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第61話 だるまさんが転んだ

 だるまさんが転んだのルール説明が終わった。


 赤組、白組、青組、全員で一斉にスタートする。


 鬼の先生が後ろを見ている間、移動が可能。

 鬼の先生は途中で、俺たちに顔を向ける。


 そこで、動いてるところを見られたら退場。


 鬼の先生は『だるまさんが転んだ』と言い終わると同時に振り向くらしい。


 そして、鬼役の先生はゴール地点のところに何人も立ってる。


 ……『鬼の先生』って言い方、なんか変だね。

 先生が、桃太郎で出てくるような『鬼』じゃないよ?

 先生は妖怪にならないからね?


 まぁ、だるまさんが転んだの規模がでかいバージョン。

 2年生全員で一斉にやるし。


 『それじゃ、始めます』


 マイクを持った校長先生。

 俺たちから数十メートル離れたところに立ってる。


ってか、校長先生もやるんだ……。


 俺たち生徒は、引かれている線に並んでいた。


 『だぁーるまさんがぁ――』


 校長が俺たちに背中を見せる。

 それと同時に先生たちも校長先生と同じ方向を向く。


 先生たちは俺たちを見ていない。


 今のうちに動くんだ。


 ……あと、めっちゃ申し訳ないけど、校長の声が怖い。

 ホラー映画にありそう、こういうシーン。


 『こぉーろん――』


 ヤバイ、くる。

 止まんなきゃ――


 『――だ!』


 先生たちが一斉に振り向く。

 俺は動きを止めた。


 ……うん、めっちゃ怖い。

 一斉に振り向かないで。


 あと、静かなのやめて?

 せめて音楽でも流そうよ。


 なんで無音なの?


 『――だぁ――』


 先生たちが後ろを向く。

 よし、また動ける。


 これ、動いたらどうなるんだろう。

 どういうふうに退場すればいいんだろう。


 『―――こぉーろんだぁ!』


 先生たちが振り向く。

 俺はちゃんと止まった。


 でも、俺の前の男子生徒は動いた。


 『! 動いてるやつ、みぃつけた!』


 校長先生が言う。

 すると、前にいた先生たちがめっちゃすごいスピードで走ってくる。


 そして、動いたやつを取り押さえる。


 その動いたやつは『やめろ! やめてくれ! まだやりたい!』って叫んでる。

 先生たちはその生徒を、前の方まで連れて行く。


 ……これは絶対退場したくない。


 こんな退場の仕方……。

 絶対嫌だ。


 『だぁーるま――』


 また動く。


 「天太」


 横から咲羅が話しかけてくる。

 超今更だけど、咲羅のハチマキ姿、結構かわいい。


 「この競技、結構ヤバイね」

 「ああ、取り押さえられてたぞ……」

 「いいこと思いついた」


 会話の途中で、先生が振り向く。

 俺と咲羅は一旦、会話を中断した。


 しばらくすると、先生はまた後ろを見た。


 「天太、お姉さんいたよね?」

 「ああ」

 「じゃあ、生理で苦しんでるところ、見たことある?」


 生理?

 なんで急にそんなのでてきた?


 まぁ、見たことあるけど。

 結構つらそうなんだよな。


 「ああ、結構痛そうだ」

 「でしょ? 本気で苦しいとき、横にならなきゃいけないくらいに」

 「……そうかもな」

 「目立つよね? 急に横になったら」

 「ああ、そうだな」

 「じゃ、天太は向こうに行って」


 ……? なに言ってんだ?


 「何が言いたいかわかった?」

咲羅が何しようとしてるか分かる人いますかー?

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