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第70話 綱引き

 すんごいデケェ笛の音を合図にして綱引きが始まった。

 みんなが一斉に綱を掴む。


 そして引く。


 今は赤組と青組が戦ってる。


 つまり、今綱引きに参加してるのは赤組と青組だけ。

 白組は生徒席で見てる。


 正直、この時間が一番好き。


 俺が何もしなくても、なんかみんな盛り上がってる。

 なんかいいよね?


 「――あ、終わった」


 海川柚斗が言う。

 意外とこいつ、俺の近くにいるな……。


 なんか赤組が勝ったっぽい。


 流石総一朗。

 めっちゃ弱そうな見た目なのに、めっちゃ強い。


 ……総一朗が強いってわけじゃないと思うけど。


 「次は私たちと赤組ですね」


 実璃は深呼吸して身体を伸ばす。

 これって何回やるのかな?


 1回戦目は赤組と青組。

 2回戦目は赤組と白組。

 3回戦目は白組と青組。


 そんな感じかな?


 「じゃ、行きますか」


 海川柚斗は歩き出した。







 またデケェ笛の音を合図にしてみんなが綱を掴む。

 俺も綱を掴む。


 この綱、無駄に大きいし、無駄に重いから嫌いなんだよな……。


 俺は思いっきり綱を引く。

 うん、びくともしない。


 俺一人程度の力じゃ当たり前か。

 綱引きのコツとかなかったっけ?


 でも綱引きでは赤組に勝ちたいな……。


 海川柚斗の情報だと、名取は『言葉』で攻撃してくる。

 で、今名取の近くに白組のやつはいない。


 つまり、今の名取は『言葉』を使えない。


 「木神くん! 同じところ掴もう!」


 俺の隣りにいる女子生徒が俺にそんなことを言ってくる。

 ……お前誰?


 「同じところ?」

 「うん、木神くんと私が同じところを掴むの」

 「なんで?」

 「物理でやったの。『同じところを掴む――つまり力が発生する場所が同じだと、力が強くなる』って」

 「なんかの法則か?」

 「うん、『コイラの法則』っていうやつ」


 へー、そんなのあるんだ。

 もっと勉強しなきゃな。


 「さ、木神くん! 私の手をおさえて!」

 「わ、わかった!」


 俺はその女子生徒の手を覆うようにして綱を掴む。

 よし、これでできる――







 ――負けた。

 普通に負けた。


 いや、『普通』じゃない。

 ボロ負けだ。


 「……負けたな」


 海川柚斗がつぶやく。


 「ああ、ボロ負けだな」

 「そうだな」

 「……あ、あとさ、『コイラの法則』ってあんまり意味ねぇんだな」

 「……は? コイラ?」


 え?


 「『コイラの法則』。物理法則で、力が発生する場所が同じだと、力が強くなるやつ」

 「そんな法則あんのか?」


 あれ?

 ないの?


 あの女子生徒、嘘ついた?


 なんのために嘘ついた?


 あとで姉ちゃんに訊いてみよ。

作者が学年末考査が近いので、しばらく投稿できません。……中学生最後の定期試験……。嫌だけどやりたい……。というわけで! 3月の初めの方まで投稿できません! 本当に申し訳ありません……。次はテストが終わって元気な状態で投稿させていただきます!

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