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第41話 プリクラ写真、拡散

 「咲羅!」


 俺は咲羅に走って向かう。

 咲羅は俺を見てたいして驚いていない様子だ。


 「天太……」

 「咲羅! お前! あの写真見たか!?」

 「うん……プリクラのやつでしょ?」


 クソがよ……!

 本当に何がしたいんだ……アイツは……!


 「本当に酷いことになりましたよね……」


 後ろから実璃の声。


 「私たちの行動を監視してたのでしょうか……」

 「お前さ……、毎回俺の後ろにいるよな?」

 「? そうですか?」

 「3人とも、昨日は楽しんだようですね」


 また後ろから声が聞こえる。

 しかも、今度は聞きたくない声だった。


 「よくこんな恥ずかしいことができましたね、木神天太さん」

 「俺の意思じゃねぇよ」


 俺は敢えて後ろを見ないで言う。

 どう考えても名取だ。


 「どうせアンタがやったんでしょ? よくこんなことできるね」

 「何を言っているのですか? 私は何もやっていませんよ?」

 「隠す気ですか?」

 「隠すも何も、知らないことを知らないと言って何が悪いのですか?」


 確かに、この写真を広めたのはあの電話のやつだ。

 名取とあの電話のやつが組んでるのか?


 ……いや、名取の雰囲気からしてそれはなさそうだ。


 でも一応訊いておくか。


 「じゃ、お前じゃないんだな?」

 「はい、関係ありません」

 「そっか。咲羅、実璃、行こうぜ」


 俺は結局名取と顔を合わせないまま、名取から離れた。







 「天太はどうだと思う?」


 昼休み、弁当食ってるときに咲羅が訊いてくる。

 ちなみに今日は弁当6人分コース、そして咲羅と実璃の3人で屋上で食ってる。


 珍しいことだ。


 「どう思うって?」

 「あの写真だよ。誰がばら撒いたと思う?」


 咲羅はあの電話のやつを知らないみたいだな……。

 実璃の表情からしても、二人ともアイツから電話はかかってきてないみたいだ。


 ここは一応とぼけとくか。


 「さぁ? いたずらだとしても、俺にいたずらしてくる友達なんていないからな」

 「本当にどうしましょうか……」

 「ま、考えても何も進まねぇ。こんなつまらないこと考えるより、もっとなんか別のこと話そうぜ?」


 ……そんなこと言っても無駄か……。


 女子にとってプリクラ公開されるって結構酷いことだからな――

 ――って姉ちゃんが言ってた。


 俺からしたらどうでもいい――わけでもないけど。

 俺だけ加工されてるから……。


 「――あ、ここで食おうと思ってたのに」


 後ろから声がする。


 振り向くと、そこには男子生徒がいた。


 「邪魔して悪かったな、木神天太」


 その男子生徒はそう言って、屋上から出ていった。

 『邪魔』ってほどでもないけどな……。

プリクラ写真って他人に見られるの、結構苦手なんですよね……。


今読者さんの思ったこと、推測しますね。

『え、この作者、プリクラ撮ってんの?』。


これに対して一言。

「いや、あれは……友達と……ノリで……」

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