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第221話 バスケ 〜2〜

 どうしようどうしようどうしよう。

 マジでヤバい。


 たまたま俺が奇跡起こして点入れちゃったから、敵のみんなから狙われてる。

 しかもさっき『あの木神ってやつには要注意な』って敵が言ってるの聞こえちゃったもん。


 あんなのホイホイできませんよ。

 だから俺を狙わないでください。


 俺はもう動きませんから。


 バスケって身体が当たることとかよくあるよね?

 今回の敵、図体デカい人しかいないから、体当たりされたら俺死ぬよ?


 「木神!」


 声が聞こえる。

 嫌な予感がするけど、声が聞こえた方向を見る。

 さっきと同じように、ボールが俺のところに向かってきた。


 だから俺にボールを投げるな!


 反射的にそれをキャッチするけど、そこからどうすればいいかわからない。


 またさっきみたいにゴールに向けて投げちゃう?


 でもさっきのは本当に奇跡だし、次はきっと外す。

 外したら敵さんのボールになっちゃうから、味方の皆さんに変な目で見られる。

 逆に奇跡的にまたゴールに入っちゃったら、敵の皆さんの俺への警戒レベルが上がっちゃう。


 どっちも地獄じゃないか!


 「天太さーん! ドリブルー!」


 どっかから実璃の声が聞こえる。

 多分、観客席から実璃が叫んでるんだ。


 ドリブルなんて無理だよ!

 あんな高度な技、俺にはできない!


 ……でもバスケ部の実璃がそう言ってるんだ。

 実璃を信じよう。


 確か、ドリブルは強くやらなきゃいけないんだよな。

 弱いとボールがとられちゃう。


 強く押して、返ってきたボールを強く返す。

 そうすることでボールが速くなって、敵も取りにくくなる。


 なんでこんなこと、俺知ってるんだろ。

 ま、これが合ってるかもわからないけど。


 俺はボールを本気で床に打ちつける。


 よし、これであとは――。


 ……? あれ? ボールが目の前にある。

 今ちょうど俺の顔の1センチくらい前。

 なんでこんな顔の近くまで跳ね返ってくるの?


 ……これってまさか……!


 「――ふがぁ!」


 次の瞬間には顔に激痛が走ってた。

 ボールが俺の顔面に当たった。


 俺が本気でボールを突く。

 ……『突く』って表現合ってる?

 まぁ、それでボールも強く跳ね返る。

 それで俺の顔面に当たる。

 ものすごく痛い。


 「ボール、サンキュ」


 敵さんが落ちたボールを拾う。

 あぁ、俺のボール……。


 って、試合続行なの?

 俺ケガしてない?

 鼻血とか出してたら嫌だよ?


 でもわかったことがある。


 俺は絶対にドリブルしちゃいけない!

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