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第63話 『だるまさんが転んだ』の結果

 『だるまさんが転んだ』の結果。

 白組の勝利、らしい。


 何で勝ち負けを判断するかわからない。

 俺はただ、回転しながら進んだだけ。


 だからめっちゃ体育着汚れてる。


 「お疲れ様ですー、天太さんー!」


 白組が待機する場所で座ってると、実璃が声をかけてくる。


 「天太さん、ゴールできたんですね」

 「ああ、転がってただけだけど」

 「でもすごいですよ……。私なんて、最初の方に動いてしまって……」


 そういえば実璃とは一緒にいなかったな……。

 最初の方に捕まったのか……。


 「……あ、あとさ、何で勝ち負け判断するんだ? 最初にゴールした人の組?」

 「いえ、ゴールした人の組が多いところです」


 ……?

 なんか頭おいつかない。


 どういうこと?


 「今回は白組が10人、赤組が7人、青組が9人ゴールしました。それで、白組の人の数のほうが多いので、白組の勝ちってことになります」


 ああ、そういうことか。

 意外と青組といい勝負してたんだな。


 「余裕で勝ったね」


 咲羅が近づいてきて言う。

 めっちゃ笑顔。


 いや、咲羅の組、負けてますけど……?


 「はい、余裕で勝ちました」


 実璃は咲羅に返事する。

 ……理解できてないの俺だけ?


 「咲羅……、お前の組、負けてるけど……」

 「? 私の組は負けてるよ?」


 いや、そんな『当たり前じゃん』みたいな顔で言わないで。

 しかも、わかってるならなんで『勝った』とか言ってたの?


 「……ああ、天太には話してなかったね。『赤組には絶対に勝つ』ってこと」


 赤組?

 総一朗のいる組じゃねぇか。


 総一朗なんかに勝ってもなんも嬉しくねぇぞ?


 「『赤組』っていうより、『名取真央』のほうが正しいですけど」


 ……あ、そっか。

 名取のやつ、赤組だったのか。


 「……だからか……」

 「なにが?」


 さすが咲羅。

 俺の独り言を聞き逃さない。


 ちょっと怖い。


 「お前があんな変な作戦つくったわけがわかった」

 「変な作戦? そんなのつくった覚えないよ?」

 「いやいや、生理とか変なやつつくっただろ」

 「……まぁ、名取には勝ったんだし」


 話そらしやがった。


 それから咲羅と少し話して、咲羅は青組のところに帰っていった。


 咲羅……、あんな変な作戦つくって実行しようとするまで名取に勝ちたかったのか……。

 そんなに名取に勝ちたいのか……。


 じゃあ、咲羅の期待に応えてやらねぇとな。


 運動苦手だけど、頑張ってやるか。

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