第239話 翔琉と仲良くなろう作戦 〜3〜
ものすごく寒いです。
気温のせいで身体の外も寒いし、あの謎のシェイクのせいで身体の中も寒い。
翔琉はホットコーヒー飲んでるからあんまり寒くなさそう。
俺も一口だけもらえばよかった。
翔琉はさっきと同じように、俺の前を黙って歩いてる。
ものすごく気まずい。
これってもしかして暗に解散を示してる?
俺、『甘いもの飲みたい』って言っただけで、その目的は果たしちゃったわけだし。
でももしそれが違ったとしたら、俺が勝手に帰ることになる。
わかんないよ、こういうとき。
いつもは咲羅とか総一郎とかと一緒だからな……。
あいつら、『これからどっか行くぞ!』とか『ついてこい!』とか言ってくれるからわかりやすいんだよな。
翔琉は歩くペースを変えずにゲーセンに入っていった。
なんでこんなとこに……?
でも翔琉が中に入っちゃったし、俺も入るしかない。
ゲーセンはやっぱりうるさい。
それより翔琉、やりたいゲームでもあるのかな?
『どこに行くのかなー』って思ってたら、急に翔琉が止まった。
「――か?」
? 今翔琉、なんか言った?
周りがうるさしぎて聞こえないんだけど。
翔琉に近づく。
「ごめん、もう1回言って? なんも聞こえない」
「――に――か?」
ごめん、翔琉、なんも聞こえないわ。
なんでこのうるさいところで話す?
俺はもっと翔琉に近づいた。
「本当にごめん、もう1回お願いします」
「なんで僕なんかに……そんなに関わってくれるんですか……?」
今度はハッキリ聞こえた。
翔琉……お前一人称『僕』もできるんだな。
しかも敬語使えるんだな……。
今はそんなことどうでもいっか。
翔琉の言葉が気になりすぎる。
「僕……先輩に対してかなり失礼なこと……してますよ……?」
まぁ、翔琉のやることを一部の人は怒るだろうな。
『先輩に敬語使え』とか。
俺はそういうのあんまり気にしないからなんとも思ってないけど。
「さっきもひどいことしたのに……なんで――」
「翔琉」
俺は翔琉の声を遮った。
「お前、話したいことがあるんだろ? だったら場所変えようぜ。誰にも聞かれたくないことだから、こういう他人の声が聞こえないようなうるさい環境選んだんだろ? だったらそもそも人がいないようなとこ行こうぜ。場所なら知ってるから」
俺は翔琉に背中を見せて歩き出した。
今度は俺が翔琉の前を歩く形になった。
追記……8月11日から約1週間、作者の予定が勉強勉強勉強勉強勉強なのでその間は投稿を中断させていただきます。