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第8話 家の前にいた白糸咲羅

 「じゃ、行ってくる」


 姉ちゃんにそう言ってから、俺は玄関のドアを開ける。

 外が眩しい……。


 そして、俺の家の前に白糸咲羅がいた。

 いつもより笑顔な気がする……。


 「おはよ」

 「ああ、おはよ。……ってか、本当に来たんだ……」

 「家近いし。今度私の家に遊びに来ない?」

 「ええ……」


 『遊びに来ない?』って言ったよな……?

 女って男をそんな簡単に自分の家にいれるの……?


 まぁ、いくら白糸咲羅でもそんな簡単に男を家にいれねぇだろ。

 こいつも女だし。


 姉ちゃんが男を家に入れてるところなんか見たことないぞ?

 そもそも姉ちゃんに男の友達とかいるのか?


 いてもおかしくないな……。

 普通に姉ちゃんかわいいし。


 ってことは姉ちゃん……もうキスとかしたのかな……?


 いや、別にそれは本人の自由だけど……弟として……なんか……。


 「? 考え事?」

 「あ、いや、なんでもない。じゃ、行こっか」


 俺が歩き出すと、白糸咲羅も歩き始めた。

 白糸咲羅と一緒に登校……。


 総一郎になんか言われそう……。


 それに、本当に明るいな、白糸咲羅……。

 めっちゃ目が輝いてるし。


 こういう白糸咲羅もモテるんだろうな……。


 「ねぇねぇ! 今度の日曜空いてる?」

 「今度の日曜……? 特に予定はないけど……」

 「じゃあさ! 私の家に遊びに来ない?」


 ……フラグ回収……?

 さっき俺が『まぁ、いくら白糸咲羅でもそんな簡単に男を家にいれねぇだろ』って思ったから?


 にしてもフラグ回収早くない?


 「えっと……男の俺に言ってるのか……?」

 「当たり前じゃん。木神に話しかけてるんだから」


 マジか……。


 ってか白糸咲羅って全然ツンデレじゃないよね?

 むしろデレデレな気がする。


 「あ! 咲羅が木神くんと一緒にいる!」


 後ろから聞き覚えのある女の声。

 あの日から俺に付きまわってくる女子生徒たちがいた。


 「なんで!? なんで咲羅が木神と!?」


 なんかギャアギャア騒ぐ女子生徒たち。

 その隣で固まっている白糸咲羅。


 なんか『変なやつが来やがった』って表情をしている。


 「……木神! 逃げるよ!」


 白糸咲羅が俺の手をとって走り出す。


 「あ、待て!」


 女子生徒たちが追ってくる。

 めっちゃ速い……。


 「木神! 速く!」

 「速くって言われても! インドア陰キャにはキツい!」

 「文句言ってないで! 速く!」


 いや、そんな無理言われても!


 しかもあの女子生徒たち、めっちゃ追ってくるんですけどー!?

 全然疲れてないみたいだし!


 怖い怖い!

 ホラーゲームにありそうなシーンなんだけど!

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