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第267話 新学期の第一関門

 「え、ねぇ! 咲羅ちゃんと付き合ったって本当!?」

 「嘘だよね!? エイプリールフールの日に告白されて、その日のうちにOKしたんだよね!?」


 早速色々な人に囲まれてる。

 それは咲羅も同じだった。


 っていうか、俺と咲羅、隣に座ってるから、俺たちを中心にみんな立ってる。

 俺が一番恐れていたことが起こってしまった……。


 総一郎のやつ、言いふらした……?

 いや、あいつはそんなことしない、絶対に。


 やっぱりこういう噂ってすぐに広まるんだな……。


 新しい先生、早く来てくれないかな?

 俺も咲羅も困ってるんだけど。


 「みんな! 3組の田中くんがそのこと詳しく知ってるって!」


 どこからか聞こえる聞き慣れた声。

 そしてその声を合図にしたかのように、一斉に出ていくみんな。


 田中……。

 俺はまだ忘れてないぞ、あいつの名前を。


 確か、俺と実璃が二人きりでいるところを盗撮したやつだよね?

 実璃が夜に俺の家の前まで来て、そして帰りに俺がアイス買ったとき。


 で、さっきの声の正体――湊亜がこっちに向かってきていた。


 「天太くん、大変だったね……」

 「本当に大変だった、ありがと」


 素直に感謝してる。


 湊亜の他に実璃もこっちに来てた。


 「あ、天太さん……。おめでとうございます」

 「結婚したわけじゃないし、そこまで言わなくても大丈夫だ――」

 「え?」


 俺の声を遮る咲羅。

 なにが『え?』なのかわからない。


 ちょっと俺の頭じゃ理解できないな。


 「ってか、なんでみんな知ってるの? 咲羅、誰かに言った?」

 「言うわけないじゃん! 逆に天太が誰かに言ったんじゃないの!?」

 「俺がそんな自殺行為するわけないじゃん!」

 「し、白糸さんのSNSとかが原因じゃないでしょうか……? 白糸さん、フォロワー多いらしいですし……」

 「私、白糸さんのSNSはフォローしてるけど、そういう投稿はなかったけど……」


 スマホを確認しながらそう言う湊亜。

 そしてしばらくしてから『うん、やっぱりない』ってつぶやいた。


 「そんなの投稿するわけないじゃん……。色々叩かれるの嫌だし……」

 「そういえば湊亜、『田中が知ってる』って言ってたけど、そうなの?」

 「あ、うーん……、あれ、嘘なんだ」

 「……え?」

 「天太くんを助けなきゃなって思って、咄嗟に出た言葉があれだった。田中くんにはあとで謝っとかなきゃ」


 お、えらい。

 ちゃんと謝れるんだ。


 ってか、俺が謝らなきゃいけないのか。


 それより、なにかが違和感すごい……。

 今までのことが一気に変わった気がする。


 ……わかった、実璃だ。

 あいつ、またコミュ障みたいになってる。


 なんでだろう?

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