第261話 夜の学校へ 〜2〜
スマホの懐中電灯で照らすけど、やっぱり暗い。
逆に一部分しか光がない状態になってるから余計に怖い。
「で、こっからどうするの?」
「屋上、行ってみたい」
あ、そっか、屋上か。
星とか綺麗に見えるかな?
この街、極端な都会でもないし極端な田舎でもないから微妙な星の見え方なんだよね。
でも夜の街灯とかは少ない方だと思うから、都会のど真ん中とかよりかは見やすいと思う。
それと、結構怖いことがもう一つあるんだけど、これってバレたらどのくらいの処分喰らうのかな?
バレないことを願うけど。
防犯カメラとかあったらヤバいよね? きっとバッチリ映っちゃってるし。
「天太、こういうとこ好き?」
「まぁ……暗いし静かだし」
「ふーん。じゃあ前歩いて?」
……え?
いや、確かに今は咲羅が前を歩いてるけど。
「私こういうとこ苦手だし……」
じゃあなぜ自ら前を歩いたんだ……。
そしてなぜ出かける場所をここにしたんだ……。
俺も怖いっちゃ怖いけど、そんな眠れなくなるくらい怖いわけじゃないから前を歩くくらいならいっか。
「わかった」
「……ありがと」
咲羅がその場で止まって、俺は咲羅の前を進む。
前に人がいるのといないのとじゃ全然違うわ。
確かに怖い。
夜の学校、恐るべし。
「……これさ、一人ずつ消えてくやつだよね?」
男子トイレを通り過ぎたところで咲羅がつぶやく。
「ほら、天太が後ろみたら私がいなくなってた……みたいな」
「え、やめてよ。ここで言うもんじゃないよ」
「だから……」
咲羅は俺の服を掴む。
「これで大丈夫」
……なにが?
「これなら離れ離れにならないから」
いや、なっちゃうかもしれないよ?
めっちゃマッチョの幽霊さんだったら俺と咲羅を引き離せるでしょ。
ってか、咲羅掴む力強い。
そんなに怖いのかな?
「……わかった」
「……うん」
もう一回歩き出す。
なんか知らないけど、心臓がドクドク言ってる。
普通のスピードじゃなくて、異常に速い。
これって俺も怖がってるのかな?
「――でさ、天太」
「どうした?」
「どこ向かってるの……?」
「え? 教室に決まってるじゃん」
「……え?」
「だから、次の授業始まっちゃうから――」
「えええぇぇぇ!?」
いや、こっちが『えええぇぇぇ!?』なんですけど!?
急に叫ばないでよ! 怖いんだから!
しかも、俺なんも間違ったこと言ってないし!
「目的地、屋上だよ!?」
「……へ?」
「なに授業受けようとしてんの! 屋上だよ!」
「……あ、そうじゃん! めっちゃバカじゃん! 俺!」
「……なんでそんな呑気でいられるの……?」
呑気ではないけども……。
ま、間違いは誰でもある。
うん、そう思って自分に元気を与えよう。
屋上に向かうか。
屋上はここから――。
――反対方向じゃん。




