第77話 咲羅が変わった……?
「じゃ、行ってくる」
玄関の前手間寝てるミミに向かって言う。
ミミの寝顔、かわいい。
俺はドアを開ける。
今日も世界が眩しい……。
……あ、いつも通り咲羅が待ってくれてる。
「お、咲羅。おはよ。なんか待たせてごめん」
「いや、待ってないよ?」
……はい?
「ちょうどここでお腹痛くなって、ちょっと立ち止まってただけ」
……そ、そうか……。
なんか俺と行きたくなさそうだな。
「わかった、じゃあな」
俺はさっさと咲羅から離れようとする。
咲羅もたまには独りになりたくなるときくらいあるよな。
「ちょっ、待って」
咲羅が俺のリュックをつまむ。
「天太、独りで行くの?」
「ああ、そうだな。実璃は用事あって今日一緒に行けないみたいだし」
「さみしいでしょ?」
「いや、全然。今までずっと独りだったし」
「……本当は?」
「さみしくない」
「独りで行きたい?」
「正直どうでもいい」
うん、間違ったことは言ってない。
「……ま、まぁ、天太も年頃だし? 素直になれないんだよね? 私も一緒に行くよ」
……なんだ、今日の咲羅?
なんかいつもとキャラが違う。
いつもなら『天太ー、一緒に行こー』とか言ってくれるのに。
これじゃツンデレじゃん。
……ん? 『ツンデレ』?
そういえば咲羅ってツンデレって噂があったな!
これがツンデレの咲羅か!
そしてこれが咲羅の本当の性格か!
これじゃ『白糸咲羅はツンデレ』って噂ができるわ。
「一緒に行ってくれるのか?」
「うん」
「そっか、ありがとな。俺と一緒にいてくれて」
「……うん……」
俺は咲羅の並んで歩き出す。
いつもなら結構話しかけてくれるけど、なぜか今日は全然話しかけてくれない。
……これが『本当の咲羅』か……。
このまま話しかけてくれないのかな?
「……最近どう?」
急に話しかけてくる咲羅。
そんな質問されてもな……。
「なんか変わったことあった?」
「強いて言うなら名取が――」
「名取!?」
おお、ちゃんと聞けた。
もう聞けないと思った。
咲羅の大声。
「ああ、名取だ」
「名取に何されたの!? 身体とか変なことされてない!?」
お前は俺の母親かよ。
「いや、特に何もされてない」
「……は? じゃあなんで『名取』って言った?」
「『名取が変な行動してこない』って言おうとした」
「……よかった……」
ん? 今、咲羅……、微笑んだ……?
意外とかわいいところあるな。
「……! 早く行こ!」
咲羅はさっきより速いスピードで歩く。
……なんかこの咲羅も面白いな……。
咲羅の前の性格のほうが好きな人、もう読んでくれなさそう……。
でも! そろそろ新キャラクター出ます!