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第248話 花見……? 〜2〜

 「――つまり、そのせいで翔琉の春休みが変な思い出になってしまったと……?」

 「うん、そう」


 言音に全部を話した。

 すると言音は納得してなさそうに喋る。


 「でもなんでですか? 楽しいじゃないですか、お花見」

 「……楽しいと思う? ここのどこに花が咲いてるっていうんだよ」

 「今の季節ならこの街にも咲いてますよね?」

 「……ここ」


 俺は真下を指差す。


 「……え? ここですか!? どこにも花なんてないじゃないですか!」

 「そうなんだよ! それなのに父さんが……!」

 「翔琉くん、帰りたかったら帰っていいからね」

 「い、いや……」


 確かに、翔琉に判断を任せても困るよな。

 ここは無理矢理帰らせるか?

 いや、そしたらまるで俺たちが追い出したみたいになっちゃう。

 俺たちがどう思われるかわからないし。


 だから無理に帰らすわけにはいかないんだよな……。


 「そういえば私、木神先輩のお父さんに興味あります!」


 言音がさらっと恐ろしいことを言う。


 俺の父さんに興味あるのなんて、よっぽどの変態だけだと思うんだけど。


 「お会いしていいですか?」

 「やめとけ、お前がなにされるかわからない」

 「えー、いいじゃないですかー。翔琉もいるんですし!」

 「……どうなってもしらないからな」

 「はい!」


 言音は俺の父さんを甘く見てる。


 なら今日会わせるか。

 そうすれば言音にも父さんの危険さが伝わるかもしれない。


 「それじゃあ、ついてきて」

 「はい!」


 満面の笑みで歩く言音。

 翔琉もちゃんとついてきていた。

 えらいな……。


 父さんたちが見えてきた。

 母さんも酒飲んでる。

 父さんは論外。


 変な踊り踊ってるし。


 「で、木神先輩のお父さんってどこにいるんですか?」

 「そこ」

 「? どこですか?」

 「そこで謎のダンスしてる人」

 「ああ……」


 その反応、結構きついな。


 「やめとく? 会うの」

 「いえ、なんか面白そうな方じゃないですか!」


 ポジティブだな、言音。

 それなら知るがいい、俺の父さんを。


 「父さん、もう一人花見に参加したいって人が――」

 「天太! 静かに! 今そこにアリの行列があるから!」


 静かにするのとアリの行列は関係ないだろ。

 しかも今、あなたアリの行列なんて観察してないじゃないですか。


 「なんで?」

 「だってー! アリさんが大きい声でびっくりしちゃうでしょ!」

 「お父さんのほうがうるっさいから!」


 とうとう姉ちゃんが叫ぶ。

 ちょっとびっくり。


 言音と翔琉は父さんより、姉ちゃんの突然の叫びに驚いてるみたい。


 「えー、ひどい! お父さん、泣いちゃうぞ! ぴえん!」

 「天太から今あったけど、もう一人参加したいって、いいよね?」

 「もちろん」


 これには母さんが反応した。

 母さんはまだまともだ。


 この夫婦、酒飲むとどっちもヤバくなるんだよな……。

 俺もこうなるのかな?

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