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第80話 いざ、部室へ!

 今日から部活だ! 

 入部届もやっと出せた!


 部室は地下3階!


 この学校って地下3階まであったんだ……。


 俺は独りでそこに行く。


 地下3階に行くと、近くに見たことのない部屋があった。

 間違いない、ここが部室だ。


 俺はその部屋のドアを開ける。

 中には男子生徒一人と女子生徒二人がいた。


 みんな紙になんか書いてる。


 ……ここって本当に部室だよね?

 顧問の先生いないよ?


 「……あ、わかった! 新しい部員だ!」


 一人の女子生徒が持ってるシャーペンを置いて立ち上がる。


 「ほら、安藤先生言ってたじゃん! この男の子だよ! 絶対!」

 「はいはい、そんな興奮しない。ってか、コットーにとって先輩の可能性もあるんでしょ? 一応敬語くらい使っときなさいよ」


 もう一人の女子生徒も立ち上がる。


 『コットー』と呼ばれた女子生徒は俺に近づく。


 「……あ、この男の子知ってる! 今めっちゃモテてる人でしょ!?」


 目を輝かせる女子生徒。

 間違いない、こいつ陽キャだ。


 俺とは世界の違う人間だ。


 「……! 木神天太!」


 もう一人の女子生徒は俺に人差し指を向ける。

 めっちゃ驚いてる。


 「嘘……、本当にいたんだ……!」


 はい、います。

 ちゃんとこの学校に通ってます。


 「わ、私は野尻(のじり)! な、名前で呼んでね!」


 ……名前?

 『野尻』って名字だよね?


 え、なに、名前が『野尻』なの?


 「私はね! 『言う』って字と『音』って字で『言音(ことね)』っていうんだ!」


 野尻っていう人とは違う、陽キャの女子生徒が言う。


 「本当にイケメンですなー! さすがモテモテくん!」


 やっぱり陽キャのこのノリ、ついていけねぇわ。


 「あ、この部活の紹介するね! 行事考えるの!」


 そのまんまだな。


 「ねーねー、何年生だっけ? 天太くんって」

 「俺? 2年生だけど……」

 「へー、私1年生なんだ!」


 あ、後輩だ。


 「こら! ちゃんと敬語使う! 年上じゃん!」

 「もー、野尻先輩うるさいなぁ……。そういえば野尻先輩の名前ってなんでしたっけ?」

 「しおりだよ! 忘れたの!?」

 「だって、木神先輩」

 「なんでそこで木神天太くんが出てくるの!?」

 「だって野尻先輩、『名前で呼んで』って言ってたくせに名前言ってなかったじゃん。だから教えてあげたんだよ?」

 「それならコットーが教えてあげればいいじゃん!」

 「いやー、木神先輩、私の言ったことはあんま信じてくれないと思うんですけどねー。信じたとしても、『なんでお前に教えられなきゃいけないんだ』ってなりますよ?」


 ……?

 何言ってんの?


 「見た感じ、木神先輩は私のこと知りませんよね。ってことは、今日初めて会ったってこと。木神先輩は私のことどう思うかな? 『先輩にもタメ口でうるさいやつ』だと思うんですよね。そんなやつが本当のことを言うと思いますか? 本当のこと言ってても、ウザいですよね?」


 うわ、この女子生徒、意外と頭いいやつなのか?

 なんかすんごい理屈言ってるけど。


 この部活に入って正解だったのかな……?

まさかの転校生じゃなくて後輩が先に出てきた……。

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