13 病院でのお話·裏 (影司視点)
影司視点です
店から帰った影司は、部屋で意識を集中していた。
『店長には申し訳ないが、心配なので少し観させてもらいます』
意識を黒影に移し、麗華を観察する事にした
本来は絶対にしない事だが、影司は麗華に黒影を潜ませていた
それは影司がまだ喫茶日向に勤めていないかった頃
その頃の影司は働いておらず、空腹で倒れてしまう
倒れていた場所は喫茶日向の目と鼻の先で、ちょうど出勤してきた麗華が発見し、ご飯の無料提供の上に話を聞いてくれた。
『給料は安いけど、良ければ日向で働かない?接客メインだけど賄い出るから···。どうかな?』
その言葉に影司は即決し、喫茶日向で働く事になった。
その日以来、影司は麗華に恩返しとして黒影を使い、いつでも助けられるようにしていた。
影司の行動は徹底的だった。
仕事·プライベートに関わらず、黒影で見る事はしない。
しかし、危険があればすぐに対処できる様に、特別に調整した『自律型の黒影』を麗華の影に潜ませ、『黒影』では対応が難しい時には、影司が到着するまで麗華を守護するようになっている
例えば災害等で危険にさらされたと仮定しよう
黒影の危険感知により守護システムが発動し『即座に麗華を影で包み込み、周りに防壁生成をして安全エリアを確保する。』
それと同時に『影司へ信号を送り、後は影司が到着するまで麗華の生命維持装置となり、機能し続ける』のだ
流石に『影移動』は外してあるとは言え、かなりの過保護っぷりである
さて、話を戻そう
現在麗華は病院に到着し、お爺様と会話をしており、話の内容を聞いていた影司は照れたり落ち込んだりしていた
「まぁ、悪く思われてない様で良かった。ついでだから、お爺さんの体を診ておくか···。(あ~···これは多分見からないぞ?)相当悪くならないと発見出来ない奴がいる。」
「···(治しておくか···。手当くれるらしいから、その対価として。)···え~っと、健康な細胞を分裂ついでに強化して、悪い部分を消しつつ細胞を高速適合させて···」
影司は黒影でお爺さんの体を治療してゆく
「これで···終わり!!これで『多少の怪我や病気は早く治る』ようになった。(細胞強化の効果で若干若返ってるけど、見た目じゃ判断出来ないからいいだろう)長生きしてね」
サラっととんでもない事をした影司は黒影から意識を戻し、布団に寝転がる
「とりあえず店長のお爺さんは大丈夫だとわかったから、店長も大丈夫だろう。···疲れたから寝よう」
一仕事(?)終えた影司はそのまま眠りについた
次回『影司の過去』
※この物語はフィクションです。素人による専門的医療行為等は危険(犯罪)です。絶対に真似しないで下さい。
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