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第269話 食事は?

 とりあえずファミレスまで来た。

 久しぶりに来た気がする、ファミレスに。


 最後に行ったの、2年生の最初ほうだったもん。

 咲羅と二人で行ったやつ。


 俺がティラミス奢ったやつだっけ?

 ……いや、奢ってなかったな。

 『なんか奢る流れになったけど、結局奢らなかった』みたいな感じだった気がする。


 あのときと比べると随分と変わったし、色々なことがあったな。


 「んー、なに食べよっかな……」


 メニュー見て悩んでる咲羅。

 なんか意外かも、こういう咲羅。


 「ティラミスじゃないの?」

 「いや、お昼ご飯だから」

 「いやー、お昼ご飯でもティラミス食べるのかなーって」

 「んな人いるわけ――とは言えないけど、今は甘い物の気分じゃないの」


 咲羅の言葉を聞きながら俺もメニューを見る。

 なんかさ、ファミレスのご飯って結構量少ないよね?


 多分俺が大食いになっただけだと思うけど。

 ずっとお弁当もらってましたからね、大量に。


 とりあえず俺も咲羅も注文して、ドリンクバーで飲み物持ってきた。


 「……そういえばなんだけどさ、咲羅」

 「ん?」


 ジュースを飲んでる咲羅に訊く。


 「いつ提出? 感想文」

 「ん!?」


 咲羅はむせたみたいで、めっちゃ咳してる。

 俺のせい……じゃないよね?


 「ほら、感想文あったじゃん。そのために俺たち夜の学校に行ったんだし」

 「明日だけど……まさか、あのこと書いたの!?」

 「そりゃあね? だってそのために行ったんじゃないの?」

 「……そうだね、私が悪かった」

 「? なんで?」

 「夜中に学校忍び込んだなんて教師に言えるわけないじゃん! 私たち処分喰らうかもだよ!?」

 「あれ? 矛盾してない? 感想文書くために行ったんじゃ――」

 「告白するために誘ったに決まってるでしょ……」


 さっきまで大声だったのに、今度は超小声で言う咲羅。

 で、そのあとはいつも通り『言わせないでよ!』って言葉が返ってきた。


 「まったく、なんでそんな鈍感なんだろうね……。モテる理由が知りたいよ」

 「最後のは聞かなかったことにしといて、俺ってそんな鈍感かな? まだ総一郎のほうが鈍感だと思うんだけど」

 「江島のほうが鋭いと思うけどね。恋愛とかに限るけど。ってか、江島って恋人いるの?」

 「いたら堂々と『恋人ほしい!』とか言わないだろ」

 「そんなこと言ってるんだ……。でも、江島も良い方だと思うんだけどなー……。一応メリハリはあるし」


 ……よく知ってるな。

 あいつにメリハリがあること、俺くらいしか知らないはずだぞ。


 よく観察でもしない限り、本当のあいつを知らないはず。


 ここでやっとわかった、咲羅がモテる理由。


 咲羅は見た目とかそういうので判断してないんだ。

 ちゃんと中身まで見て、そこで人を判断してるからなんだろうな。

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