。そこの2人は大人しくしてるぞ?それなのにそんなに強気でいるとは···。お前の名前『勇』じゃなくて『蛮勇』の間違いじゃないのか?そんなに痛い思いをしたいのなら望み通りにしてやるぞ?」
呆れ顔をしつつ、大人しい2人の方を見ると、2人は諦めた顔(疲れた)をしていた
「蛮勇はほっといて、あんたら2人に話を聞こうか。あんたら2人はこいつの何?お目付け役か?恋人には見えない態度だったが···。まぁ、人の好みはそれぞれと言うから、恋人だとしてもそう言うものと納得はするぞ。こちらとしては正直に話してくれるなら···まぁ、悪い様にはしないと思う」
答え次第ではあるが、少なくともこのバカに好きで同行している様子ではなかったし、何か事情が有るのだろう
そう思いながら2人の返答を待つ事にした
次回は事情聴取とお仕置き回かな