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第246話 どっか出かけない?

 部活紹介動画でどんなことを言うかをずっと考えてるけど、思い浮かばない。

 いや、絶対言わなきゃいけないことはわかるよ?

 活動日と活動場所、それと現在の部員数も。


 ただそれだけだと物足りないよね……。


 なんか面白いところがないと、誰も入ろうと思わない。

 ましてや『行儀管理部』なんて。

 サッカー部とか野球部とかならいっぱい入ると思うんだけどな……。


 翔琉とわかれたあとも、寝るときもずっと考えてるけど、本当になにも思い浮かばない。


 「天太ー、入っていいかー?」


 ドア越しに父さんの声が聞こえる。

 この声、もう酔ってないみたい。


 ……って、まだ酔ってたら困るけどね。

 だってもう翌日になってるもん、父さんが帰ってきてから。


 「あー、いいよ?」


 ドアがゆっくりと開き、父さんが入ってくる。


 「せっかく帰ってきたからさ、みんなでどっか出かけないか?」

 「あ、それいい。俺も父さんとどっか行きたい」


 酔ってない状態に限るけど。


 「いつまでいるの?」

 「明後日まで。それでさ、行き場所なんだけど……」

 「うんうん」

 「パリピが集まるナイトクラブ――」

 「却下」

 「――ってのは冗談で、花見とかどう?」


 あー、花見かー。

 最近行ってないから行きたいかも。

 パリピが集まるナイトクラブより何倍もいい。


 「いつ行く?」

 「明日かなー? 明日が一番天気いいし」

 「わかった、準備しとく」

 「準備しといて。俺も酒、準備しなくちゃ……」


 さらっと恐ろしいことを言いながら父さんは俺の部屋から出ていった。


 「それとー! 俺たち4人だとさみしいから誰か友達呼んでー!」


 え、家族4人じゃないの?

 ……いや、ミミ含めて4人と1匹か。


 まぁ、せっかく父さんが来てくれてるんだし、父さんに従うか。


 友達、ね……。


 父さん酒飲むわけだし、面白いやつがいいよな、一発芸とかできる。

 そんなの総一郎しかいない。


 さっそくメールを送ってみるけど、『その日は湊亜さんとデート』だけ帰ってきた。


 ……デート、ね……。


 一応気になったから湊亜にも訊いてみたけど、その日はちょうど演劇部の合宿らしい。

 一緒に出かければデートってことになるのか……。


 とりあえず女子は誘っちゃダメだ。

 酔った父さんにひどいことされそうだし。


 なら男だな……。


 柚斗に送ったけど、『ごめん、用事入ってる』って断られた。


 だと残るのは――


 俺は最後の一人にメッセージを送った。

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