16 店長と店員①
さぁ、日常パートだ
久しぶりに力を使い過ぎた影司は朝まで熟睡していた
「(よく寝た。これだけ寝たのは初めだ。)···店からの連絡は来ていないか。」
携帯を見るが『店の営業を再開する』との連絡は来ていない。
(···。部屋に居たい気分でもない、散歩するか)
影司は気分転換に散歩する事にした
朝の通勤時間のピークは過ぎて居るが、それなりに人は歩いている
「平和だ。こんな平和な所にいても
良いのだろうか?」
そう呟くが、答えは出ない
暫く歩いていると目の前には喫茶日向があった
どうやら無意識に店まで来てしまったらしい
「店は開いてない···か。」
扉には昨日貼った紙がそのままになっている
「···帰るか。」
そう呟き、店から離れようとした時、声をかけられた
「あら?影司君じゃない。どうしたの?今日はお店お休みよ?」
声の主は店長の麗華だった
「おはようございます。自分は散歩していたら、店に来てしまって···。」
挨拶をしてここに来た理由を話す
「そうなの?私は雑務を終わらせようと思ってね。あっ、昨日はありがとう。とても助かったわ」
麗華はやり残した仕事を終わらせる為に来たらしい
影司に昨日の事について礼を言う
「良かったら。お店で少し話さない?ついでに何か作ってくれてもいいのよ?」
店の鍵を開けて麗華は影司に提案する
「わかりました。ちょうどお腹が空いてきたところだったんで、助かります。」
「それはいいタイミングだったわね。実を言うと私もそうなの」
2人は楽しそうに会話をしながら店へと入って行った
「じゃあ、出来たら呼びますんで」
「は~い。それまでに仕事終わらせま~す」
2人は各々わかれて作業に入る
「さて···冷蔵庫の中には何がある?鶏もも肉がそろそろ期限近いな···。俺1人なら時間かけても良いけど···よし!香草焼き風にするか。」
鶏もも肉を取り出し、フォークで皮に穴を無数にあける
筋を切り、なるべく均等になるように切り開く
次にハーブと塩を振りかけ、刷り込み、バットに入れてラップをして冷蔵庫においておく
これだけだと少し物足りないので追加で苺を細かく刻んでヨーグルトに投入。ブルーベリーもあったので、荒く刻んで別のヨーグルトに投入し、冷蔵庫で冷やしておく
時間が来たので鶏肉を冷蔵庫から出して軽く水気を拭き取ったらオーブンでじっくり焼く
もも肉を焼いている間に小さいじゃがいもを洗い、切り込みを入れて圧力鍋で蒸かす
これであとは待つだけだ
鶏肉が焼けていい香りがキッチンを満たす
じゃがいもも蒸かし終わり、皿に移し、バターをのせて胡椒を少々振りかける
焼けた鶏肉を皿に移し、作業台に置き、じゃがバターの皿を隣に置いて完成
食パンも出して置く
今回はカウンター席ではなく、キッチンの作業台をテーブル代わりにした。
パイプ椅子を出して麗華を呼ぼうと入り口を見ると、既に麗華がいた
「店長いたんですか?」
「今さっき終わったのだよ。さすが私!ナイスタイミングだね」
えへんと胸を張る麗華
大きな双丘が揺れた
「そんな事で誇らんで下さい···。早く座って、冷めないうちに食べましょう」
影司は何食わぬ顔で着席を促す
この男の精神力は化物であった
「うぅ···影司君が冷たい。」
少し拗ねた麗華だったが
「デザートに苺ヨーグルトかブルーベリーヨーグルトありますけど···いらないみたいですね?」
の一言で直ぐに着席。早く早く!!と影司に着席を促す
影司はそんな麗華に苦笑しつつ着席し、2人は食事を始めた
次回『店長と店員②』




