表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/258

第28話 落ち込む

 「……どした?」


 教室。

 今度は総一朗の声。


 俺は総一朗の顔を見る。


 「元気ねぇじゃねぇかよ」

 「ちょっとな……」

 「……咲羅さんにフラレたか?」

 「一部そうかも」

 「マジかよ……」


 マジだよ。

 どんな顔して咲羅に会えばいいんだよ……。


 一応メールはしたんだけどな……。

 『さっきはごめん。どこかで話せない?』って。


 未読スルーだし。


 マジでフラレた……。

 せっかく話せる仲間が増えたのに……。


 「まぁ、人間関係なんてそんな上手くいくもんじゃないから。……今日の帰り、一緒にラーメン食いに行こうぜ。金は俺が出すから」

 「いいよ……。お前だって俺のこと『咲羅と話すなんて裏切り者!』みたいな感じに言ってただろ……」

 「だって本当にそう思ってたし。でもさすがに落ち込んでる姿見ると心配する」


 ……総一朗……。

 普通に友達って感じだな……。


 俺にとってはどんなに嬉しいことか……。

 友達がいるって。


 「あ、そうだ! 俺の弁当、少しだけ食うか? 今日唐揚げなんだ」

 「悪いけど弁当はいらない」

 「……そっか、お前には弁当をつくってくれるファンがいるからな」


 そうだよ……本当に最悪だよ……。

 今日は何人分の弁当が来るかな……?


 咲羅は弁当つくってきてくれたのかな……?


 「――え、咲羅! 帰るの!?」


 女子生徒の声が響く。

 ってか今なんて……?


 廊下から聞こえた。

 俺は急いで廊下に出る。


 バッグを肩にかけている咲羅がいた。

 早退か……!


 「咲羅!」


 俺は叫ぶが、咲羅は俺に顔を向けない。

 聞こえてないのか……。


 咲羅のところに行こうとしても、咲羅の周りに人がいすぎて近寄れない。


 咲羅はそのまま階段を降りていった。


 「クソがよ……!」


 どうしよう……。

 咲羅に話しかけるタイミングが完全になくなった……!


 今日はもう諦めるしかないのか……。


 「――あ、いたいた!」


 後ろから声がする。

 担任の先生だ。


 「木神! お前、最近白糸と仲がいいみたいだな」

 「仲がいいっていうか……。よく話しますね」

 「そうか! 白糸が早退しちまったから、その分のプリントとか、白糸の家まで届けてくれねぇか? じゃ、またあとで」


 先生はそう言ってどこかへ行った。


 ……でもめっちゃいい!

 これで咲羅と二人で話せる!


 絶対に言おう……。


 「よかったじゃねぇかよ」

 「ああ、ナイスタイミングだ」

 「これで咲羅さんと話せるな」

 「ああ!」


 でも一つ不思議に思った。


 咲羅の家ってどこ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ