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第68話 体育祭、昼休憩

 しばらく競技が続いて、昼休憩になった。

 弁当食うか。


 今日は姉ちゃんが弁当つくってくれた。


 初めてかも、姉ちゃんのつくった弁当食うの。


 「――ね、木神くん! お弁当つくってきたよ!」

 「私も!」


 ……今日もか……。







 「姉ちゃん……」

 「あ、天太――」


 姉ちゃんのところまで行った。

 そこには咲羅と実璃もいた。


 こいつらも俺と姉ちゃんと食いたかったらしかったから、『姉ちゃんのところに先に行ってろ』って言った。


 そして、俺を見た姉ちゃんはめっちゃびっくりした。


 「どうしたの!? そのお弁当!?」


 めっちゃ弁当持ってる俺。

 今日は10人前もある。


 頑張って持ってる。


 「もらった……」

 「もらったって……、その量!?」

 「いつも通りですね……」

 「いつも通りって……! 実璃ちゃん!? 天太いつもこんなにもらってんの!?」

 「ああ……」


 待って、重い。


 「姉ちゃん、なんか布とかない?」

 「え? レジャーシートならあるよ?」

 「それ、敷いてくんない……? 荷物重い……」


 姉ちゃんはため息をついてレジャーシートを敷いてくれる。

 俺はその上に弁当箱を全部置く。


 重かった……。


 「天太……、それ全部食べるつもり?」

 「食うしかねぇだろ。残すのもったいねぇし」

 「……よく食べきれるね」

 「もう慣れた」


 さてと、今日も食いますか。

 結構腹減ってるから、意外とペロリといけるかも。


 「今のところ赤組が勝っちゃってるね」


 弁当食いながら咲羅が言う。

 へー、今赤組が勝ってるんだ。


 あれ? でも2年生のやつは白組が勝ったよな?

 1年生と3年生、結構負けたのか?


 「午後に頑張るしかありませんね」

 「そうだな」

 「いやいや、天太なんもできないでしょ」


 姉ちゃん?


 「どう考えても天太運動神経悪いでしょ」


 確かにそうだけど!

 実の弟にそんなストレートに言うか?


 「いや! 天太はすごいですよ! 天太のおかげで勝てたんです!」


 咲羅が大声で言う。


 「『だるまさんが転んだ』ですごい作戦思いついたのも天太だし、『大玉転がし』も天太のおかげで勝ったんです!」


 うん、嬉しい。

 でも『すごい作戦』ってのは咲羅の思いついたのは咲羅のほうだけどな。


 「……? そういえば母さんは? いないのか?」

 「なんか行きたくないって言ってたよ。『どうせみんなの足引っ張るんだから、見ても無駄』だって」


 ひど。

 息子の体育祭くらい見に来てよ。


 忙しいならわかるけど、今日の母さん暇じゃん。


 どうせ今頃テレビでも見てるんだろうな……。

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