第48話 なんて言われた?
「で、なんと言われたんですか?」
昼休み。
今日は実璃と二人で弁当食ってる。
咲羅は部活の集まりがあるらしく、部室で食ってるらしい。
珍しく他の女子生徒もいない。
ただ弁当は渡された。
今日は五5人前コースだ……。
「ああ、言われた。なんか……」
言っていいのかな……?
アイツがプリクラ写真公開したって。
ってことは、アイツ『篠釣カムリ』ってことだよな?
よくそんな名前思いついたな。
「名取の精神ぶち壊したいって、俺と一緒に」
うん、確かそんな内容だった――
「――協力……してくれるか……?」
海川柚斗は頭を下げたまま訊いてくる。
「協力ったって……、どんなことすればいいかわかんねぇし」
「そこはなんとかするから!」
「でもな、今は俺には咲羅と実璃がいる。……あ、ついでに総一朗も。だからそんな簡単に……」
「お前の友達は巻き込まないようにする!」
そう言われてもな……。
でもここで拒み続けても面倒なことになりそうだし……。
「わかった、協力する」
「! マジか!」
「でも細かいことはここで言うな。お前が得意な電話でやれ」
俺はそう言い残して屋上から出た。
……今思えば『精神をぶち壊したい』なんて言ったなかったわ。
ヤベ、めっちゃ嘘ついた。
「そうなんですか……。どうやってぶち壊すんですかね?」
「それは知らん」
俺は米を口に入れながら言う。
よし、これで二つ目終わり。
「……で、入部届はもらったんですか?」
「? 入部届?」
「行事管理部にするんじゃないんですか?」
行事管理部?
なにそれ?
てかそもそも『行事管理部』って部活なの?
完全に『生徒会』みたいなやつだよね?
「なにそれ」
「え、言ってたじゃないですか!」
言ったっけ……?
そういえば言った気がする。
なんか咲羅に『何部にする?』とか訊かれて。
記憶が全然なかったわ……。
「まだ貰ってないみたいですね、入部届」
「ああ、完全に忘れてた」
「今日貰いに行くんですか?」
「そうしよっかな。顧問の先生、誰か知ってるか?」
「安藤先生です」
「じゃあその先生のとこ行ってくるわ。ありがとな」
弁当多いな……。
しかも揚げ物結構多いし。
しかもなんで、おかずが焼きそばなんだよ。
焼きそばをおずに米を食えってこと?
炭水化物に炭水化物を食ってどうするんだよ。
自分はよくありますよ、焼きそばがおかずのとき。めっちゃお腹にたまりますね。まぁ、でもお弁当をつくってくれる親には感謝ですね。