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第98話 お客さんいっぱいいる

 「……お客さん、いっぱいいるね」


 うん、いっぱいいる。

 リビングにみんないる。


 俺、姉ちゃん、咲羅、実璃、言音、湊亜。

 なんでこんなにいるんだろう……。


 「……なんか私、いないほうがいい感じだからどっか行ってるね」


 そうかな?

 ま、そのほうがいいかも。


 姉ちゃんはどっか行った。


 「……で、なにしに来てくれたのな……?」


 みんなに言う。

 みんな下を見ている。


 「ってか、みんな『俺がアイドルになる』ってことを知って来てくれたんだよね……? 誰から聞いた?」

 「江島」

 「総一朗さん」

 「江島先輩」

 「江島くん」


 全部総一朗じゃねぇかよ。

 あいつ、言ったの咲羅だけじゃねぇの?


 「――で、天太、アイドルなるの?」

 「いや、えっと……」

 「天太さんがアイドルになるってことは、寮に行くってことですよね……?」


 いや、まず寮に行くのか知らないんだけど?

 寮に行かなきゃいけないの?


 「ちょっと待って、今色々と考える」


 俺がそう言うと、みんな黙る。


 ……ああ言ったけど、なにを考えよう……。

 この時間で考えるべきことは……。


 ……うん、わからない。


 そもそも寮って必ず行かなきゃいけないのかな?


 「――先輩方、みんな同じ考えなんですか?」


 唐突に喋りだす言音。


 「木神先輩が寮に行くと聞いて、学校から離れるのか……、確認しにきたんですか……?」


 いや、『寮に行く』なんて言ってないよな……。

 ……総一朗のやつか。


 「私はそうです」

 「私も……そう……」

 「私は違うよ?」


 咲羅?

 そこ否定するの?


 なんか悲しい。


 「別に天太が学校から離れるのはいい。別に興味ないし」


 なんで急にそんなこと言うの?

 普通にびっくりしてる。


 まぁ、たまたま俺の家の近く通ってたら、総一朗から連絡があったから確認しただけか。

 別に俺に変な興味あるわけないか。


 ……なんかだんだん俺、自意識過剰になってきてるかも。


 「……こんな時間に急にごめん。私、帰るね」


 湊亜が立ち上がる。

 すると実璃と言音も立ち上がった。


 みんな帰るのかな?


 「では、失礼しました」


 3人は玄関に向かった。

 そしてドアが開く音が聞こえる。


 咲羅はまだ座ってる。


 俺はなにをすればいいんだろう……。

 なんか沈黙も気まずいし、話しかけるか。


 「まぁ、寮行くことになる可能性高いから、総一朗とかよろし――」

 「嫌だ!」


 急に大声を出すと同時に、立ち上がる咲羅。

 そして俺のすぐ目の前まで来る。


 「行かないでほしい……」


 んなこと言われてもな……。

 どうしよう……。


 「……! あ、これは……。あ、天太がいなくなったら他の女子たち困るから! あと……、一応江島も!」


 いや、総一朗は困らないと思うぞ……?

 だって湊亜がいるから。


 「……ごめん、私も帰る」


 咲羅は玄関に向かう。


 ……ちゃんと『ごめん』とか言えてえらいな……。

作者の中間考査が2つの意味で終わったので、今日から投稿再開します!

本当に久しぶりの投稿だな……。

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