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喫茶店 あなたに癒しの一時を~強面店員の笑顔を添えて~  作者: のんびり作者
第二章 『喫茶日向』営業開始?
17/45

17 店長と店員②

今回はちょっと虫の話です


お食事中には読まないで下さい。

互いに向かい合って料理を食べる


暫しの沈黙···


しかし、そこには気まずい空気はなかった


「ご馳走さま。」


先ずは麗華が食事を終える


「はい。お粗末様でした。」


影司もすぐに食べ終わる


「苺とブルーベリーどっちが良いですか?」


影司は皿をまとめて流しへ持って行く


「苺!!でもブルーベリーも良いなぁ···」


腕を組み悩む麗華···


どちらにしようか真剣に悩んでいる様子


「そんな店長にはこれをどうぞ」


冷蔵庫から透明な硝子製のパフェグラスを取り出し、麗華の前に置く


「これは?パフェだよね?」


「えぇ。試作です。底にゼリーを敷き、苺ヨーグルト、シリアル、ブルーベリーヨーグルト、苺アイスとブルーベリーアイスのハーフ&ハーフを乗せて、生クリームをアイスの上に少量乗せて、周りをカット苺とブルーベリーを交互に敷きました」


見た目はシンプルだし、彩りも少ない···「完全に失敗した」と今では思う


でもせっかくだし、見せるだけ見せて自分で食べようと思ったのだ


店長には別に作っておいた苺ヨーグルトとブルーベリーヨーグルトを出せば良い


苺もブルーベリーも果肉をたっぷり入れてあるので、満足してくれるだろう


冷蔵庫から苺ヨーグルトとブルーベリーヨーグルトを取り出し、麗華の方へ振り向くとパフェをモリモリ食べる姿が···


「あの···店長?それ失敗作なんですが···」


「ほうなの?おいひいよ(むぐむぐ···)」


「(気に入ったのかな?)···とりあえずそれがあるなら、こっちの2つは冷蔵庫に···」


「それも食べるから!?ちょうだい!!」


見るとパフェはもう底にまで到達しかけている


「結構量があったのに···まぁ、食べられるなら···どうぞ」


「ありがと~」


麗華は笑顔で出したヨーグルトを食べる


その笑顔を見て『陽炎』の幻覚の麗華の言葉を思い出した



『ねえ?今まで●した人達の事···どう思ってる?その行動は正しいの?本当に●ぬべきは貴方じゃない?』




一瞬、ほんの一瞬だけ影司から殺気が漏れた


その瞬間、麗華は身体を強張らせ、影司をみていた


···失敗した!!まさかこんなミスをするとは!!店長になんて事を


内心で後悔する影司に、麗華は困った顔で声をかけてきた


「えっ···と、ヨーグルト全部食べちゃってごめんなさい。影司君も食べたかったよね?ごめんね」


店長の前には空になった器が2つあった


どうやら全部食べてしまった事を怒ったのだと思ったようだ


そんな見当違いな事を言う麗華を見て、影司は笑みを浮かべて誤魔化そうとする


「違いますよ。怒ってません。ちょっと『黒い奴』が見えた気が「きゃあぁぁぁぁぁ!!どこ!?どこにいたの!?」


麗華の悲鳴で掻き消され、麗華が抱きついてきた。


速い!?俺が反応出来ない速さだと!?って違う!!


さすがに慌てて「見えた気がしただけ」と言うが、麗華はなかなか離れなかった···。


謝る麗華に影司は紳士的対応をし、スーパーで大容量の設置形殺虫剤を大量に購入。


店全体に設置し、全て焚いて外へ避難。


大掃除は明日する事にして、帰宅する2人であった。




「(まぁ実際何匹かはいたが、黒影で処分していたから見つからないけどな···)しかし、明日も開店しないとなると俺の給料が失くなってしまうんだが···早く開店再開して欲しいなぁ···」


そんな事を思いつつ、明日も開店出来ない事に密かに落胆する影司であった。



次回『消えた計画』



何であんなに対策しても出てくるん?



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